都営地下鉄新宿線で使用していた10-000形のうち、試作車と1978年の岩本町ー東大島開業にあわせて製造された一次車と、1980年の新宿ー岩本町間開業に際して製造された二次車については、老朽化のため新型車両に置き換えることになった。
これらの編成は6両編成で製造され、1986年以降に中間車を製造して8両編成にしていたため、新しい中間車は更新して継続使用し、先頭車だけを新製することになった。こうして2004年から2005年にかけて10-300R形が製造された。10-300R形の外観は、10-300形と共通であるが、編成としてのシステムは、10-000形の七次車・八次車に準拠している。
先頭車だけが新しい編成というのは、山手線・京浜東北線にATCを導入するときに103系に見られたが、現代では少なくなっているような気がする。他には東急が8090系をみなとみらい線に直通させるために製造した8590形くらいしか思いつかない。
10-000形の中間車に10-300R形を組み合わせた編成は、現在6本が大島車両検修場に所属し、本八幡ー笹塚間の普通列車を中心に活躍している。