横浜の根岸には、戦前に競馬場があった。現在のように競馬が大衆化していなかった時代の話である。
その競馬場跡は戦後根岸森林公園となり、市民の憩いの場、レクリエーションの場として親しまれている。
旧競馬場の観覧席の跡は、ずっと残っていた。しかし、米軍の管理下に置かれ、長い間姿は見えるが近づくことはできないという状態が続いていた。
近年になり、米軍が管理する区域の見直しが行われ、根岸森林公園も拡張された。こうして今では観覧席跡に近づくことができるようになった。長年放置されながら直立する姿に見る人それぞれが何かを感じることだろう。