2009/12/21

東京都電荒川線7000形〈7005号〉

 現在も荒川線で一番多く走っている7000形電車は、1978年にワンマンカーに改造された頃は写真のような姿をしていました。今でも元気に荒川線を走る7005号ですが今の姿とは違っています。
 第一に塗装が違いますね。都電はイエローに赤帯を巻いていましたが、青帯になっています。ワンマンカーであることをアピールするためだったのでしょうか?今では7022号がこの塗装を復元して走っています。
 第二にクーラーが乗っていませんね。今では電車やバスにはク-ラーがついているのが当たり前ですが、写真を撮影した1985年当時には、通勤電車にも冷房のないものがあり、地下鉄や路面電車にはほとんどクーラーがついていませんでした。
 第三に架線から電気を取り入れる装置が「ビューゲル」という「しゃもじ」のようなものを使っていますね。戦後の路面電車では定番の装置でしたが、いまでは見かけなくなりました。
 皮肉なことに東京で荒川線が再生し、生まれ変わった7000形が現れた1978年に、京都では市電が全廃されてしまいました。今でこそ2路線の地下鉄が走る京都ですが、せめて外周部や河原町線だけでも残してほしかったと思います。観光や生活に有益だと思うのですが・・・
【撮影:佐野次郎 1985年頃 宮の前ー熊野前間】