1994年に「スーパーあずさ」として運転を開始したのが、E351系特急型電車である。
E351系は「振り子電車」である。「振り子電車」とは曲線にさしかかると車体を傾け、高速で曲線を走り抜ける機構を持った電車である。E351系は振り子機能を電気的に制御するもので、より高速性能が増すと言われている。JR東海が特急「しなの」で使用している383系電車やJR四国が土讃線の特急「南風」「しまんと」などで使用している2000系気動車などと同じ機構である。
残念ながらE351系は導入時に意図した高速化ができなかった失敗作であるとも云われている。云われてみれば、振り子電車にしては重心が高いような気がしないでもない。
結局E351系の増備は60両にとどまり、183系・189系の全面取り換えは振り子電車ではないE257形に委ねられた。しかし12両の長大編成で中央線を走る姿は威風堂々たるものだ。