50系客車は昭和50年代に、当時まだ多く残っていた客車列車の近代化を目的として、比較的短期間に多数が投入された客車です。確かに角ばっていて、簡素なスタイルはいかにも量産向きという感じがしますね。
50系によって置き換えられたいわゆる旧形客車は、冷房がなかった(50系にも当初はなかったのですが)ことはもちろん、ドアも自動ではありませんでしたので、50系による近代化は必要な施策だったとは思います。
実際にはマイカーの普及によって、機関車牽引・大ロットの客車による普通列車自体が時代遅れとなり、電車やディーゼルカーによる短編成・高頻度の普通列車の運転が主体となり、50系客車は早々に陳腐化することになってしまいました。青函トンネル「海峡」における改造車の活躍が、50系客車の花道になったと思います。
【撮影:佐野次郎 2008.4.11】