2022/06/30

小田急電鉄5000形(5058F)

小田急電鉄5000形は標準化志向が強まっていた近年の通勤電車の中にあって、遠目からとそれとわかる個性のある車両だと思います。シャープなデザインは、快速急行のような速達系の列車によりふさわしいものです。各停にもかなり入って存在感を増していましたが、3月のダイヤ改正では10連の運用が町田以西の急行を中心に減少したもようです。
5000形は外形もですが、室内が従来の車両とは異なります。床材がフローリングを意識したのか茶系統の色調になっています。また荷棚・貫通扉・袖仕切りなどにガラス素材を使ってより広がりの感じられる空間を構成しています。オレンジ色のシートモケットも新鮮な配色です。空気清浄機や防犯カメラの装備も現代の車両ならではです。
制御装置はVVVFインバータ制御ですが、機器の小型・軽量化が進み、更新前の1000形の制御装置に比較すると体積比で15.3%・重量比で13.5%にまでコンパクトになっています。省エネルギーや静粛性、次世代情報管理システムN-TIOSの採用など更なる進化が見られます。
写真の5058Fは、2021年6月に日本車両で完成したものです。5000形は5060Fまで完成し、100両(10両編成10本)となっています。今後の増備の進展や既存車両のリニューアルがどのように進展していくのかが興味深いです。