名古屋鉄道美濃町線から580形4両のうち3両が1976年と80年に転入してきて、豊橋鉄道3200形となりました。
3200形は1982年7月の井原ー運動公園前間0.6kmの新線開業に備えて購入した車両でもあります。路面電車の新線というのは非常に珍しいものです。現在でも富山で新線が開通したとはいえ、なかなか後に続く路線が出てきません。
一方3200形のお里である名鉄の岐阜市内線・美濃町線は2005年4月に全廃となってしまいました。1980年代以降数々の新車が投入されていたにも関わらず、乗客減には歯止めがかからなかったようです。最後まで活躍した仲間たちは、いまや福井鉄道と豊橋鉄道市内線の主力になっています。
写真の3202号は、名鉄581号として1955年3月に日本車輛で完成しました。1980年に豊橋鉄道に移籍し、1981年6月から走り始めました。1995年6月に冷房改造を受け、いまも現役で走っています。
【撮影:佐野次郎 1992.10.2井原】