2022/03/31

小田急電鉄10000形(10041F)

小田急電鉄10000形は1987年の開業60周年を記念し、前面展望室と連接車体構造を踏襲しながら、当時流行していたハイデッカー構造を取り入れ、かつ外部塗色や内装の変更により、新しいロマンスカーを目指したものです。1987年度と1989年度の二次に渡り44両(11両編成4本)が製造されました。
車体は普通鋼製で、側窓は連続窓風にしています。客室の床面高さは展望室を除いて床面高さが1.510mmとなっています。座席は7000形より背ずりを50mm高くした回転クロスシートで、リクライニング機能はありません。
制御装置は抵抗制御のMM-39-A、主電動機は出力140kWのMB-3262-A/TDK8420-A、補助電源装置はSIVです。機器は7000形を踏襲し、性能もほぼ同じです。台車はFS533A・B/FS033、冷房装置はCU-31/CU-23を装備しています。
写真の10041Fは1989年6月に日本車両で完成したもので、10000形の2次車に相当します。2011年6月に廃車となりました。更新されずに廃車となったのは、ハイデッカー構造のため2000年施行の交通バリアフリー法への対応が困難であったためです。

2022/03/30

相模鉄道21000系(21101F)

相模鉄道21000系は、相鉄・東急直通線の開業に備えて、2021年度に32両(8両編成)が導入されました。20000系を8両編成化したような車両ですが、20000系は東横線方面・21000系は目黒線方面への直通に使用されるようです。
相鉄・東急直通線は2023年3月の開業が発表されましたが、気になるのはまだ明らかにされていないダイヤです。少なくとも白紙改正になるものと思われます。西谷ー横浜間区間運転の列車を新設することも検討されているようです。
また鶴ヶ峰駅付近の連続立体交差事業も都市計画が決定しましたので、完成後は地下化されることになります。令和15年度の完成予定ですからまだまだ先のことにはなりますが、完成後には地域の利便性や安全性は高まることになるでしょう。
写真の21101Fは、2021年7月に日立製作所で完成したものです。2022年3月に営業運転を開始しました。東急など相互直通運転先の訓練に貸し出され、営業運転入りは他の3編成よりあとになりました。21000系は2022年度以降も増備が継続される模様です。

2022/03/29

EF65形1000番代(2090号)

EF65形1000番代は、フレートライナーや固定編成客車を牽引するために導入されたものです。東北本線や上越線でも使用するため耐寒耐雪構造を採用し、運転室正面に開戸を設けるなど設計を変更しました。1968年度から1978年度まで139両が製造されました。
車軸配置はB-B-B、主電動機は出力425KWのMT52Aを6機搭載しています。台車は両端台車がDT115B、中間台車がDT116C、集電装置はPS22Bを装備しています。塗色は全体を青15号、両端上部と側面帯をクリーム1号としていました。
2012年5月から国土交通省の省令により、最高速度100km/hを超える運転を行う場合には運転状況記録装置の搭載が義務付けられましたが、JR貨物の1000番代は100km/h以下で運転されるため装置を搭載しないことになりました。装置を搭載する旅客会社所有の1000番代と区別するため、JR貨物の車両は2000番代に改番されることになりました。
写真の2090号は、1977年12月に1090号として川崎重工・富士電機で完成したものです。新鶴見機関区に新製配置され、JR貨物に継承されました。2006年11月に大宮車両所でC更新工事を受け、さらに2090号機に改番されました。

2022/03/28

東武鉄道50000系(51009F)

東京地下鉄半蔵門線・東急田園都市線と相互直通運転を行う東武伊勢崎線・日光線の車両は当初30000系で、2005年度から2008年度にかけて50050系が主力となりました。長らく2編成だけ30000系が残っていましたが、ここにきて東上線用の50000系と交換されました。
50000系列は従来地下鉄乗入れ用・地上線用と作り分けていた東武の車両を、共通仕様の中で用途に応じて若干のカスタマイズを加えて、50000系・50050系・50070系・50090系と作り分けていたことから円滑に交換ができたものと考えられます。
制御装置はIGBT-VVVF制御のVFI-HR2820F/VFI-HR1420L、主電動機は出力165kWのTM-03、補助電源装置はIGBT-SIVのINV146-G0です。台車はボルスタレスモノリンク式空気ばね台車SS-167/SS-067、集電装置はPT-7112-A、冷房装置は50.000kcal/hの能力を持つRPU-15005を装備しています。
写真の51009Fは、2010年7月に日立製作所で完成したものです。東上線地上線用車として新製されましたが、2008年度に新製された50050系の仕様を反映し、車体の最大幅も50050系と同じ2.846mmとなりました。2022年1月から東武伊勢崎線・日光線、半蔵門線、田園都市線で運用に就いています。

過去の記事から
東武鉄道50000系(51008F)
https://sanojiro.blogspot.com/2021/11/5000051008f.html

2022/03/27

小田急電鉄4000形(4055F)

小田急電鉄4000形は6M4Tの10両固定編成で、地下鉄千代田線乗入用として導入されたものです。JRのE233系をベースとして標準化を進めていますので、常磐緩行線用のE233系2000番代との親和性も高いものと思われます。
4000形の車体は軽量ステンレス製で、E233系をベースにしています。先頭部は丸みを帯びたオリジナルのデザインでブルーと前照灯周りの形状が独特の雰囲気を出しています。車内は大型の袖仕切に一人あたりの区分がわかりやすいバケットシートとLCDモニタによる車内案内表示装置を備えております。
制御装置はIPM-VVVFインバータ制御、補助電源装置はIGBT-SIVとしています。二重化により信頼性を高めているのもE233系と同じです。制動方式は電気指令式電空併用制動で、TIOSを介して編成全体で制御されます。集電装置はシングルアーム式パンタを1編成あたり3台搭載しています。
写真の4055Fは2007年11月に東急車輌で完成したもので、4000形の1次車に相当します。4000形は千代田線用ATO関連改造工事が行われ、さらにJR常磐緩行線におけるワンマン運転対応用設備の増設が進められています。

2022/03/26

小田急電鉄3000形(3091F)

小田急電鉄3000形は、6両編成もしくは8両編成で新製されましたが、中間車を増備することにより10両固定編成を組成しています。6両編成から組成変更された編成の番号は、1000形に準拠して3090番台となりました。
新たに製造された中間車は電動車と付随車が2両ずつで、5M5Tの10両編成となりました。2006年度に導入された8次車と同じように車体の強度向上が図られています。また腰掛の握り棒の形状が変更されたり、モケットの詰め物を変更するなどの改良がされています。
10両固定編成化されたことによって併結運転も行われなくなるため、新宿より先頭車の電気連結器・ブレーキ信号の読換装置・TIOS読換装置などが撤去されました。あわせて先頭車の車いすスペースにあった折り畳み式の腰掛も撤去されています。
写真の3091Fは、2006年12月に川崎重工で完成した3000形の8次車に相当する3280Fを編成組替・番号変更したものです。中間車4両は2010年12月に川崎重工で完成したもので、あわせて10両固定編成化が行われました。

2022/03/25

E233系1000番代(サイ157編成)

E233系1000番代は、209系の代替として2007年から2010年にかけて830両(10両編成83本)が導入されました。2007年12月に営業運転を開始し、現在は820両(10両編成82本)がさいたま車両センターに配置されています。
車体は軽量ステンレス製で、識別帯は青色です。腰掛は占有幅460mmのセパレートタイプでモケットも青系統となっています。ドア間の側窓は新製当初から開閉可能となっています。また空気清浄器を装備しています。
制御装置はIGBT-VVVFインバータ制御のSC85A、主電動機は出力140kWのMT75、補助電源装置はSC86Aです。台車はボルスタレス式のDT71/TR255、集電装置はシングルアーム式のPS33D、冷房装置は50.000kcal/hの能力を持つAU726系を装備しています。
写真のサイ157編成は、2009年5月に川崎重工で完成したものです。2016年2月にホームドア対応改造、2016年10月に前照灯のLED化を完了しております。その他室内灯もLED化されており、防犯カメラも設置されています。

2022/03/24

東急電鉄5050系(5176F)

東横線の主力車両として2004年度から製造されている5050系ですが、2013年度に導入された5176Fでは5号車のサハ5576を次世代ステンレス車「sustina(サスティナ)」で製造しています。
sustinaはレーザーによる連続溶接を採用し、また骨組みを軽量化するなど構体の構造を変更することによって車体軽量化を図っています。レーザー溶接により見栄えがしっくりするだけでなく、水密シーリングも不要となりメンテナンス性も向上しています。
風道・天井・配線関係などについて極力モジュール化を図ることにより、工作工程の合理化と期間短縮を図っています。艤装工程の効率を上げるとともに、将来のメンテナンスや改造工事にも配慮したものです。
写真の5176Fは2013年5月に総合車両製作所で完成したもので、前照灯と車内照明にLEDを採用しています。sustinaは2018年に登場した2020シリーズで全面的に採用され、田園都市線に2020系、大井町線に6020系、さらに目黒線に3020系が導入されています。

2022/03/23

東急電鉄5050系(5161F)

東急電鉄5050系は田園都市線用の5000系に始まる5000シリーズの中で東横線用として位置づけされている形式です。2004年から2020年にかけて製造され310両(8両編成25本・10両編成11本、一部5000系から編入した中間車を含みます。)が在籍しています。
車体は軽量ステンレス製で、5000系とほぼ同じ外観に見えますが、東京メトロ副都心線への乗り入れを前提としておりワンマン運転用の装備など機器が多いので乗務員室を拡張したため、車体長が5000系より100mm長くなっています。またラインカラーはピンクとしています。
制御装置はIGBT-VVVFインバータ制御VFI-HR2820D/L、補助電源装置はIGBT-SIVのINV146-D2を採用しています。台車は軸梁式ボルスタレス台車TS-1019/TS-1020Aを装備しています。保安装置も五社直通に対応した装置を完備しております。
写真の5161Fは2006年7月に東急車輌で完成したものです。窓周り仕上げは艶消し、ドア内側の化粧板はなし、スカート形状など比較的初期型に類する特徴の編成です。先頭車側面には広告のラッピングを施した状態で営業運転に就いていました。

2022/03/22

205系(ケヨ27編成)

京葉線には新木場ー東京間の延長開業に備えて120両の205系が新製投入されたのですが、1990年3月の延長開業以降は、205系を主に快速、103系を主に各駅停車と並行使用するようになりました。
103系のうち主に東金線直通快速に充当されていた4両+6両分割対応編成は、1999年度からE231系の新製投入によって中央・総武緩行線から捻出された201系に置換えられ、さらに205系1本も転入し、ケヨ21編成となりました。
さらに山手線にE231系500番台が新製投入されたことにより捻出された205系のうち、2002年度に1段下降窓の10両編成2本が転入しケヨ22.23編成に、2005年度に二段窓の10両編成4本が転入し、ケヨ24~27編成となりました。
写真のケヨ27編成は、1985年3月に日本車輛で完成したもので、シナ→ヤテ4編成として山手線で活躍しました。2006年11月に東京総合車両センターで帯色変更など転用工事を完了して京葉線に転用されてきました。2012年2月に廃車となりました。

2022/03/21

EF210形100番代(127号)

EF210形100番代は、東海道・山陽本線の主力電気機関車であるEF65形の老朽置換えを推進するために導入されたものです。第2次の量産車では運転冗長性の向上を図るために一部仕様を見直して100番台が新たに付番されました。
車体形状・寸法、機関車としての性能は第1次の量産車と同じです。車体側面の冷却風取り入れ部については取り込み風速を低減する目的で開口面積を拡げています。また「ECO-POWER 桃太郎」のロゴマークを車体中央部に取り付けるようになりました。
制御方式はIGBT-VVVFインバータ制御、補助電源装置はIGBT-SIVです。主電動機は出力565kWのFMT4を6機搭載しています。台車は両端がFD7E・中央がF8、集電装置はシングルアーム式のFPS-4を装備しています。(101~108号機はPS22D)
写真の127号機は三菱電機で2006年8月に完成し、岡山機関区に新製配置されたものです。EF210形100番代は1999年度から2010年度にかけて73両が製造されました。東海道・山陽本線を中心に使用されています。

2022/03/20

小田急電鉄8000形(8059F)

小田急電鉄8000形は一般車としては最古参の存在となりますが、廃車は界磁チョッパ制御車や事故による損傷車など一部にとどまり、160両のうち142両(6両編成13本・4両編成16本)がまだまだ活躍中です。
8000形の車体は普通鋼製ですが、防蝕対策とメンテナンスが行き届いている様子できれいな外観を維持しています。旧国鉄の185系や201系もそうですが、80年代の普通鋼製の電車は長期間の使用に耐えた車両も多いという印象があります。
走行機器は更新によって3000形の3次車以降と共通化を図っています。制御装置はVVVFインバータ制御方式に変更され、列車情報管理システムTIOSを搭載しています。制動方式も電気指令式となり、3000形との併結運転も可能です。
写真の8059Fは1986年1月に東急車輌で完成したもので、8000形の5次車に相当します。2014年2月に車体修理と機器更新を完了しています。試験的に制御装置がSiC3レベルVVVFインバータ制御装置に変更され、試験結果が1000形の更新に反映されています。

2022/03/19

小田急電鉄5000形(5054F)

小田急電鉄5000形は「より広く・より快適に」を基本コンセプトとして、シンプルでなおかつスピード感を強調したデザインを採用したことにより、長年進めてきた複々線化完成による輸送サービス改善を実感できる車両になっています。
地下鉄線乗入れを考慮していないため、正面は非貫通、車体幅2.900mmの裾絞り形状を採用しています。軽量ステンレス製ですが、レーザー溶接など新技術の採用により、平滑な仕上がりです。車内も木目調の床材やガラス素材の多用など清新な印象です。
制御装置はフルSiCVVVFインバータ制御装置MAP-194-15V330、補助電源装置はIGBT-SIVのINV207-E0を装備しています。列車情報管理システムは次世代型のN-TIOSに進化し、主要な機器との伝送回路は二重化しています。台車は軸梁式ボルスタレス台車NS-102/NS-102Tを装備します。
写真の5054Fは、2020年9月に川崎重工で完成したものです。5000形は2022年1月現在で90両(10両編成9本)が在籍しています。小田急電鉄の一般車としては最新型であり、8000形の界磁チョッパ制御車や1000形のワイドドア車などの代替となっています。

2022/03/18

205系(ナハ11編成)

205系電車は国鉄からJRへの移行期に登場した車両ですが、いわゆる国電の高性能電車のスタンダードを確立した101系・103系に比較すると進化が明確に感じられます。20m・両開き4扉という基本はそのままに軽量化と省エネルギー化を図っています。
軽量ステンレス車体を採用し、車内は大型の1段下降式窓によって採光も十分です。腰掛は201系から導入された濃淡のブラウンで着席区分をソフトに示すものです。天井はラインデリアの採用により平天井となり、扇風機は姿を消しました。
界磁添加励磁制御方式を採用し、直巻電動機を用いながらも回生ブレーキの使用が可能となりました。当時は導入コストの面でメリットが大きかったと思われます。ちなみに現在ではより保守性の負担が少ないと言われる誘導電動機の採用が主流となり、直巻電動機はブラシの保守に手間がかかるとされています。
写真のナハ11編成は1990年8月に川崎重工で完成し、中原電車区に新製配置されたものです。南武線への新車の投入も当時は注目されました。後継のE233系8000番代の投入により、2015年7月に廃車となりました。

2022/03/17

小田急電鉄4000形(4062F)

小田急電鉄4000形は、初代9000形・二代目1000形に代わる三代目の地下鉄千代田線直通車両ですが、2016年3月のダイヤ改正からJR常磐緩行線の取手まで乗入れを開始しています。逆にJR東日本のE233系2000番台も小田急線内に乗り入れるようになっています。
4000形の車体はE233系をベースとした軽量ステンレス構体で、地下鉄線内の車両限界から車体幅を2.770mmとしています。また裾絞りのないストレートな側面となっています。前面デザインは小田急オリジナルですが、特急車のVSE/MSEと同じデザイナーが監修しています。
4000形の台車もE233系のDT71Bを基本とした軸梁式ボルスタレス台車TS-1033/TS-1034を装備していますが、駆動装置はE233系のTD継手とは異なり、小田急の標準仕様となっているWN継手を採用しています。
写真の4062Fは2010年9月に東急車輌で完成したもので、4000形の3次車に相当します。3次車までは車内案内表示装置のLCDは15インチ1台でしたが、現在では4次車以降と同様の17インチワイド2画面に改修されています。

2022/03/16

E259系(クラNe006編成)

E259系特急形電車は、首都圏の主要駅と成田空港を結んでいる特急「成田エクスプレス」用の最新車両で、1991年から使用されていた253系を取り換えるとともにサービス向上を目的として導入されたものです。
車体断面や基本寸法はE257系特急形電車に準じていますが、運転中の分割併合に対応するため、先頭部は高床式貫通構造になっています。また車体間ダンパの装備と両先頭車に装備したフルアクティブ振動制御を導入することにより、乗り心地の向上を図っています。
情報制御装置としてE233系などと同じくTIMSを搭載しており、運転台からの力行やブレーキなどの指令はTIMS経由で伝送され、制御装置やブレーキ装置に伝えるようになっています。また信頼性を高めるため、電気機器や保安装置などの二重化が図られています。
写真のクラNe006編成は2009年7月に東急車輌で完成し、鎌倉車両センターに新製配置されたものです。2017年3月にはフリーWi-Fiを設置しています。また2019年8月にホームドア対応工事を完了しております。

2022/03/15

E259系(クラNe009編成)

E259系は成田エクスプレス用の新型車両として、2009年から2010年にかけて132両(6両編成22本)が製造されたものです。1991年の成田エクスプレスの運行開始以来使用されていた253系の置換え用車両です。4M2Tの6両編成を基本とし、2編成を併結した12両編成までの営業運転を行っています。
E259系の車体はアルミ合金のダブルスキン構造で、赤・白・黒をベースとした253系のデザインを継承していますが、高運転台構造になりました。253系に比べ側窓を上下に150mm拡大しています。17インチ液晶ディスプレイによる四か国語対応の情報案内装置も目新しい点です。またグリーン車の腰掛は2+2配置ですが、本革仕様になっています。
制御装置はIGBT-VVVFインバータ制御のSC90A、主電動機は出力140kWのMT75B、補助電源装置はIGBT-SIVのSC89Aです。ブレーキ方式は回生ブレーキ併用電気指令式空気ブレーキです。台車は軸梁式ボルスタレス方式のDT77/TR262、集電装置はPS33D、冷房装置は能力36.000kcal/hのAU302Aを装備しています。情報制御装置としてTIMSを搭載しています。
写真のクラNe009編成は2009年9月に東急車輌で完成し、鎌倉車両センターに新製配置されたものです。2017年3月にはフリーWi-Fiを設置しています。また2019年11月にホームドア対応工事を完了しております。

2022/03/14

205系(ケヨM22編成)

国鉄時代の1985年に第一陣が山手線に投入され、1994年までに1.461両が製造された205系ですが、JR東日本管内では現役で残るのは鶴見線などごく限られた路線となってきました。最後まで205系が多く使用されていた路線は武蔵野線となりました。
武蔵野線の205系は山手線を中心とした他路線から転用された車両が大勢を占め、8両編成で4M4Tと電動車比率を下げてコストダウンを図りました。そのため2002年から2008年にかけて72ユニットが改造されました。
改造された電動車は5000番代に改番されました。制御装置はIGBT-VVVFインバータ制御のSC71、主電動機はMT74に換装されています。また台車も主電動機換装に伴う改造により、DT70となっています。
写真のケヨM22編成は、1986年4月に東急車輌で新製され山手電車区に新製配置されました。2005年1月に東京総合車両センターで武蔵野線向け転用改造を完了しました。2020年7月に廃車となり、インドネシアに譲渡されました。

2022/03/13

小田急電鉄4000形(4051F)

小田急電鉄4000形は地下鉄千代田線乗入れ車両で、2007年度から2016年度にかけて5次にわたって、160両(10両編成16本)が導入されたものです。JR東日本のE233系をベースにしており、主要機器・回路を二重系化することによって輸送障害の軽減を図っています。
車体は軽量ステンレス製で、車体幅は2.770mmで裾絞りのないストレートな形状となっています。前面と帯はインペリアルブルーとしています。腰掛は片持ち式で袖仕切りも大型化されました。
制御装置はIPM-VVVFインバータ制御、補助電源装置はIGBT-SIVとしています。制動方式は電気指令式でTIOSを介して制御されます。4000形は10両固定編成で6M4Tとし、すべての電動車がユニットを組んでいます。
写真の4051Fは、2007年7月に東急車輌で完成したもので4000形の1次車に相当します。2013年度以降に常磐緩行線乗入れの関連機器搭載、2016年度以降に千代田線内でのATO関連機器の装備と前照灯のLED化等を行っています。

2022/03/12

京浜急行電鉄2100形(2157編成)

京浜急行2100形は2000形の後継となる2扉・転換クロスシートの車両で、1998年から2000年にかけて80両(8両編成10本)が導入されたものです。スピードアップに対応できる高速性能と外国製品の導入によるコストダウンが特徴でしたが、電気部品は既に国産製品に換装されています。
2100形の車体は軽量アルミ製で、先頭形状は600形に準じたものです。そのため2000形と異なり泉岳寺まで乗り入れています。側窓は連窓風となり、腰掛は京急では初めてとなる転換クロスシートを備えています。車内情報案内装置はLCD方式となり、照明もLED化されております。
制御装置は更新により東洋電機製のIGBT-VVVFインバータ制御装置に換装しています。主電動機も東洋電機製の誘導電動機に換装しています。台車は新製時から引き続きTH-2100M/TH-2100Tを装備しています。
写真の2157編成は1990年5月に川崎重工で完成したもので、2100形の3次車に相当します。2012年3月に主回路を換装し、2015年9月に車体更新を完了しています。2005年6月から2015年まで「京急ブルースカイトレイン」として青塗装で営業運転に就いていました。

過去の記事から
京浜急行2100形(2157編成)
https://sanojiro.blogspot.com/2012/09/21002157.html 

2022/03/11

東急電鉄5050系4000番代(4103F)

東急電鉄5050系4000番代は、東横線用としては初めての10両編成の車両です。東京地下鉄副都心線との相互直通運転に使用する目的で2011年度に導入が始まりました。外観・機器とも既存の5050系8両編成と同じ仕様ですが、明確に区分するために4000番代の車号が与えられました。
車内のサービス機器の改良が行われ、網棚が金属製の網で作っていたものから、金属板に穴を開けたデザインに変わりました。これは網棚に置いた荷物が網に絡まることを防止するためです。また車内表示装置が17インチのワイド画面に改良されています。
相互直通運転は東京地下鉄副都心線にとどまらず、西武池袋線・東武東上線にも及びます。そのため西武ATS・東武ATSにも対応した一体型ATC-P/S装置を装備しています。運転時は各社に対応したマスコンキーを挿入し、切替スイッチで切り替えます。
写真の4103Fは、2011年9月に東急車輌で完成したものです。デハ4603は2010年6月に東急車輌で完成した5122Fのデハ5921を5174Fのサハ5474を経て組み込んだものです。2011年9月から2013年2月には6.7号車を編成から外して暫定的に8両編成で営業運転を行いました。

2022/03/10

205系(ケヨ8編成)

京葉線の新木場ー東京間の延長開業に備えて1989年から1990年にかけて205系120両(10両編成12本)が新製投入されました。保安装置はATS-PとATS-Sを装備していました。識別帯の色は赤14号を採用しました。
前面全体をFRPとし、前面ガラスに曲面ガラスを採用しました。このため従来の205系とは前面デザインが大きく異なります。室内では運転室仕切り窓が拡大されました。また長大トンネル区間を走行するため、不燃化対策が強化されました。
制御方式は界磁添加励磁制御、ブレーキ方式は回生ブレーキ併用電気指令式空気ブレーキです。主制御器はCS57、励磁装置はHS52、主電動機はMT61、補助電源装置はDM106です。台車はDT50/TR235D、集電装置はPS21、冷房装置はAU75Gを装備しています。
写真のケヨ8編成は、1990年1月に川崎重工で完成したものです。編成中4両が2013年3月に大宮総合車両センターで転用改造を受けてヤマY7編成となり、東北本線・日光線で使用されました。転用対象外となった6両は2011年1月に廃車となっています。

2022/03/09

小田急電鉄1000形(1065F)

小田急電鉄1000形は、1987年度から1992年度にかけて160両(4両編成19本・6両編成6本・8両編成1本・10両編成4本)が導入されたものです。乗客の増加傾向が続いていたための輸送力増強と千代田線直通の9000形の後継という役割を併せ持つものでした。
車体は小田急としては初めての軽量ステンレス製となりました。戸袋窓や妻窓を設けていたのは時代を感じます。側面の凹凸を少なくしたり、表地の光沢を抑えるなどすっきりとした外観にする工夫を施していました。
制御装置はGTOサイリスタを用いたVVVFインバータ制御のMAP-184-15V15、補助電源装置はGTO-SIVを装備していました。更新車については、SiC素子仕様のMAP-198-15V267、補助電源装置はIGBT-SIVに換装され、列車情報管理システムTIOSも装備して機能の向上が図られています。
写真の1065Fは1990年2月に東急車輌で完成したもので、1000形の3次車に相当します。2020年8月に車体修理と機器更新を完了しています。1000形の機器更新は2014年度から行われていますが、全車に対して施行されるわけではないようで、更新されずに廃車となる編成も出ています。

2022/03/08

205系(ナハ12編成)

南武線の205系電車は1989年から1990年にかけて96両(6両編成16本)が投入されました。主に101系電車を代替しました。そのうち1編成は1993年2月に209系の新製投入により、三鷹電車区に転属し、浦和区からの4両とあわせて10両編成を組み中央・総武緩行線に転用されました。
南武線に新製投入されたグループは側窓が1段下降式で、側扉窓・運転室仕切窓が大きくなっています。帯の色は上から黄色1号、黄かん色、ぶどう色2号となりました。6両編成で4M2Tの構成となっております。
新製グループだけでは103系の全取り換えには至らず、2009年に京浜東北・根岸線から209系が3本、2002年から2003年にかけて山手線へのE231系500番台投入に伴う205系の転用車が投入されました。山手線からの転用車には不足する制御車を充足するために先頭車改造も行われました。
写真のナハ12編成は1990年8月に川崎重工で完成したものです。2010年8月にパンタグラフをシングルアーム式のPS33Eに交換しています。2015年11月に廃車となり、インドネシアに譲渡となりました。

2022/03/07

EF210形(7号)

EF210形電気機関車は東海道・山陽本線の主力機関車EF65形の老朽置換え、東海道本線における26両編成コンテナ(1.300t)列車の増発による輸送力増強を目的として導入されたものです。1996年に試作機の901号を製造し、1998年に量産車の製造が始まりました。
軸配置はB-B-Bで、性能・車体外形については試作車と同様となります。量産に際して新製価格低減・保守の簡易化・他形式との部品の共通化を目的とした設計変更が行われました。そのため機械室内の機器配置や台車形式などが変更されています。
制御方式はGTO-VVVFインバータ制御で、主電動機は出力565kWのFMT4を6機搭載しています。ブレーキ方式は電気指令式です。台車は両端がFD7E・中間がFD8、パンタグラフはPS22を装備しています。
写真の7号機は 1998年8月に川崎重工で完成し岡山機関区に新製配置されたものです。2021年1月に塗装を変更しています。根岸線を走る貨物列車はEF210形とEH200形による牽引が大勢を占めています。

過去の記事から
EF210形900番代
https://sanojiro.blogspot.com/2009/07/ef210900.html

2022/03/06

東急電鉄6020系(6121F)

6020系は大井町線の急行列車の増強を目的として導入されたものです。田園都市線の2020系と同系列の車両で、総合車両製作所のsustinaS24シリーズを採用し、基本設計や主要機器をJR東日本のE235系と共通化し、コストダウンを図っています。大井町線用としてラインカラーをオレンジとしています。
6020系の車体は軽量ステンレス製で、レーザー溶接や骨組みの軽量化などにより、更なる軽量化やすっきりとした外観を実現しています。室内については背ずりの高いハイバック式の腰掛が特徴です。2020系と異なり、扉間座席上部の17インチ表示器は装備しておりません。6020系の制御装置はSiC素子を用いたIGBT-VVVFインバータ制御で、補助電源装置はIGBT-SIVです。主電動機は出力140kWの誘導電動機SEA-446、台車は軸梁式ボルスタレス台車TS1041/TS-1042を装備しています。列車情報管理装置はE235系と同様にINTEROSを採用しております。
写真の6121Fは、2018年1月に総合車両製作所で完成したものです。3号車のデハ6321(二代目)は2018年10月に総合車両製作所で完成したもので、クロス/ロングシートを変換できるQ SEATです。2018年12月から有料座席指定のQ SEATサービスが行われています。

過去の記事から
大井町線6020系(6121F)Q SEAT車組込前
https://sanojiro.blogspot.com/2018/10/60206121f.html
大井町線6020系(6122F)
https://sanojiro.blogspot.com/2018/05/60206122f.html 

2022/03/05

小田急電鉄3000形(3084F)

小田急電鉄では、複々線化工事の進捗による輸送力状況や将来の車両需給を考慮して3000形の中間車を増備することによる10両固定編成化を行いました。2011年に6連に中間車4両を増備して3090番台5本を組成したことに続いて、2017年~2020年に8連に中間車2両を増備して3080番台を組成しました。
8両固定編成は5次車から7次車の製造年数の新しい編成から選択しました。新造した中間車の車体構造は側面衝突に対する強度を向上させた8次車をベースにしています。また室内案内表示器がLCD2画面になっています。
3084F~3087Fに組み込まれた中間電動車は、3090番台を組成した際に全密閉式に交換されたことで捻出された開放型主電動機を転用しており、編成中の主電動機を開放型に統一しています。
写真の3084Fは2005年11月に日本車両で完成した6次車の3662Fに、2020年2月に川崎重工で完成した3384・3434を組み込み、番号を変更したものです。3080番台は3081F~3087Fの7編成が在籍しています。

2022/03/04

東武鉄道50050系(51065F)

東武鉄道50050系は東京地下鉄半蔵門線・東急田園都市線との相互直通運転用として2004年から2009年にかけて180両(10両編成18本)が製造されたものです。輸送力増強を図るとともに、30000系を地上線に転用することで旧型車両を置き換えています。
車体はアルミ合金のダブルスキン構体で、先頭部と車体側面のシャイニーオレンジ色をアクセントにしています。床面高さは、バリアフリーを考慮しホームとの段差を縮小しています。腰掛は占有幅460mmのロングシートです。
制御装置はIGBT-VVVFインバータ制御のVFI-HR2820F/VFI-HR1420L、主電動機は出力165kWのTM03、補助電源装置はIGBT-SIVのINV146-COです。台車はTRS-03M/T、集電装置はPT7112-A、冷房装置は50.000kcal/hの能力を持つRPU-15005を装備しています。
写真の51065Fは日立製作所で2009年3月に完成したものです。側窓の形状が50090系に準じたものとなり、腰掛の座面のバケット化や詰め物の見直し、Sバネを採用したことにより座り心地の改善が図られています。
 
過去の記事から
東武鉄道30000系(31606F)
https://sanojiro.blogspot.com/2010/08/3000031606f.html
東武鉄道30000系(31614F)
https://sanojiro.blogspot.com/2012/11/3000031614f.html

2022/03/03

東急電鉄5000系(5108F)

田園都市線で使用している5000系のうち、5104F~5120Fの15編成は4・5・8号車に乗降時間の短縮を目的として6ドア車を組み込んでいましたが、ホームドアの整備が進めるにあたって乗降位置を揃える必要があるために4ドア車に置換えを行いました。
4ドア車ではハイバック仕様の腰掛を採用し、背もたれの部分を従来よりも高くすることで座り心地の向上を図っています。7人掛けの腰掛の両端2人分ずつについては、ヘッドレストを設置しています。側窓よりも腰掛が高くなるため、外から見えるロゴが入っています。
白を基本とした明るい色調の内装とし、木目調素材も取り入れています。腰掛のモケットは草木をイメージしてグリーンとなっています。これらは5050系Shibuya Hikarie号に準じたもので、最新の2020系にもつながるものです。
写真の5108Fは2006年5月に東急車輌で完成したものです。2006年5月に5104Fから6ドア車の5408(二代目)を組み込み、2009年5月に6扉車を3両化しました。現行の5408・5508・5808は2017年4月に総合車両製作所で完成した4ドア車です。

2022/03/02

小田急電鉄3000形(3085F)

小田急電鉄3000形は、低騒音化・省エネルギー化などによる環境負荷低減と、バリアフリーへの対応、サービスレベルの向上を目指して2001年度に導入された車両で、2021年4月現在で346両が在籍しています。小田急電鉄の車両としては突出した多数派となっています。
3000形の車体は軽量ステンレス製で、千代田線直通に対応しないため先頭部は非貫通になっています。非常に角ばった印象を受けますが、3次車から台枠の内側への傾斜もやめてストレート形状になっています。
3000形の3次車から登場した8両編成では、併結運転を行いませんので、併結運転に必要な装備である先頭車の電気連結器、ブレーキ読換装置・TIOS読換装置は省略されていました。10両編成への組替は最後に新製された編成から逆順で進められています。
写真の3085Fは、2005年10月に日本車両で8両編成として完成した6次車である3661Fに、2020年2月に川崎重工で完成した3385・3435を増結して車番変更し、10両編成に組み替えたものです。6連を10連化した3090番台と同様5M5Tですが、機器搭載位置には若干の相違があります。