2010/08/10

165系

 新幹線開業前の東海道本線では、151系「こだま型」特急形電車のほか、153系「東海型」急行形電車が活躍していました。急行とはいっても12両の長大編成で、ビュフェ車を連結しており職人が握る「寿司コーナー」まであったのです。
 165系急行形電車は、153系に代わる急行形電車として1963〈昭和38〉年から製造されました。車体のレイアウトは153系に準じたものですが、正面の塗り分けは独自のものとなっています。最初は上越、中央、信越線の急行に投入されました。
 153系と異なるのは、モーターは出力強化型のMT54を搭載し、勾配路線で使用するために抑速発電ブレーキを装備していることです。また台車は485系特急形電車などと同じDT32/TR69を装備しています。
 東海道本線の東京口では、急行「東海」として長らく活躍を続けてきましたが、1996年に「東海」の特急格上げ、373系投入に伴い165系電車を東京近辺で見ることはできなくなってしまいました。
【撮影:佐野次郎 1985年頃大船駅】