小田急電鉄5000形は「より広く・より快適に」を基本コンセプトとして、シンプルでなおかつスピード感を強調したデザインを採用したことにより、長年進めてきた複々線化完成による輸送サービス改善を実感できる車両になっています。
地下鉄線乗入れを考慮していないため、正面は非貫通、車体幅2.900mmの裾絞り形状を採用しています。軽量ステンレス製ですが、レーザー溶接など新技術の採用により、平滑な仕上がりです。車内も木目調の床材やガラス素材の多用など清新な印象です。
制御装置はフルSiCVVVFインバータ制御装置MAP-194-15V330、補助電源装置はIGBT-SIVのINV207-E0を装備しています。列車情報管理システムは次世代型のN-TIOSに進化し、主要な機器との伝送回路は二重化しています。台車は軸梁式ボルスタレス台車NS-102/NS-102Tを装備します。
写真の5054Fは、2020年9月に川崎重工で完成したものです。5000形は2022年1月現在で90両(10両編成9本)が在籍しています。小田急電鉄の一般車としては最新型であり、8000形の界磁チョッパ制御車や1000形のワイドドア車などの代替となっています。