国鉄時代には、山手線などで使用する通勤型電車は4扉・ロングシート、東海道線などで使用する近郊型電車は3扉・セミクロスシートと明確に区分されていた。1994年から横須賀線・総武快速線で使用していた113系1000番台を置き換えるために新製されたE217系は、近郊型電車でありながら4扉となり、ロングシート車が編成に占める割合も大幅に増えた。
横須賀線用というよりは、ラッシュ時に激しい混雑となる総武快速線の輸送の実態に適合した車両であると思う。通勤は毎日のことであるから、3扉の車両に無理に詰め込むよりは、4扉・ロングシートの車両を充当するほうが現実的である。
通勤・通学から観光利用、また成田空港へのアクセス輸送など1系列で多彩なニーズをよく破綻することなく対応できているものだと思う。今となっては1世代前の電車となっているが、E231系やE233系にも大きな影響を与えていると思う。
横須賀線・総武快速線用のE217系は、鎌倉総合車両センターに715両が配置され、主力車両として活躍している。また30両だけが、国府津車両センターに配置され、東海道線用として使用されている。