2010/12/11

鉄道博物館マイテ3911

 1930年に東京ー下関間を結ぶ特急列車「富士」に1等展望車が投入されました。展望デッキ、展望室、談話室などを備え、給仕によるサービスを受けられたそうです。
 現代の特急列車はビジネスや旅行などに普通に利用するものですが、当時の特急は外国人旅行客など限られた人が利用するものだったようです。そういえば内田百聞が「阿房列車」で乗車していたのもこんな感じの客車ではないでしょうか?
 1943年には戦況の悪化により特急列車の運転が中止され、山間の駅に疎開しました。1949年9月に特急「へいわ」で復活し、翌年から「つばめ」「はと」にも使用されましたが、新形車両の登場により団体用に転用されてから、1962年に廃車となりました。
 1963年から青梅鉄道公園で展示されましたが、痛みが目立つようになり1987年からJR東日本の大井工場で保管されていました。鉄道博物館での展示に際して整備され、「桃山式」と呼ばれる美しい内装も復活しました。