205系電車は国鉄の通勤型電車では初めてステンレス製の車体を採用したものです。前面のブラックマスクや車内設備などは201系のデザインをかなり反映しています。当時国鉄は財政難のため、高価なチョッパ制御の201系の増備を取りやめ、205系でコストダウンを追求しました。主回路を添加励磁制御にしたほか、戸袋窓や連結面の窓もなくなり、中間車の連結器を棒状にしたりしています。
205系はJRへの移行後も増備が進められ、1988年には山手線における103系の置き換えを完了しました。また1991年には6扉車を組み込んで、山手線は11両編成となりました。
2001年からE231系500番台への置き換えが始まり、2005年4月に山手線から撤退しました。捻出された205系は各路線に残っていた103系電車の置き換えに活用されました。
【撮影:佐野次郎 1985年品川駅】