小田急電鉄の通勤車では主力の位置を占める3000形ですが、編成単位の新製は6両編成と8両編成で行われました。6両は他形式の4両と併結して急行系統、8両は単独で各停を中心に使用されていました。10両編成は複々線化による輸送力増強に対応するため、中間車を新造して組み込んだものです。
6両編成と8両編成のうち、製造年次の新しいものから逆順に選んで中間車を新造・挿入しています。これは既存車と新造車の経年差および機器・設備の相違を少なくするためです。10両編成では5M5Tとなっています。
新造された中間車は3000形の8次車を基本としており、車体強度を強化した構体になっています。客室については立席用の握り棒の形状を直線から曲線に変更するとともに、腰掛の詰め物の素材をポリエステルからウレタンに変更して、座り心地の改善を図っています。
写真の3094Fは、2006年6月に日本車両で完成した3000形の7次車である3278Fに、2011年8月に日本車両で完成したデハ3244・3344・サハ3194・3294を組み込み、編成組替・番号変更したものです。