東海道本線の東京口では、JRへの移行後も国鉄形の113系電車が長らく主力として活躍してきました。2004年になってようやく、「湘南新宿ライン」の増発にも備えたE231系の東海道線仕様の製造が始まりました。
既に宇都宮線・高崎線用として製造が進んでいたE231系の近郊型とは大きく仕様の変更はありませんが、当初からグリーン車組み込みで製造されました。Suicaで利用できるようになったのもE231系のグリーン車が最初です。宇都宮線・高崎線用の車両にもグリーン車が組み込まれ、捻出した普通車を東海道線用の編成に組み込んだりもしました。
制御装置には変化がありませんが、VVVFインバーター装置にラジオノイズ対策などを施しています。またネットワークシステムを活用したVIS〈情報提供装置〉を採用しています。難しいことは抜きにして、E231系は113系に比較するとほんとうに静かに走るようになっていると私は乗車するたびに思います。
写真のコツS33編成は2005年10月に新津車両製作所で完成し、国府津車両センターに新製配置されたものです。E231系は短期間に集中的に製造され、早くも2006年3月には東海道線東京口における113系の取替を完了しました。