多彩な車両が走る小田急のロマンスカーですが、その中に1編成だけJR東海の電車が走っています。20000形とともに新宿ー沼津間の特急「あさぎり」に使用されている371系電車がその1編成です。
371系電車は小田急との相互乗り入れ協定に基づいて製作されたもので、眺望の良いハイデッカーを基本として、当時東海道新幹線の主力だった100系新幹線のように二階建て車両を2両中間に組み込んでいます。新製後20年を経過しますが、まったく古さを感じさせません。
主回路は界磁添加励磁制御ですので、当時JR東海がさかんに製造していた211系近郊型電車のシステムをベースにして特急形に発展させたものだといえそうです。また窓が大きく「ワイドビュー」な特急形であるところは、高山線の特急「ひだ」に使用されているキハ85形に通じるものがあります。やはりJR東海の車両なんですね。
写真のX1編成は1991年1月に日本車輛・川崎重工・日立製作所が分担して完成させたもので、静岡車両区の配置です。371系は1編成しかありませんので、検査などで運用を離れるときは20000形が代走しています。