2021/04/25

相模鉄道10000系(10701F)

相模鉄道では、アルミ車体の9000系(9702F~9707F)・8000系(8709F)に続いて、10000系(10701F)の車体の塗装がヨコハマネイビーブルーに変更されました。私個人の意見としては、3系列の中で10000系が変更前に比べて最も変化が大きく感じられます。
10000系の車体はステンレス製で無塗装でしたので、全面に濃紺の塗装を新たに施した姿はインパクト抜群です。また前照灯を上げたことにより、先頭部も改造前とは大きく印象が異なり、11000系に近いものになりました。
10000系はJR東日本のE231系を基本として設計されているので、相模鉄道オリジナルの車両とは少々毛色が異なるのですが、それがまた外装のリニューアルの効果を高めていると感じます。車両番号の表記もまた好印象です。
写真の10701Fは、2002年1月に東急車輌で完成したもので10000系の1次車に相当します。JR長野総合車両センターでVVVF装置などの更新を施行したのち、かしわ台車両センターで内外装のリニューアルを行い、2020年11月から営業運転に復帰しています。

過去の記事から
相模鉄道10000系(10701F) 
https://sanojiro.blogspot.com/2009/08/1000010701f.html

2021/04/24

相模鉄道9000系(9707F)

相模鉄道9000系は、日立製作所で製作されていた8000系を基本として、東急車輌で製作されたものです。1993年から2001年にかけて70両(10両編成7本)が製作されました。アルミ車体に当初から塗装を施し、主電動機出力を増強し、最高速度も120km/hに向上しているのが8000系との主な相違点でした。
9000系は、2016年3月に完成した9703Fを皮切りに車内リニューアルと、車体の塗装変更(YOKOHAMA NAVY BLUE)を行いました。これは2017年の創立100周年を契機とする「デザインブランドアッププロジェクト」によるものです。
このリニューアルは「古くならない、熟成するデザイン」「普遍的な色・素材」を取り入れたもので、9000系については新車と見まがうくらいインパクトのあるものです。第1編成である9701Fを除く6編成を対象に施行されました。
写真の9707Fは、2001年3月に東急車輌で完成したもので、9000系の4次車に相当します。2013年にインバータ装置の換装を行いました。2019年10月にかしわ台車両センターでリニューアルを完了しました。9707Fをもって9000系のYNB化が完了しました。

過去の記事から
相模鉄道9000系(9701F)
相模鉄道9000系(9705F) オリジナル塗装
相模鉄道9000系(9707F) リニューアル前

2021/04/21

相模鉄道8000系(8704F)

相模鉄道8000系は1990年に1次車が製作され、1999年までに130両(10両編成13本)が揃いました。主に6000系の代替に充てられましたが、6000系・7000系が主力であった中では斬新な車両だと感じました。
8000系は7000系と同じく車体はアルミ合金製ですが、拡幅車体を採用して室内スペースを広くとっています。クロスシートの一部採用が目を引きますが、ロングシートも1人当たりの幅を450mm確保しているのは、当時としては先進的な仕様だと思います。
2004年に8707Fが事故廃車となりましたが、相鉄の車両の中では最多勢力を維持しており、撮影していてもよく見かける車両でした。20000系の増備により、8702.8703.8704Fの3編成が廃車となり、時の流れを感じます。
写真の8704Fは、1992年1月に日立製作所で完成したもので、8000系の3次車に相当します。2012年1月に写真の塗装に変更となりました。2021年1月に運用を離脱し、既に解体されています。

2021/04/18

相模鉄道8000系(8709F)

相模鉄道では、創業100周年を機に9000系を対象に塗装をYNB化することや内装のリニューアルを行い、大きなインパクトを与えましたが、9000系とほぼ同時期に製造された8000系についてもYNB化された編成が現れました。
車体については、9000系同様の相鉄オリジナルのネイビーブルー塗装に変更するともに、前照灯を車体上部に再配置しております。内装についても9000系同様に色調を変更していますが、ボックスシートへの本革使用を見送るなど仕様は少し簡素化しているようです。
7編成中6編成がリニューアルされた9000系とは異なり、8000系の初期型は廃車となる模様です。既に8702F.8703F.8704Fの3編成が営業運転を離脱して、廃車・解体となっています。今後も20000系の増備の進行により離脱する編成が出て来るものと思われます。
写真の8709Fは1995年4月に日立製作所で完成したもので、8000系の6次車に相当します。2017年3月にVVVFインバータとSIVの更新を行っています。2020年3月にかしわ台車両センターでリニューアルを完了しました。

過去の記事から
相模鉄道8000系〈8709F〉 オリジナル塗装
相模鉄道8000系(8702F)
相模鉄道8000系(8703F)

2021/04/17

相模鉄道ED10形(ED11)

かしわ台車両センターには、ED10形電気機関車のED11号機も保存されています。ED10形電気機関車は、1950年から蒸気機関車に代えて貨物列車を牽引していた電動貨車モワ1形をモハ2000形に改造するため、1952年に登場したものです。背景には慢性的な旅客車不足と電動貨車の牽引力が機関車に及ばないことがありました。
私鉄の電気機関車は国鉄に比べても絶対数が少なく、希少な存在といえます。ED10形は丸みを帯びた箱型の車体に、国鉄モハ63割当車である3000形から転用したMT30形主電動機やTR25A台車など電車用の部品を組み合わせています。運転台の配置も電車に近いものでした。
相模鉄道の貨物輸送は、1979年10月に保土ヶ谷ー西横浜間を廃止し、1986年11月まで相模線厚木経由で存続しました。最後まで残った相模大塚に至る米軍向け航空燃料輸送が1998年10月まで運転されました。ED10形はその後、レール輸送や甲種回送の牽引、構内入換等事業用に使用されました。

ED11は、1952年5月に東洋電機・東洋工機で完成したものです。2007年3月に廃車となっております。他にED10形には1952年製のED12、1953年製のED13、1965年製のED14の3両がありましたが、2007年2月に廃車となりました。

                                敷地外から撮影 ※下写真は相模大塚付近の専用線跡 2018年1月

2021/04/14

相模鉄道トフ400形(トフ400)

かしわ台車両センターに保存されている車両の中でも特に珍しい存在が、無蓋緩急車のトフ400ではないでしょうか。保存車両の中での貨車自体が貴重な事例に属しています。私には鉄道博物館のコキ50000形コンテナ車とレムフ10000形冷蔵車くらいしか思い浮かびません。
相模鉄道にとっては、相模川の砂利輸送は祖業のようなもので、開業時から1950年代頃までは電車などの旅客用の車両よりも貨車の方が多く在籍していたのです。戦時中の相模鉄道(現在のJR相模線)・神中鉄道(現在の相鉄本線)合併時には260両を越す貨車が在籍していました。
旧相模鉄道が国有化されたり、相模川の砂利採取が禁止されたことにより、貨車の在籍数は減少していきましたが、1980年代でも4形式21両の貨車が在籍していました。最終的に貨物輸送が全廃されたのは1998年10月であります。
トフ400形は神中鉄道トフ400形として1928年に服部製作所で5両が製作されました。緩急車というのは車掌室のある貨車ですが、その昔は国鉄の貨物列車の最後部に連結されていました。最後まで残った燃料輸送の緩急車の連結が省略されましたので、トフ400も1994年3月に廃車となりました。
2018年1月 敷地外から撮影

2021/04/11

相模鉄道2000系(モニ2005)

相模鉄道2000系は、車体長17メートル・3扉という現行よりも一回り小さい電車で、1948年から61年にかけて登場したものです。戦災国電からの復旧車や小田急・東急を経て移籍した車両、旧青梅電気鉄道から継承した車両など多様な出自を持っていました。
1970年から廃車が始まり、アルミ車体の2100系に機器を供出した車両や伊豆箱根鉄道・伊予鉄道などの地方私鉄に移籍した車両もありました。1975年には2005.2016.2022.2023号の4両が荷物電車に改造されました。
1978年には荷物輸送は廃止されていましたので、以後は事業用車として活躍しました。2023号は屋根に架線観測設備を持っていました。2006年8月には7000系を改造した後継のモヤ700系が登場しております。
写真のモニ2005は、1949年3月に東急横浜製作所で旧国鉄30系戦災車を復旧したものです。1963年6月に東横車輌で車体更新されています。2007年3月に廃車となり、かしわ台車両センターで保存されています。
敷地外より撮影 2018年1月

2021/04/10

相模鉄道6000系(モハ6021)

相模鉄道6000系のモハ6021は、アルミ車体の試作車として製作されました。車体の基本寸法や主な機器は同時期に増備されていたモハ6000形と同じで、車体をアルミ合金で製作したもので、普通鋼製のモハ6000形よりも4.5トン軽量化されていました。
編成中に1両だけ銀色のモハ6021が入る姿は非常に目立つものでした。私は実際に見た記憶はありませんが、保育社のカラーブックスの「相模鉄道」に、西谷駅で新幹線とモハ6021が写っているカットがあり非常に印象的でした。
モハ6021の成果は、旧型車を車体更新した2100系、5100系、そして6000系に続く主力車両として1975年に登場した7000系に反映されました。8000系・9000系がデビューする前の相模鉄道の車両のスタイルの基礎になったともいえそうです。
モハ6021は1967年7月に日立製作所で完成したものです。1983年12月にかしわ台工機所で冷房改造が行われましたが、ヒートポンプ式の装置を導入したため他車とは仕様が違っていました。1998年3月に廃車となり、かしわ台車両センターで保存されています。
敷地外より撮影 2018年1月

過去の記事から
相模鉄道7000系〈7005F〉
相模鉄道7000系(7712F)


2021/04/07

相模鉄道6000系(モハ6001)

相模鉄道の車両基地であるかしわ台車両センターでは8両の貴重な車両が保存されており、そのうちの一部を敷地外の公道から撮影することができます。車両基地の西側に留置されている車両を撮影できますが、位置を入れ替えることもあるようです。
なかでも私には子供の頃から図鑑・鉄道書でなじみ深かった6000系電車にまず目が行きます。6000系は1961年から74年にかけて190両が製造されたかつての相模鉄道を代表した電車です。うち後期型の70両は拡幅車体を採用した改良型の新6000系と呼ばれるものです。
国鉄の101系・103系同様の車体長20m・両開き4扉の純然たる通勤電車ですが、経済性重視の中にも空気バネ台車を採用しているなど、先進性もある電車でした。1990年代に8000系・9000系に代替されるまで活躍し、私も何度か乗車することができました。
写真のモハ6001は、1961年10月に日立製作所で完成したもので、6000系の1次車に相当します。1983年6月に東急車輌で冷房改造が行われ、1993年4月に廃車となりました。撮影当時は旧塗装でしたが、2018年に引退時の薄緑の塗装に塗り替えられました。
敷地外より撮影 2018年1月

過去の記事から
相模鉄道8000系(8713F)
https://sanojiro.blogspot.com/2012/08/80008713f.html
相模鉄道9000系(9704F)
https://sanojiro.blogspot.com/2012/08/90009704f.html