2022/06/13

205系(ナハ36編成)

205系は国鉄をとりまく厳しい情勢から経費の節減が強く求められるなかで、新製価格の低減を図るために、様々な新技術を導入して設計されたものです。次期近郊型直流電車の検討を進めるうえで試作試験が行われた界磁添加励磁制御方式や軽量ボルスタレス台車の成果を生かしていることはよく知られています。
車体は軽量ステンレス製とし、軽量化と保守費の低減、車両寿命の延伸を図りました。これは東急車輌が技術を公開したために実現したもので、広くステンレス製の車体が通勤電車に採用される契機となりました。2次車から側窓が1段下降式となり、よりスマートになりました。
205系はまず山手線に投入されましたが、山手線で必要なATC受信機、制御装置と列車無線装置を床下搭載としました。このため103系と比較して、客室スペースが拡大され、また運転台背面の見通しが良くなりました。
写真のナハ36編成は1985年9月に日本車両で完成し、山手電車区に新製配置されました。6両が2002年11月に中原電車区に転属し、南武線に転用されました。2015年10月に廃車となり、インドネシアに譲渡となりました。