253系の走行機器は先に登場した651系や251系を基本としている。車体は新しく設計されたもので、東京地下駅で新宿方面と横浜方面の列車の分割・併合を迅速に行うための幌装置なども新たに開発されている。
車内の設備はモノトーンを基調とした斬新なものである。3列配置や個室を取り入れたグリーン車や航空機のようなハットラック式の荷物棚や間接照明は評価できるものだと思う。しかし普通車の腰掛が向かい合わせ式というは解せないところだ。さすがに最終増備車である200番台では普通車の腰掛は設計変更され、常に進行方向を向くようになっている。
平成生まれの253系だが、早くも新型のE259系による全面取り換えが実施されることになった。捻出される253系は直接廃車となるのか、転配属により活用されるのか注目されるところである。
【撮影:佐野次郎 2009.7.20西大井駅】