2011/01/30

東京急行電鉄9000系(9006F)

 東急大井町線にも9000系電車が増えてきました。これからも東横線からの転属が続き、8090系は姿を消すことになるでしょう。
 写真の9006Fはかつて「TOQ-BOX」号として使用され、前面などにも装飾を施された編成でした。東横線での活躍末期に装飾をすべて撤去して、ほどなく大井町線に転属となりました。
 大井町線への転属に際して、8両編成から5両編成に短縮されたほか、集電装置をシングルアーム式パンタに換装しています。行先表示は幕式のままになっています。
 9006Fは1988年3月に東急車輌で完成したものです。2010年7月に東横線での営業運転を終了し、8月から大井町線で使用されています。

東京急行電鉄8090系(8097F)

 全車両が大井町線で活躍している8090系も、東横線から転属してきた9000系に置き換えられて、少しずつ仲間を減らしております。
 幸いなことに8090系は引退後3両に短縮されて、秩父鉄道に譲渡されています。まだまだこれからも走り続けるわけですからうれしいことですね。
 8090系はもともと東横線で急行用として投入された電車でした。今では東横線は特急が新設され、特急・急行・各停での車両の区別もなくなっていますね。
 写真の8097Fは1984年12月に東急車輌で完成したものです。1988年には大井町線に転属してきました。東横線での急行運用よりも大井町線での活躍のほうが長いわけです。

2011/01/29

京浜急行電鉄1000形(1477編成)

 京浜急行新1000形は2007年に製作された6次車から車体がステンレス製に変更されました。京浜急行にもいよいよ銀色の電車が走るようになったというわけです。
 そうはいっても他社の電車と比較すると赤い部分が広く、京急らしさを主張しているようにも感じられます。
 細かいところでは正面の形式名の部分ですが、ワイパーカバーではなくなっているので、形式名は打ち抜きではありませんね。
 写真の1477編成は2009年5月に川崎重工で完成したもので、新1000形の9次車に相当します。新1000形の4両編成は増備が進んでもうすぐ1400番台の番号を使い果たしそうですが、これからどうするのでしょうか?

京浜急行電鉄1000形(1421編成)

 近年の新しい通勤電車は、同じような銀色の電車がほとんどとなっております。それでもまだ首都圏の電車は、設備の更新が順調に進み恵まれていると思います。かつては私鉄王国といわれた関西圏の民鉄では80年代に比較すると明らかに車両更新のペースがダウンしています。
 そんな中で京浜急行は卓越した電車を世に送り出していると思います。2002年から走り始めた新1000形は出色ですね。快特用の2100形をそのまま3扉・ロングシートにしたような電車です。シートの座り心地にも素晴らしいものがあります。近年の通勤電車では珍しく座席の奥行きが深いです。
 2005年に製造された新1000形の3次車は外観こそ1.2次車と変わりませんが、大きな仕様変更を行っています。モーター付き車両の比率を高めて雨天時の乗り心地改善を図ったり、安全対策を強化しています。またIGBT-VVVFインバータ制御となり、音階のような起動音ではなくなりました。
 写真の1421編成は2005年3月に川崎重工で完成したものです。当初行先表示は方向幕でしたが、現在ではLEDに換装されています。

2011/01/23

日ノ出町駅のタイルアート

 京浜急行日ノ出町駅の上りホームにタイルアートを施した柱があります。これは1931年に当時の湘南電気鉄道と京浜電気鉄道が日ノ出町でつながり横浜ー浦賀間で直通運転を開始したことを記念したものです。
 1941年に両社は湘南半島自動車を含めて合併し、京浜電気鉄道となりました。さらに1942年には小田急電鉄、東京横浜電鉄と合併し、東京急行電鉄となりました。1948年6月に東京急行電鉄から分離独立し、京浜急行電鉄となりました。
 日ノ出町駅のタイルアートは三浦半島を描いたものです。よく見ると日ノ出町駅の部分が1枚の黒タイルで表現されています。その他日ノ出町駅は上屋の支柱が古レールで構築されています。
 また日ノ出町駅は野毛と伊勢佐木町の玄関口でもあります。伊勢佐木町も保存すると云われていた旧横浜松坂屋があっさりと解体されてしまいました。それでも昔日ほどではありませんが休日にはそれなりに賑っています。
【撮影:佐野次郎 2010.12.25】

横浜市電1518号

 野毛山動物園には、横浜市電1500形の1518号が保存されています。横浜市電の全廃から40年近くになりますが、今もなお姿をとどめる貴重な保存車両です。
 ブルーの帯が正面でつながっていたり、床下機器が台車以外なかったり、また片側の運転台の機器がなかったりしますが、保存状態は決して悪くはありません。大事に保存されている電車だと思います。
 横浜市電1500形は1951年に日立製作所で20両が製作されました。主電動機は出力25kWのTDK-526A形4基、台車は軸梁式の防振台車である日立KL20形を装備しています。
 1500形は滝頭、麦田、生麦車庫に新製配置され、横浜市電のほぼ全路線で活躍しました。1960年代終盤にワンマンカーに改造され、ほぼ全車両が横浜市電の全廃まで活躍しました。
【撮影:佐野次郎 2011.1.22】

東京急行電鉄9000系(9008F)

 東横線の9000系は大井町線への転属が進んでおりますが、写真の9008Fも2010年11月30日で東横線での営業運転を終了し、長津田工場で大井町線転属工事を進めています。
 ところで私は9000系が切妻の角ばったデザインになっているのはコストダウンのためだと思っていましたが、それだけではなく床面積を有効に活用して客室面積を拡げるためでもあるそうです。
 また貫通路が東急の電車では初めて片側に寄せてありますが、これは運転台のスペースを拡大するためです。運転台の機器配置は田園都市線用の8500系に準じたものとしていますが、表示灯のLED化など改良を加えています。
 9008Fは1988年8月に東急車輌で完成したものです。大井町線への転用に伴い、中間車3両が廃車となります。

2011/01/16

東京都交通局8800形(8810号)

 車体更新の完成前を含めて長年慣れ親しんできた7500形が次々に廃車となっていくのは残念なことですが、反面後継となる8800形は2009年以来順調に製造が進んでいます。
 8800形は、8801号から8805号までがローズピンクの塗装で登場しましたが、その後パープル、オレンジ、イエローの新塗装が登場しました。
 先日4種類の塗装が揃ったということで、荒川電車営業所で記念するイベントが開催されたそうです。
 写真の8810号の登場で、8800形は予定の10両がすべて揃ったことになります。新色登場をアピールするヘッドマークをつけて走っていますね。

東京都交通局8500形(8505号)

 都電荒川線の8500形電車は、都電が荒川線だけになってから初めて新規に製造された電車です。1992年から93年にかけて5両が製造されました。
 当初の計画では7000形と7500形をすべて置き換えることを考えていたようですが、結局は実現しませんでした。
 そうはいってもVVVFインバータ制御を採用した新形の電車が実際に走っているわけですから、それはそれでよろこばしいことです。
 都電には戦後5500形や6500形といった高性能電車がデビューしましたが、路線の整理が始まるとすぐに廃車になってしまいました。8500形には末永く活躍してほしいものです。

東京都交通局7500形(7512号)

 都電荒川線7500形の8800形への置換えも、まもなく完了となりそうです。8800形は既に8810号まで登場しております。
 東京都電はご存じの通り、昭和30年代の全盛期には200kmにも及ぶ路線網を持ち、銀座通りや青山通りにも走っておりました。7500形は都電最後の新造車と呼ばれたものでした。
 専用軌道がほとんどの荒川線が恒久的に存続することになり、7500形も車体を更新して冷房化された上に、最後の新造車にならなくてよかったと思いますね。
 日本では新交通システムなども取り入れていますが、いわゆる路面電車もヨーロッパのLRTのようにシステム化して高架や地下などを組み合わせて有効に活用してもいいように思います。

2011/01/15

東武鉄道100系(109F)

 東武鉄道100系電車は特急「けごん」「きぬ」に使用されていた1720系電車の置換えを目的として、1990年から91年までに54両〈6両編成9本〉が製造されました。「スペーシア」の愛称は一般公募から決定したものです。
 車体は軽量化と遮音化のため、アルミ製となっています。東武鉄道の看板列車にふさわしく、個室やビュフェなど特別な設備が設けられています。一般客席も含め東武ホテルを手掛けたデザイナーが監修しました。
 主回路はGTO-VVVFインバータ制御を採用しました。最高速度は130km/hに向上しました。また100系は6両編成の全車両がモーター付きの車両となっています。
 写真の109Fは1991年7月に東急車輌で完成したもので、100系の最終編成に相当します。100系は既に20年前後走っている電車ですが、いまだに陳腐さを感じることはありませんね。

東武鉄道200系(206F)

 東武鉄道200系電車は、浅草ー赤城間を伊勢崎線・桐生線経由で結ぶ急行「りょうもう」に使用されていた1800系電車の置き換えを目的として、1991年から1720系電車を改造したものです。
 新製された車体は普通鋼製で、シャープでスピード感を強調したデザインとしています。座席はリクライニングシートを採用し、化粧板の色調は100系「スペーシア」と同じ色調となっております。
 主回路は添加励磁制御方式とし、電力回生ブレーキを使用可能としています。主電動機や台車は1720系のものを再利用し、最高速度も1720系と同じく110km/hとなっています。
 写真の206Fは1997年に改造されたものです。なお急行「りょうもう」は1999年3月のダイヤ改正から特急「りょうもう」として運転されています。

2011/01/13

東武鉄道30000系(31606F)

 東武鉄道30000系電車は、営団地下鉄半蔵門線への直通運転用車両として1996年から2003年にかけて150両〈6両編成・4両編成15本ずつ〉が製造されました。
 車体は10000系電車を基本とした軽量ステンレス製ですが、先頭車の大型スカートが目を引きます。また行先表示は新製時点からLEDとなっております。
 主回路はIGBT-VVVFインバータ制御を採用しています。主電動機は出力190kwの誘導電動機TM-95形、台車はSS138/SS038形を装備しております。
 写真の31606Fは1999年11月に東急車輛で完成したものです。50050系の登場により30000系が再び浅草口へと転用される中で、半蔵門線・田園都市線への直通運転に使用されています。

2011/01/12

東武鉄道20050系(21853F)

 東武伊勢崎線から営団地下鉄日比谷線への乗り入れ用車両として1988年から92年にかけて20000系が製造されましたが、1992年には仕様を変更した20050系が登場しました。
 編成両端の2両ずつは5扉車としています。混雑する車両の扉を多くして乗降をスムースにする狙いです。確かに日比谷線には神谷町駅などホームの両端に階段のある駅が多いですね。また当時は半蔵門線との相互乗り入れも完成しておらず、より日比谷線直通列車に乗客が集中していたという背景があるでしょう。
 主回路はGTO-VVVFインバータ制御に変更されています。その他行先表示がLED式となったり、案内放送が自動化されたりという相違点があります。また車内についてもTV式の案内装置を導入し、化粧板の色調も明るいものに変更されております。
 写真の21853Fは1993年2月にアルナ工機で完成したものです。20050系は南栗橋車両管理区春日部出張所に64両〈8両編成8本〉が配置されています。

2011/01/10

東武鉄道20000系(21811F)

 東武鉄道20000系は、東京メトロ日比谷線との相互直通運転に使用されている電車です。2000系電車の置き換えを目的として導入されました。
 車体は軽量ステンレス製となっています。同じく日比谷線に乗り入れる東急1000系とは同じ18m・3扉車でありながら、窓配置が異なっていますね。20000系は当初から冷房装備でしたが、先代の2000系は非冷房でした。当時はトンネル内での温度上昇を嫌って地下鉄には冷房がないのが当たり前でした。
 主回路は省エネルギーとメンテナスンフリーを目的として、AFEチョッパ制御を採用しています。台車は軽量化と乗り心地の向上を目的としてボルスタレス台車を装備しています。新しく運行支援のためのモニタ装置を導入しました。
 写真の21811Fは1991年3月にアルナ工機で完成したものです。20000系は南栗橋車両管理区春日部出張所に104両〈8両編成13本〉が配置されています。

東京急行電鉄デハ300形(305AB)

 東急世田谷線は東急田園都市線の三軒茶屋と京王線の下高井戸を結ぶ路線です。下町を縫って走る都電荒川線とは対照的に、閑静な住宅街を静かに走り抜けていきます。
 車両もステンレス車体の近代的なデハ300形に統一され、乗り降りにはPASMOを主に利用します。電車の運転間隔も短く、利用もしやすそうですね。
 以前は緑色の旧玉川線時代からの古い電車が連結二人乗りというスタイルで運転しておりましたから、ずいぶんと変わったものです。
 写真のデハ305は2000年10月に東急車輛で完成したものです。最近になってから、降車用の中扉をガラス面の小さいタイプに取り替えています。

2011/01/09

小田急電鉄50000形(50002F)

 小田急の看板車両であるVSEこと50000形の50002Fに、2011年の元旦を記念したマークが掲示されています。
 また今月末には5200形の6連の最後の1編成が引退し、「小田急顔」の10両編成は見納めとなります。
 複々線化工事の進行と車両の世代交代により、小田急も新たな時代を築いているということが言えそうです。
 写真の50002FはVSEの第2編成として、2005年2月に日本車輛で完成したものです。なにぶん50000形は高価な電車ですので、その後の増備がありませんね。

東京地下鉄6000系(6113F)

 長らく東京メトロ千代田線で活躍してきた6000系電車にも、2010年11月から後継となる16000系電車の営業運転が開始されたことにより入れ替わりに廃車となる編成が出てきています。
 私が通勤で利用している京葉線の車窓から、廃車となるとおぼしき6000系が新木場CRに留置されているのを見かけることがあります。
 子どもの頃から慣れ親しんだ電車が廃車になっていくのはさびしいことではありますが、設計当初の構想通りにそれほど古さを感じさせることなく約40年使用されて現役を退いていくわけですから優秀な電車だといえるのではないのでしょうか?
 写真の6113Fは1971年3月に汽車会社で完成したもので、6000系1次車の最終編成に相当します。側窓が小さいのが特徴ですね。

2011/01/08

西武鉄道9000系(9107F)

西武鉄道9000系電車は、1993年から98年にかけて所沢車輌工場で80両〈10両編成8本〉が製造されました。101系電車の足回りを再利用し、車体を新しく製作してできた電車です。
新製された車体は新2000系に準じたもので、室内設備は当時の最新型車両であった地下鉄乗り入れ用の6000系に準じたものとなっています。また9000系はすべて10両固定編成であります。
当初は抵抗制御でしたが、メンテナンスや省エネルギーを考慮して、2003年から07年にかけてVVVFインバータ化改造が行われました。新しくされた機器は極力当時製造されていた20000系電車との共通化が図られております。
写真の9107Fは1997年11月に所沢車輌工場で完成したものです。2005年1月に武蔵丘車輌検修場でVVVFインバータ化工事を実施しました。

西武鉄道2000系(2077F)

 西武鉄道新2000系電車は、1977年に新宿線用として登場した2000系をベースにして、車体デザインの変更を加えて1988年から92年にかけて製造された電車です。2000系・新2000系をあわせると436両となり、西武鉄道では最多両数となっています。
 2008年から製造されてから20年程度を経過している新2000系を対象として、バリアフリー化工事が行われています。車内の更新のほか、パンタグラフのシングルアーム化、空調設備の交換や安全装置の増設などを実施しております。
 車内は化粧板、座席、袖仕切りなどが一新されるとともに、先頭車両に車椅子固定用のスペースを新設しています。車内に関しては最新型の30000形電車に近付いているといえるでしょう。また戸袋窓は埋められています。
 写真の2077Fは1991年6月に東急車輌で完成したもので、池袋線で使用されました。一時期新宿線に転属していましたが、2009年12月に東急車輌でバリアフリー化工事が完成するとともに、池袋線に復帰しています。

2011/01/06

西武鉄道2000系(2089F)

 西武池袋線は運転本数が多いと同時に、需要に応じてきめ細かい列車種別が設定され、営業面では積極的な路線だと思います。
 そして西武線の池袋駅は首都圏では珍しい頭端式の堂々たるターミナル駅で、高いドームがより風格を高めております。同じく頭端式の東急東横線の渋谷駅は数年後に地下の副都心線ホームに統合されてしまいますから、より貴重な存在となるでしょう。
 西武池袋線の主力となっているのが新2000系です。かつては池袋線は終点の池袋まで乗り通すお客が多いために101系など3扉車を多用していましたが、今では4扉車が主力です。
 写真の2089Fは1992年5月に東急車輌で完成したものです。方向幕がLED化されたり、先頭車にスカートが増設されたりと製造当初から変化が見られます。

2011/01/04

新京成電鉄N800形(N818編成)

 新京成線でもっとも新しい電車は2005年に製造されたN800形電車です。8000形・8800形・8900形と続いた新京成オリジナル路線から一転して、京成3000形をベースとした京成グループ標準化車両となっています。
 N800形は800形電車の置き換えを目的として導入された電車ですが、経済成長の鈍化により、郊外での乗客増は一服したと見るべきでよりコストダウンが求められるようになったものと推測されます。また京成千葉線と直通運転をしていますので、車両の共通化にはメリットが大きいのでしょう。
 N800形は京成電鉄3000形と同様、18m・3扉のステンレス車体を採用しています。また主回路はIGBT-VVVFインバータ制御を採用しております。室内の色調は暖色系でまとめられています。
 写真のN818編成は2005年4月に日本車輌で完成したものです。いまのところN800形は1編成だけの在籍ですが、近いうちに増備車が登場するようです。

新京成電鉄8800形(8840編成)

 新京成電鉄8800形電車は老朽化した吊り掛け駆動式の電車の置き換えを目的として、1986年から91年にかけて96両が製造されたものです。
 車体は8000形と同様に18m・3扉の普通鋼製ですが、前面デザインはよりスマートになり、また側窓についても1段下降式となりすっきりとした印象を受ける電車です。室内についても落ち着いた暖色系の色調でまとめられています。
 主回路は省エネルギー化とメンテナンスフリーの観点から、GTO-VVVFインバータ制御を採用しています。関東の私鉄ではきわめて早期の採用で、初期のVVVF車として名高い東急9000系よりも竣工が早いです。利用客の増加による収入増を背景として、意欲的な設備投資が可能だったものと推測されます。
 写真の8840編成は1987年12月に日本車輌で製造されたものです。製造後四半世紀近くとなりますが、まったく古さを感じさせない電車です。

新京成電鉄8000形(8510編成)

 2011年初めての撮り鉄ということで新京成電鉄を撮影してきましたが、8000形の8510編成が「謹賀新年」のヘッドマークを掲示して走っていました。
 8000形は1978年から85年にかけて54両〈6両編成9本〉が製造されました。車両についても京成電鉄の影響の大きかった新京成電鉄ですが、8000形では完全なオリジナル仕様となっております。
 車体は18m・3扉の普通鋼製であります。主回路は初期の車両は抵抗制御でしたが、1981年に製造された3次車以降は界磁チョッパ制御に移行しております。
 写真の8510編成は1984年6月に日本車輌で完成したものです。2008年に主回路を界磁チョッパからVVVFインバータ制御に更新しております。

E257系500番代(マリNB16編成)

 E257系500番代は房総特急に残る183系・189系電車の置き換えを目的として、2004年から2005年にかけて95両〈5両編成19本〉が製造されました。
 車体はアルミ合金のダブルスキン構造として、軽量化を図っています。編成は5両を基本としていますが、混雑時には2編成連結して10両で運転されます。そのため先頭車は貫通構造とし、迅速に連結・解放のできる電気連結器を装備しています。
 主回路はIGBT-VVVFインバータ制御を採用しています。E257系の走行機器のシステムはE231系を基本としていますので、TIMSを採用して車両情報の集中管理と配線の大幅な削減を行っています。主電動機はMT72B、台車はDT64・TR249を装備しております。
 写真のマリNB16編成は2005年9月に日立製作所で完成し、幕張車両センターに新製配置されたものです。現在京葉線経由の特急「わかしお」「さざなみ」とも海浜幕張駅に停車する列車が増え、私も仕事帰りにときどき利用しています。

2011/01/03

255系(マリBe01編成)

 255系特急形電車は、特急「わかしお」「さざなみ」に使用されていた183系電車の置き換えを目的として、1993年から94年にかけて45両〈9両編成5本〉が製造されました。
 255系の車体は、先代「成田エクスプレス」用の253系電車を基本としており、車体断面は共通となっています。ただし前面デザインや塗装、室内設備は255系独自のものであります。腰掛も一般的なリクライニングシートを採用しています。
 主回路はJR東日本の特急形電車では初めてVVVFインバータ制御を採用しました。これは209系910番台で試用したシステムを特急電車向けに改良したものです。主電動機はMT67形、台車はDT56E/TR241E形を装備しています。
 写真のマリBe01編成は1993年2月に東急車輛で完成したもので、255系の1次車に相当します。255系は現在でも京葉線経由の特急「わかしお」「さざなみ」に使用されますが、E257系500番台の登場により、総武本線の特急「しおさい」での運用が増えています。

209系500番代(ケヨM71編成)

 京葉線へのE233系5000番代投入により捻出された209系500番代2編成が、2010年12月のダイヤ改正から武蔵野線で営業運転に就いています。
 大宮直通列車「むさしの」「しもうさ」号の運転開始により、武蔵野線の電車が40本から42本に増えておりますので、現時点では代わりに廃車になる車両はありません。
 武蔵野線では初めての拡幅車体の電車でありますので、一般の利用客のなかには新車と認識されている方もけっこういらっしゃるようです。実際には中央・総武緩行線→京浜東北・根岸線→京葉線→武蔵野線と製造されてから4路線目になります。これだけ転属が多いのはJR東日本の電車でも珍しいです。
 写真のM71編成は、旧京葉線用のケヨ31編成であります。2010年10月に京葉線での運転を離脱して長野総合車両センターに送られ、8連化ののち11月にM71編成として戻って参りました。

2011/01/02

E233系5000番代(ケヨ508編成)

 2010年7月から営業運転を開始したE233系5000番代ですが、既に12本まで増えております。京葉線を利用するとかなりの確率でこの電車がやってくるようになっております。
 E233系と入れ替わりに205系のほか、京浜東北・根岸線から転用されてから日の浅い209系500番台のうちケヨ33編成が2010年7月、ケヨ31編成が2010年10月に京葉線での営業運転を終えて、既に武蔵野線に転用されております。
 E233系の投入は、中央快速線と京浜東北・根岸線のときもそうでしたが、驚異的なハイペースですね。新津車両製作所という自社工場を持っているからこそできることでしょう。209系やE231系の量産を経てE233系において製造技術がより習熟しているようです。
 写真のケヨ508編成は、2010年8月に新津車両製作所で完成したものです。来年の今頃には京葉線は特急やE331系を除いてE233系5000番代に統一されていることでしょう。
【撮影:佐野次郎 2010.12.30 葛西臨海公園駅】

2011/01/01

205系(ケヨ10編成)

 京葉線では2010年3月から新形のE233系5000番代が投入されていますが、主に置き換えの対象になっているのが205系の110km/h運転対応車両であります。 
 このグループは1990年3月の東京ー新木場間の開業にあわせて120両〈10両編成12本〉が新製投入されたものです。前面デザインも従来の205系電車とは異なるものです。
 既に7月から廃車が始まり、現段階で半数以上の編成が京葉線での営業運転から退いています。私は旧山手線の編成から先行して廃車するのかと想像しておりましたが、意外な展開となりました。
 写真のケヨ10編成は1990年1月に川崎重工で完成したものです。京葉線の全通20周年を記念したヘッドマークを掲げて営業運転に就いております。

205系(ケヨ9編成)

 2010年12月4日に実施されたダイヤ改正で、データイムの京葉快速の一部列車が蘇我から外房線の上総一ノ宮まで延長運転されるようになりました。これは千葉ー上総一ノ宮間の外房線の普通を京葉快速に振り替えたものです。
 それまでも帰宅時間帯には上総一ノ宮や内房線の君津まで直通運転されていましたが、直通の時間帯が拡大した格好になります。また関連して千葉ー蘇我間の本数減を補うため本千葉駅に総武線直通の快速が停車するようになりました。
 ゆくゆくは外房線の千葉ー上総一ノ宮間、内房線の蘇我ー君津間は総武快速か京葉線と一体化して運行する構想だそうです。これからどのような進展があるのか楽しみですね。
 写真のケヨ9編成は1990年1月に川崎重工で完成したものです。廃車の進む205系の110km/h運転対応車ですが短編成化されて日光線などで使用されるという噂もあります。

205系(ケヨ24編成)

 新年あけましておめでとうございます。本年もよろしくご愛顧のほど、お願い申しあげます。さて、本年は京葉線の車両交代が進みE233系5000番代に統一されることになりそうです。
 既に昨年から205系の廃車が進んでおりますが、110km/h運転対応車から運用を離脱しており、真っ先に廃車になるものと思われた旧山手線の初期形は今のところすべて運用に就いています。
 205系電車は国鉄では初めてのステンレス製の通勤形電車であります。山手線の103系に代わる新形でしたが、当時の国鉄の厳しい財政事情を反映してさまざまなコストダウンの手法を取り入れております。例えば201系まであった戸袋窓や妻窓がなくなっていますね。
 写真のケヨ24編成は1985年1月に東急車輛で完成したもので、205系の第1編成に相当します。2005年9月に大宮総合車両センターで京葉線向けの転属工事を完了しております。