2010/08/11

113系

 1960年代に入る頃になると東海道線沿線でも宅地化が急速に進んで乗客が激増し、2扉・クロスシートの上に吊掛駆動で加減速性能に難のある80系電車では、通勤時間帯の遅延が慢性化するようになっていました。
 解決策として3扉・セミクロスシートの新性能電車111系を1962年から投入しました。1964年の増備車からはモーターを出力増強形のMT54形にした113系となりました。113系は途中冷房化やシートピッチの拡大などの改良を行いながら、1982年まで製造が継続され、2.846両の仲間が世に送り出されました。
 私は東海道線の電車といえばこの113系の印象が強いです。小さい頃には湘南色とスカ色の混色編成が走っていたような記憶があります。また1980年代には特急形の余剰車などを改造したグリーン車が走り始めました。車体の断面が明らかに異なるので目立つのです。
 211系が走り始めてからも多くの仲間が走っていた113系ですが、E231系の大量投入によって一気に置き換えられ、2006年3月には東海道線東京口から姿を消しました。ちなみに113系は房総地区でJR東日本管内では最後の活躍を続けています。
【撮影:佐野次郎 1985年頃大船駅】