2011/10/30

東京地下鉄05系(05140F)

東京メトロ東西線では、1988年度から05系を投入して5000系の置換えを進めてきましたが、2004年度に製造された13次車では、車体の上質化を図る一方で、新技術の導入とモジュール化によって、コストダウンを図りました。
車体は従来通り無塗装のアルミニウム合金製ですが、新幹線の700系などと同じくオールダブルスキン構造を採用して、強度と見栄えの向上を図っています。客室は明るい赤色を基調とした座席モケットを中心とした明るいデザインとなっています。13次車では、1人あたりのシート幅を従来より10mm広げて460mmとしています。
編成は11次車から5M5Tとなっています。走行機器のモジュール化を進めて、省メンテナンス化とコストダウンを図っています。パンタグラフはシングルアーム式ですが、11次車以降の5基から3基に削減しております。
写真の05140Fは、2004年11月に日立製作所で完成したものです。05系13次車からは、のちに登場した有楽町・副都心線用の10000系に発展していく要素を感じますね。

2011/10/29

東京地下鉄05系(05132F)

東西線の05系電車の増備は、1994年の7次車の製造を最後に一旦中断し、5000系の一部車両は冷房改造工事を施行して引き続き使用されていました。1999年度から、05系の増備を再開して、5000系230両(10両編成23本)を置き換えることになりました。
1999年に製造された8次車から、前面デザインが変更され、スピード感を強調した意匠となりました。これは、東西線で快速運転を行っていることを表現したものです。また車内も方持式の座席を使用して、すっきりとした見付けとするとともに、明るく暖かみのある配色となりました。
主回路はIGBT-VVVFインバータ制御ですが、7次車の仕様から変更して、機器の小型・軽量化を図っています。また車両情報制御装置には、行先表示・自動車内放送などの設定機能を付加するとともに、伝送ケーブルの削減を図っています。
写真の05132Fは2002年3月に東急車輌で完成したもので、05系の10次車に相当します。それにしても昨日明らかになった東急車輌のJR東日本への売却のニュース、驚きましたね。

2011/10/25

東武鉄道30000系(31601F)

東武東上線に転属してきた30000系の第一編成(31601F+31401F)が、6月から営業運転を開始しました。
もともと30000系は、東武伊勢崎線・東京メトロ半蔵門線・東急田園都市線との相互乗入れに使用されていましたが、中間に運転台があるため10両固定編成の50050系に代替され、現在では2編成だけが相互乗入れに使用されています。
伊勢崎線の浅草口に転用されてからは、6両・4両編成で区間準急や普通に使用されています。4両編成は10000系の2両編成と組み合わせて使用されたりもしています。
東上線への転属の意図はよくわかっていません。副都心線・東急東横線への相互乗入れに抜擢されると面白いですが、現在は池袋口で使用されています。

2011/10/24

東武鉄道8000系(8185F)

東武東上線の8000系電車も、徐々に50000系への置換えが進み、数を減らしております。唯一原形顔を維持していた8111Fも廃車となってしまいました。
とはいうものの、東上線では急行にも使用され健在です。走行音が新形車両に比べると派手なので、撮影していて近づいてくるのがよくわかります。
8000系の車体は、普通鋼製ですが、当初から戸袋窓を省略するなど軽量化を図っています。また運転台は高運転台構造として強化されています。
写真の8185Fは1978年9月に富士重工で完成したものです。2000年に更新修繕を行い、前面形状が変化しています。

2011/10/23

東京地下鉄07系(07102F)

東京メトロ東西線の07系は、もともと有楽町線の輸送力増強を目的として、1992年から94年にかけて60両(10両編成6本)が製造されたものです。窓配置が7000系・10000系と異なり、有楽町線と共通運用を行う副都心線のホームドアに対応できないため、2007年・2009年の2回に分けて東西線に転属してきました。
車体は、アルミ合金製の無塗装車体で前面デザインは丸みを帯びた新しいスタイルとなっています。室内は座席幅を1人あたり450mmに拡幅するなどの改良を施しています。07系の仕様は同時期に製造された03系・05系の増備車にも反映されました。
主回路はVVVFインバータ制御を採用し、電動車比率を10両編成で4M6Tに下げています。台車についても、次世代の標準型となることを目指して新規に設計されました。また車両の運転制御に関わる情報を集中管理するためTIS(車両制御情報管理装置)を導入しています。
写真の07102Fは、1992年11月に川崎重工で完成したもので07系の1次車に相当します。2007年10月に有楽町線での運転から外れ、和光検車区で休車となっていましたが、深川検車区に転属し、2009年3月から東西線での運転に就いています。

東京地下鉄05系(05123F)

東西線では1988年度から05系の投入を行い、5000系電車の置き換えと、車両冷房化を推進してきました。1993年度の増備車では、千代田線用06系・有楽町線用07系の仕様を取り入れ、先頭部と屋根上こそ05系オリジナルスタイルを維持していますが、そのほかは06系・07系と共通化されています。
主回路は従来の高周波分巻チョッパ制御から、IGBT-VVVFインバータ制御に変更されました。主電動機も従来の160kw分巻電動機から205kwの誘導電動機に変更され、10両編成で4M6Tと電動車比率を下げています。搭載機器に関しては、ほとんどすべて06系・07系と同一にしています。
車体は写真ではわかりにくいですが、側面が06系・07系と同じ見付になっています。また貫通路・座席幅の拡幅が行われていますが、これらは日比谷線03系のVVVF車と同じ改良内容ですね。なおドアの幅は再びワイドドアから通常仕様に戻っています。
写真の05123Fは1994年5月に近畿車輛で完成したもので、05系の7次車に相当します。正面にVVVF車であることを示す「V」と書いた小さいステッカーを掲示していますね。

東京地下鉄03系(03132F)

日比谷線の03系は1988年から94年にかけて、336両(8両編成42本)が製造されましたが、途中での仕様変更を行っています。
1992年度に増備された5次車の03126Fから、制御方式を高周波分巻チョッパ制御から、VVVFインバータ制御に変更しました。主電動機は誘導電動機となり、出力も分巻電動機の160kwから190kwに向上しております。また台車の形式も変更となりました。
車体関係にも小幅ながら変更があり、1人あたりの座席幅が440mmから450mmに拡大されました。また貫通路の幅も800mmから900mmに拡幅されています。また空調装置に全自動モードが追加されました。
写真の03132Fは1993年6月に近畿車輛で完成したもので、03系の6次車に相当します。03系は東急東横線の菊名まで乗り入れてきます。

東京地下鉄03系(03106F)

東武伊勢崎線・東急東横線と直通運転を行っている日比谷線では、開業以来3000系電車を使用していましたが、1988年から03系電車への置換えが行われました。ちなみに3000系にはクーラーはついておりませんでした。
03系の車体は、アルミ合金製で無塗装です。日比谷線のラインカラーはシルバーで車体と同じ色ですので、帯の周囲にダークブラウンとアイボリーを配して、アクセントをつけています。客室内は暖色系の配色でまとめていますが、窓も大きく明るい客室となりました。
制御装置は、高周波分巻チョッパ制御を採用して、車両性能と保守性の向上を図っています。この制御装置は、銀座線の01系で初めて採用されたものです。制御の高度化によって03系では8両編成で4M4Tと、電動車の比率を下げています。
写真の03106Fは1989年12月に日本車輌で完成したものです。新製後20年を経ても古さは感じませんが、幕式の行先表示なのが今となっては貴重な感じがしますね。

2011/10/19

東京地下鉄05系(05117F)

東京メトロ東西線では、新形式15000系の投入に伴い、05系に廃車が発生しています。初期形のチョッパ制御の車両が60両、既に廃車になっています。このうち30両はインドネシアに売却され、第二の人生を送ることになりました。
05系のチョッパ制御車でも、ワイドドアで製造された編成については、今後も引き続き使用されます。東西線でワイドドアが採用されたのは、ラッシュ時の乗降時間を少しでも短縮するためですが、東西線では混雑駅での階段配置も一定でないため、整列乗車にも影響の少ないワイドドア車を編成全体に採用するという手法が取られました。
新形式の15000系でも、ワイドドアを採用していますね。東西線は現在でも有数の混雑路線です。もともと混雑する路線だったうえに、東葉高速鉄道が開通しています。京葉線に分散する以上にベースとなる乗客が増え続けています。
写真の05117Fは、1992年5月に川崎重工で完成したもので、05系の5次車に相当します。初代の5000系の印象が強いせいか、05系の初期のスタイルは、非常に洗練されていると感じます。

2011/10/16

東京急行電鉄7000系(7107F)

東急池上・多摩川線でいちばん新しい電車が、2007年から製造されている7000系電車です。現在21両(3両編成7本)が雪ケ谷検車区に配置されています。
7000系電車は、外観もかなり個性的ですが、客室内にも特徴があります。化粧板は関東の電車では珍しく木目調です。阪急の電車みたいですね。また中間車の車端部にはクロスシートが設けられ。片側が1人掛けになっています。
主回路はIGBT-VVVFインバータ制御で、機器の小型化を図っています。性能的には駅間距離が短いため、加減速性能を重視しています。また車内表示装置として15インチのTFTモニタを2台、乗降扉の上部に設置しています。
写真の7107Fは、2011年6月に東急車輌で完成したものです。7107Fの投入と入れ替わりに、7700系の7913Fが廃車となっています。

東京急行電鉄7700系(7907F)

東急池上・多摩川線を走る7700系電車は、1962年から66年にかけて製造された7000系電車(先代)を、冷房化・VVVFインバータ制御化したものです。
車体に関しては50年近く使用されているわけですが、車内はきれいです。東急の電車に総じていえることですが、メンテナンスが行き届いているのだと思います。
外観については、クーラーがつき、行先表示がLEDになっていますが、7000系の原形をよく保っています。学生の頃、日比谷線を利用すると、営団3000系・東武2000系・東急7000系とクーラーのない電車が走っていたことを思い出します。
写真の7907Fは、デハ7051・7058・7164・7165を1988年11月にデハ7707.7807.クハ7907.サハ7957に改造したものです。2001年11月にサハ7957が廃車となり、3両編成となっています。

205系(クラH1編成)

横浜線に205系電車が投入されたのは1988年、はやいものでもう20年以上前のできごとになります。1989年までに175両(7両編成25本)が蒲田電車区に新製配置され、103系を置換えました。
横浜線といえば、子供の頃に乗車した73系電車など、他路線のお下がりが走る路線という印象がありましたが、新鋭205系が早々と投入されました。横浜線の205系化が完了した1989年といえば、京浜東北・根岸線では103系の天下で、秋ごろに205系がようやく40両投入されるといった状態でした。
横浜線に続いて、南武線にも205系が新製投入されました。国鉄時代に設計された電車とはいえ、JR東日本の通勤電車として大きな役割を果たした電車だといえそうです。
写真のクラH1編成は1988年9月に日本車輌で完成したものです。1994年11月に近畿車輛で完成した6扉車を組み込み8両編成となっております。現在横浜線用の205系は、鎌倉車両センターに224両(8両編成28本)が配置されています。

2011/10/15

東武鉄道6050系(6170F)

東武鉄道6050系は、1986年10月に開業した野岩鉄道会津鬼怒線(新藤原ー会津滝ノ原間31.9km)との相互乗入れ開始に伴い、1964年に製作された6000系電車の車体を更新したものです。
新製された車体の客室内は、出入り口付近が2人掛けのロングシートで、中間は固定式のクロスシートになっています。6000系には、冷房装置がありませんでしたが、6050系では冷房装置を搭載してサービスの改善を図っております。
走行機器については、6000系の台車・駆動装置・電動空気圧縮機などを流用しています。2両編成でも、山岳路線における連続急こう配運転や冬季の降雪に対応できる優秀な電車です。
写真の6170Fは、1986年8月に6000系の6102+6202号車から改造されたものです。改造から既に四半世紀が経ちましたが、元気に運用に就いています。

東武鉄道10030系(11635F)

伊勢崎線で使用されている10000系電車は、車体改修工事が進んでいますが、今年に入ってから、10030系にも工事を受けた編成が登場しました。
改修工事の施行により、外観上はフルカラーLEDの採用とスカートの増設、車内では腰掛けの隅に大型袖仕切と車内表示器の新設が行われています。
この10000系・10030系の車体改修工事ですが、伊勢崎線の車両には施行されますが、東上線の車両には施行されている様子がありません。なぜなのでしょうか?
写真の11635Fは1990年7月に、アルナ工機で完成したものです。2011年3月に、南栗橋車両管理所で車体改修工事が行われました。

東武鉄道10030系(11664F)

東武鉄道10030系は、10000系のマイナーチェンジ車に相当し、1988年から96年にかけて製造されたものです。伊勢崎線でも、東上線でもよく見かける電車です。
車体はステンレス製ですが、8000系の更新車に似たデザインに変更されるとともに、側面の凹凸が少ない構造になっています。なんとなく同時期に製造されていたJRの205系電車に似た印象を受けます。座席の奥行きも近年の50000系列の電車よりも、ゆったりしています。
主回路は界磁チョッパ制御で、電力回生ブレーキも装備しています。台車はJRの205系電車などと同様に、ボルスタレス台車を採用しています。既にVVVFインバータ制御の通勤電車が量産されていた時期ですので、やや保守的な仕様の電車とはいえそうですね。
写真の11664Fは1994年11月に東急車輌で完成したものです。浅草に向う区間準急として走る姿を撮影しました。

2011/10/12

京浜急行電鉄1000形(1065編成)

2006年度に製作された京浜急行1000形の5次車16両(8両編成1本・4両編成2本)は、前年度に製作された4次車と同じ仕様です。
1000形の6次車からステンレス車体になりましたので、おそらく京浜急行では最後のアルミ車体の電車ということになりそうです。首都圏の通勤電車は、1985年に山手線に205系電車が投入されたのを契機に、「銀色の電車」が、がぜん増え始めましたが、京急はずいぶんと塗装を施した電車を製造し続けたものです。
1986年に登場した1500形の2次車が、京浜急行では初めてのアルミ車体の電車でした。約20年にわたり、1500形・600形・2100形・1000形1~5次車と続いたアルミ車体の電車の製造が終了しました。
写真の1065編成は、2006年10月に東急車輌で完成したものです。ステンレス車体の1000形も悪くはありませんが、塗装を施したアルミ車体のほうが美しいと思います。

2011/10/10

東京急行電鉄9000系(9011F)

東急東横線9000系の9011Fが、9月7日に東横線での運用を終了し、長津田車両工場に回送されました。現在大井町線への転用工事を施行中です。
大井町線では5両編成に短縮されますので、中間車3両は廃車となります。また転出先の大井町線では、9011Fの転入に先立ち8090系の8095Fが運用を離脱しています。8095Fの離脱により、前照灯の位置が低い8090系の初期形は、東急から姿を消すことになります。
東横線では、5050系の4101Fが営業運転を開始しました。副都心線直通用の10両編成ですが、8連で運用に入りました。
写真の9011Fは、1988年10月に東急車輌で完成したものです。5050系の4102F.4103Fも既に完成しておりますので、近いうちにさらに東横線を離れる9000系が出るでしょう。

京浜急行電鉄1000形(1057編成)

2005年度に製作された1000形の4次車24両(8両編成1本・4両編成4本)は、前年度3次車と同じ仕様ですが、行先表示をフルカラーLEDに変更しています。
通勤電車や路線バスの行先表示も近年ではLED式が主流になっていますね。従来主流だった幕式に比べると、巻き取りのための機構もなくなり、保守も含めて取り扱いが容易なのでしょうね。さらにJR東日本では駅間は非表示にして省エネを図っているようです。
ところがこのLEDは撮り鉄泣かせ。撮影してもちゃんと写らないのです。機種にもよりますが1/160secより高速だと、まともに写らないことがほとんどですね。おそらく瞬間的に点滅を繰り返す仕組みになっているからでしょう。
写真の1057編成は2005年8月に完成したもので、4次車では唯一の8両編成です。乗り入れ先の京成押上線で走る姿を撮影しました。

京浜急行電鉄1000形(1417編成)

京浜急行1000形には、8両編成のほかにも、4両編成が23本在籍しています。さらに2010年度には800形の置換え用として、6両編成も登場しました。
4両編成は、単独で普通列車として運転される他、快特の増結用にも使用されています。2100形や1000形アルミ車に増結されるときは、12両編成で塗装が揃ってとても美しいですね。
さらに2010年5月からは、4両編成を2本つなげて、羽田空港ー新逗子間の「エアポート急行」にも使用されています。4両を2本つなげた8連での快特や特急も、朝の下り列車で稀に見ることができます。これはピーク時に電車を総動員するために見られる運用なのでしょう。
写真の1417編成は2005年3月に東急車輌で完成したもので、1000形の3次車に相当します。6次車以降では、8連が東急車輌、4連を川崎重工に発注するようになっていますね。

京浜急行電鉄1000形(1041編成)

2001年度から増備されている京浜急行1000形ですが、2004年度製作の3次車では、外観上は大きな変化がないものの、基本的な構成の見直しが行われています。
編成の基本構成を、8両編成は4M4Tから6M2Tへ、4両編成では3M1Tと電動車を増やしています。これは雨天時の空転・滑走の発生を抑えるためです。また2004年12月の国土交通省による、地下鉄道の火災対策の基準見直しに対応して、連結面の扉や消火器の増設などを行っています。
VVVFインバータの素子はGTOからIGBTに変更になっています。このため、2100形の登場時から親しまれている起動時のメロディ音は聞かれなくなりました。また2次車まで台車は2100形と共通でしたが、軸ダンパの設置予定がないため新形式となりました。
写真の1041編成は、2005年1月に東急車輌で完成したものです。4両編成を従えて12両編成で走る姿を撮影しました。

2011/10/09

京浜急行電鉄1000形(1033編成)

京浜急行の主力車両として増備が進んでいる2代目1000形ですが、年を追うごとに改良を積み重ねてきています。2003年度に24両が増備された2次車でも、サービス向上を図りながらコスト低減を目指して改良されました。
車体に関しては、側窓を上方に20mm拡大するとともに、1次車で2連窓としていたところを大型の1枚窓に変更しました。またガラスの色もグリーンからサンユーログレーに変更しています。大型の1枚窓はJR東日本のE231系などでもみられますが、1000形では遮光用のカーテンを残しています。
機器構成については、2次車から6両編成への組み替えを考慮しないことになりました。そのため、4両編成も8両編成と同様に4両1ユニットとなり、機器配置を変更しました。つまり集電装置・蓄電池・補助電源装置の集約により、コストダウンを図っているのです。
写真の1033編成は2003年6月に川崎重工で完成したもので、8両編成です。4連2本で運用されることが多い「エアポート急行」の運用に入っているところを撮影しました。

2011/10/08

京浜急行電鉄800形(811編成)

京急800形は1978年から1986年にかけて7次にわたって132両が製造されました。登場の背景には、700形のように4扉で混雑時間の乗降時間が短縮でき、かつ先代1000形なみの加減速性能を持つ普通列車専用車両が切望されていたことがありました。3両もしくは最大6両編成での使用が想定されておりました。
全溶接構造の鋼製車体で当初は窓周りを白く塗り分けた華やかな色調となりました。また側窓を大きく取り間柱も細く取るなど700形に比べると軽快感のあるデザインとなりました。客室内も明るい暖色系を多用しております。
制御装置は界磁チョッパ制御のACRF-H1200-770A、主電動機は出力100kWの複巻電動機KHM-800、補助電源装置はBL-MGのTDK-3320Aです。台車はTH-800、冷房装置はCU-123/CU71、集電装置はPT43E5-Mを装備しています。
写真の811編成は1979年11月に川崎重工で完成したもので800形の2次車に相当します。当初は3連でしたが、1986年8月に東急車輌で中間車3両を増備して6両編成となっています。2014年8月に廃車となりました。

2011/10/03

京浜急行電鉄2100形(2149編成)

京浜急行2100形は、ドイツ・シーメンス社製のVVVF制御装置と主電動機を採用していましたが、外国製品であるため国産製品とは設計思想など相違点が多く、保守の面でも特殊工具が必要となるなど負担があり、機器更新の時期にあわせて国産製品への換装を進めています。
改造は2008年度から行われていて、既に6編成の工事が完了しております。ドイツ・シーメンス社製の装置だと、発車時に音階を奏でるような起動音を発しますが、改造済みの編成からはそういう音は聞かれません。
ちなみに2100形は9月23日のダイヤ変更から、平日運転の羽田空港ー新逗子間「エアポート急行」の運用にも入っているそうです。乗降に時間がかかる2扉では混雑する快特には適応しなくなっているということでしょうか?今後の動向が気になります。
写真の2149編成は1999年5月に東急車輌で完成したもので、2100形の3次車に相当します。2011年8月に京急ファインテック久里浜工場でVVVFインバータ更新工事を行っています。

2011/10/02

京浜急行電鉄600形(608編成)

京浜急行600形は更新工事が進められており、8両編成で未更新なのは、既に604・608編成だけとなっています。両編成とも2011年度中には更新されると云われています。
600形の車体はアルミ製で、2100形・1000形に続くスタイルの基本形を確立しました。鉄道に特別な興味のない人には同じ電車に見えるでしょう。新しい試みとして、座席はクロスシートを採用しましたが、混雑には不向きなのか8両編成はすべて車端部を除いてロングシートに改造されました。
主回路はVVVFインバータ制御方式で、1500形や2100形との併結運転が可能となっています。台車は、ボルスタレスではなく車体直結空気バネ式となっています。また120km/h運転開始を控えて、乗り心地改善のためのダンパ装置を装備しました。
写真の608編成は1996年2月に東急車輛で完成したもので、600形の3次車に相当します。3次車では唯一の8両編成となっています。

京浜急行電鉄1000形(1009編成)

京浜急行では2100形をモデルとした通勤用新形車両として、2002年から1000形を増備しています。先代1000形が在籍していたため、新1000形と呼称しておりましたが、2010年度末で全車除籍されましたので、1000形と表記することにします。
車体はアルミ製で、客室窓は遮音性に優れた固定式となっています。窓と外板の間の凹凸はフラットになっています。見た目にもスマートですが、清掃時の手間を少なくしています。座席はロングシート中心ですが、車端部のみクロスシートで2100形と同じくノルウェー製の座席です。
ドイツ・シーメンス社製の機器を多用しており、電車の心臓部ともいえるインバータ制御装置は、トラクションコンテナと呼ばれる制御機器箱に収納されています。モジュール化により、機器の小型・軽量化や艤装の簡素化を実現しています。
写真の1009編成は2002年6月に東急車輌で完成したもので、1000形の1次車に相当します。1次車は8両編成と4両編成が製造されましたが、6両編成への組み替えが考慮されています。

西武鉄道3000系(3001F)

西武池袋線には、1969年から秩父線の勾配区間に対応できる101系・301系を増備し、最大で434両に達しましたが、1983年に池袋線の各駅停車用として、省エネルギーと経済性を重視した3000系が登場しました。
一見301系によく似ているのですが、前面窓の黄色い柱がなくなっています。側面は2個ずつのユニット窓になっています。また西武鉄道の電車でははじめて、側面に行先・種別表示器を取り付けています。
制御装置は、新宿線用の2000系で実績のある界磁チョッパ制御を採用し、省エネ効果の発揮できる回生ブレーキつきとなりました。台車も2000系と同じFS372Aを採用しています。
写真の3001Fは1983年11月に東急車輌で完成したものです。ちなみに池袋ー保谷間の各駅停車は、運行距離が短いので同じ編成がすぐに折り返してきますね。

2011/10/01

西武鉄道301系(1301F)

西武鉄道301系は、101系の増備車として1980年から83年にかけて56両(8両編成7本)が製造されました。車体は新101系と共通で、8両固定編成になっております。
西武池袋線といえば、長い座席の3扉の車両が定番という印象がありましたが、車両の世代交代が進みめっきりと少なくなりました。
また301系も製造当時は、窓周りはクリーム色に塗装されており、先頭車のスカートを装備しておりませんでしたので、現在では少し変化した姿で走っているわけです。
1301Fは1981年8月に西武所沢車両工場で完成したものです。現在301系も廃車が進み、24両(8両編成3本)まで減少しています。