2012/02/04

渋谷ハチ公前デハ5001

鉄道車両の保存場所といえば、セキュリティ完備・収蔵品としての待遇が約束された博物館での展示か、風雨にさらされ厳しい道のりを歩むことになる公園での展示がよく見られますが、若者の街渋谷に鎮座する東急デハ5001号は異例の存在でしょう。
酔っ払い(失礼!)もとい古典的サラリーマンの街、新橋SL広場のC11と並んで、もっとも賑やかな場所に保存されている鉄道車両といえるでしょう。もっとも車体は半分にカットされ、走行機器もありませんが、オリジナルの雰囲気をよく残しているといえるでしょう。
東京急行電鉄5000形電車(先代)は東急では初めての高性能電車で、超軽量構造の車体を特徴としていました。1954年から60年までに105両が製造されました。1964年までは東横線のエース的存在でしたが、ステンレス車7000系の登場によって、大井町線への転用が始まりました。
5000形の東急での活躍は1986年で終止符を打ちましたが、1977年から福島交通・秩父鉄道・長野電鉄・上田交通・岳南鉄道・熊本電鉄などの地方鉄道に譲渡されました。その後移籍先でも置換えが進みましたが、なんと熊本電鉄では、今でも現役です。
【撮影:佐野次郎 2009.8.11】