2022/01/14

203系(マト56編成)

常磐線は爆発的な増加を続ける通勤・通学需要に対応するために複々線化とともに営団地下鉄(当時)千代田線と相互直通運転を開始し、都心への直通ルートを確保しました。当初国鉄側が用意した車両は103系1000番台でしたが、消費電力などで営団6000系との格差が目立つため203系電車に置き換えられました。
203系の車体は軽量アルミ製で、青緑1号の帯を巻いていました。前面がやや傾斜し、なかなか良い面構えの車両だと思います。冷房も装備し、暖色系の柔らかい印象の内装とあいまってサービス上も改善されました。
システム的には201系を基本としており、主回路は省エネ効果の高い電機子チョッパ制御を採用しました。地下鉄線内の厳しい運転条件を踏まえて、回生ブレーキの制御範囲を大きくしています。台車は軽量化を図った空気バネ台車であるDT46A/TR234を装備しています。
写真のマト56編成は1984年3月に東急車輌で完成したもので、203系の2次車に相当します。2次車が量産車という位置づけとなり、車体ナンバーを文字転写式に変更するなどの小変更がありました。2010年12月に廃車となりました。