2010/10/10

靖国神社C5631

 東京九段にあります靖国神社には、C56形蒸気機関車が展示されています。なぜ靖国神社に展示されているかといえば、この機関車も戦時中に海を渡りタイで活躍したからなのです。
 一見普通のC56形に見えますが、よく見ると連結器がシングルピン式という日本にはないものになっています。またデフ無しで本線を走ることも日本ではなかったように思います。さらに軌間はタイ時代の1.000mmのままになっています。
 そういえば子どもの頃、台湾ではC57形やD51形にそっくりの蒸気機関車が走っているということを本で読みました。鉄道は政治や経済と密接に関わっていることを感じます。海外では、軍事施設に準じた扱いを受け、撮影できないケースもあります。
 写真の31号機は1936年2月に日本車輛で完成したものです。七尾線で使用されてから、1943年にタイに渡りました。日本に返還されたのは1979年のことです。現在では屋内に展示されています。
【撮影:佐野次郎 1992.3.1】