田園都市線2000系は、1992年にラッシュ時の輸送力増強を目的として導入された車両です。当時の東急は車両を製造してから40年から50年使用するという方針でしたので、8000系などの更新が盛んに行われ、2000系の製造もわずか30両〈10両編成3本〉で終了してしまいました。少数の車両ですので、非東武乗入れ車となっています。
車体はステンレス製で1986年から製造された東横線用の9000系に準拠したものです。ただし新しい試みとして、新製当初から車イス用のスペースを設けたり、座席の中仕切りに垂直の握り棒を設けたりしました。最近の新車では標準となっている設備ですね。またクーラーカバーの形状が9000系とは異なっています。
制御装置は8642Fの0718号車で採用したものと基本的に同一のVVVFインバーター制御を採用しています。また台車は円筒積層ゴム式のTS-1011形台車を独自に装備しています。走行機器については9000系を基本としつつコストダウンのための工夫をしているといえそうです。
写真の2001Fは1992年3月に東急車輛で完成したもので、2000系の第1編成に相当します。2004年に車内に情報案内装置を増設しています。