小田急電鉄の一般車としては圧倒的な多数派となっている3000形ですが、2003年度から2004年度にかけて導入された3次車では規模の大きい仕様変更を行っています。列車情報管理システムTIOSを導入し、防音効果確認のための試験車両が製作されました。
3263Fの編成全体に台枠下部覆いを装着した状態で竣工し、走行音・機器動作音の低減効果を確認する試験が行われました。台枠下部覆いの外側には制振材が塗布され、内側には新宿寄り3両に制振材、小田原寄り3両に吸音材が取り付けられました。
覆いの開閉は1両ごとに、車端部に設けたコックを操作しエアシリンダを動作されることで行われました。自動ロック機構も備え、走行風圧などで浮き上がることを防止し、TIOSによる状態監視も行われました。
3263Fは2003年11月に日本車両で完成したもので3000形の3次車に相当します。2006年1月に台枠下部覆いを撤去し、電動車の台車周りにのみ覆いを取り付け試験を継続しました。2008年7月には全ての覆いを撤去しましたが、台枠には覆いを取り付けるためのベースが残存しています。