2022/07/31

EF62形(25号)

EF62形電気機関車は、横川ー軽井沢間を含む信越本線通し運転用の貨物・旅客用機関車として、急勾配区間での運転を可能とするための様々な特殊構造・装備を付加して導入されたものです。1962年5月に試作1号機、1963年3月から1969年12月にかけて量産2~54号機の合計54両が製造されました。
重連総括制御・勾配抑速発電ブレーキ・電気暖房装置など重装備が必要でありながら、総重量92t、軸重15.3tと信越本線の線路規格にあわせた重量軽減が必要となるため、軸配置をC-Cとし、車体の軽量化には工夫を凝らしていました。車体長17.200mmに、側面の大型ヨロイ戸や3軸台車により個性的なスタイルの電気機関車でした。
制御装置はCS16抵抗制御器・CS17バーニア制御器・CS18転換制御器、主電動機は出力425kWのMT52×6、電気暖房装置はMH-107-DM69です。台車はDT124、集電装置はPS17を装備していました。碓氷峠線内では上り列車ではEF63形による総括制御、下り列車では無線連絡による協調運転を行っていました。
写真の25号機は1964年7月に川崎車両・川崎電機で完成し、高崎第二機関区に新製配置されたもので第二次量産機に相当します。1984年2月に信越本線の直通貨物全廃により、EF58形の代替として下関運転所に転属し東海道・山陽本線の荷物列車牽引に転用されました。1986年11月の荷物列車全廃で運用を失い1987年2月に廃車となりました。

2022/07/30

東急電鉄3000系(3011F)

東急電鉄3000系は2000年8月の目蒲線の運転系統変更による目黒線の開業に備えて専用車両として導入されたものです。営団地下鉄(当時)南北線と東京都営地下鉄三田線との相互直通運転の協定に則り、運転機器等の取扱を共通化しました。1999年から2001年にかけて78両(6両編成13本)が製造されました。
車体は軽量ステンレス製でビードのない平板で、艶消しの仕上げとなりました。先頭部は曲線デザインのFRP製です。車内の配色はピンク系の暖色でまとめられました。腰掛は片持ち式とし、座面が茶色、背面が赤色としています。側扉上部にはLED式案内表示を装備しました。
制御装置はIGBT-VVVFインバータ制御のVFI-HR2420E/SVF038-A0、主電動機は出力190kWのTKM-98・99、補助電源装置はIGBT-SIVのINV127-B0です。台車はTS-1019/TS-1020、集電装置はPT-7108B、冷房装置はRPU-11012H/HRB503-1を装備しています。
写真の3011Fは2000年8月に東急車輌で完成したものです。2014年度に室内灯をLED化しています。また行先表示がフルカラーLED化されています。2023年3月の相鉄新横浜線への直通開始までには中間車を増結して8連化されるようです。

2022/07/29

E233系2000番代(マト12編成)

E233系2000番代は、東京地下鉄千代田線と相互直通運転を行っている常磐緩行線で主力として使用されていた203系の代替を主たる目的として導入されたものです。2009年から2017年にかけて190両(10両編成19本)が製造されました。2016年3月から小田急線への乗り入れを開始しています。
車体は軽量ステンレス製で、千代田線内の車両限界にあわせて車体幅は2.770mm幅のストレート車体としています。内装はE233系1000番代などと同様に、クリーム系統のカラーデザインとしています。腰掛は片持ち式のバケットシートで一人分の幅を460mmとし、Sバネの採用など座り心地の改善を図っています。
制御装置はIGBT-VVVFインバータ制御のSC85B、主電動機は出力140kWのMT75、補助電源装置はIGBT-SIVのSC91です。台車はDT71/TR255、集電装置はPS33D、冷房装置はAU726、列車情報制御装置TIMSを装備しています。
写真のマト12編成は2011年4月に東急車輌で完成したものです。2013年9月に東京総合車両センターで小田急乗入れ対応工事、2015年8月に松戸車両センターで車内情報案内装置の2画面化改修を完了しています。

過去の記事から
203系(マト51編成)
https://sanojiro.blogspot.com/2021/11/20351.html

2022/07/28

京浜急行電鉄2100形(2101編成)

京浜急行電鉄2100形は80両(8両編成10本)が在籍しており、京急ウィング号や快特を中心に運用しています。2008年度から外国製品を使用していたVVVF制御装置を国産製品に更新しました。2013年度から客室内を中心とした機能性・快適性の向上を図ることを主目的として車体・機器更新を実施しました。
ドア上にLEDスクロール式の車内表示器を設置していましたが、17インチワイドのLCD式案内装置に換装しました。これにより視認性の向上や情報量の充実が図られました。また室内の照明をグローブ付きの蛍光灯からLED室内灯に換装しています。消費電力の削減と長寿命化が図られています。
制御装置はIGBT-VVVFインバータ制御のATR-H4190-RG6008A、主電動機は出力190kWのTDK6163-A、補助電源装置はIGBT-SIVのNC-WAT150Cです。台車はTH-2100M/TH-2100T、集電装置はPT-7117-A、冷房装置はCU71Gを装備しています。
写真の2101編成は1998年2月に東急車輌で完成したものです。2009年9月に制御装置・主電動機などの換装工事、2013年8月に車体・機器更新を完了しました。更新工事を施行した編成の正面には京急マスコットキャラクターのシールを貼り付けています。

2022/07/27

東京都交通局6300形(6308編成)

東京都交通局6300形は、三田線の開業以来使用してきた6000形の代替を目的として導入された車両です。車両の冷房化と車内設備のグレードアップにより、乗客サービスの充実が図られました。
営団(当時)・東急との相互直通運転を行うため、車両の寸法・重量・運転性能や機器の配置や取扱いの共通化を図っています。車体はステンレス製となり、スピード感やハイテクイメージの演出が図られました。
制御装置はGTO-VVVFインバータ制御のTINV-06、主電動機は出力180kWのTIM-6、補助電源装置はTSIV-6です。台車はT-6A/B、冷房装置は42.000kcal/hの能力を持つTCL-6B、車両制御情報管理装置TISを装備しています。
写真の6308編成は1994年5月に川崎重工で完成したもので、6300形の2次車に相当します。仕様は1次車と共通ですが、スカートの形状を変更しています。6500形が2022年度末までに8両編成13本投入されるため、置換対象となることも考えられます。

2022/07/26

E233系1000番代(サイ110編成)

E233系1000番代は京浜東北・根岸線で使用していた209系0番代を置換え、保守の効率化や輸送障害の対応を図ることを目的として導入されたものです。10両編成で209系の4M6Tから輸送障害を局限するため6M4Tの構成に変更しています。
車体は軽量ステンレス製の拡幅車体で、床面高さを1.130mmとしてホームとの段差を小さくするようにしています。腰掛は路線カラーの青色のモケットを採用した片持ち式のバケットシートです。また側扉上に設置した情報提供装置は17インチの液晶2画面となっています。
制御装置はIGBT-VVVFインバータ制御のSC85A、主電動機は出力140kWのMT75、補助電源装置はIGBT-SIVのSC86Aです。台車はDT71/TR255系、集電装置はPS33D、冷房装置はAU726系、列車情報制御装置TIMSを装備しています。
写真のサイ101編成は2008年2月に川崎重工で完成したものです。2015年8月にホームドア対応改造、2017年12月に前照灯のLED化を完了しております。その他室内灯のLED化、セキュリティカメラの設置が行われています。

2022/07/25

E233系3000番代(ヤマU623編成)

E233系3000番代は、E233系の近郊形バージョンとして2007年度にE217系の機器更新を行うための予備車確保を目的として東海道線に1編成が導入されました。その後211系の置換用として増備され、E231系1000番代と並んで上野東京ライン・湘南新宿ラインの主力形式となっています。
近郊仕様のため、10両の基本編成中に2両の2階建てグリーン車を組み込んでいます。また基本編成の4両、付属編成の2両の腰掛をセミクロスシートを採用しています。普通車の車内案内表示装置は2段式LEDとし、側扉は半自動機能を備えております。
制御装置はIGBT-VVVFインバータ制御のSC90、主電動機は出力140kWのMT75、補助電源装置はIGBT-SIVのSC86Bです。台車はヨーダンパ付きのDT71/TR255系、集電装置はPS33D、冷房装置はAU726/AU729系、列車情報制御装置TIMSを装備しています。
写真のヤマU623編成は2012年9月に新津車両製作所(グリーン車のみ川崎重工)で完成し、高崎車両センターに新製配置されたものです。2015年3月に小山車両センターに転属しています。

2022/07/24

相模鉄道12000系(12105F)

相模鉄道12000系は、相鉄グループが推進している「デザインブランドアップロジェクト」による20000系に続く第二弾の新製車両です。JR線との相互直通運転に使用するため2019年から2020年にかけて60両(10両編成6本)が製造されました。
車体は軽量ステンレス製ですが、総合車両製作所のsustinaをベースにしているため、平滑な仕上がりになっています。そのためYOKOHAMA NAVYBLUEの塗装も非常にきれいです。室内は20000系同様にグレートーンでまとめていますが、拡幅車体でより広くなっています。
制御装置はIGBT-VVVFインバータ制御のST-SC85A1、主電動機は出力140kWのST-MT75、補助電源装置はIGBT-SIVのST-SC91です。台車はST-DT71/ST-TR255系、集電装置はPT-7103E、冷房装置はST-AU726A-G4、列車情報装置はTIMSを装備しています。
写真の12105Fは、2019年9月に総合車両製作所で完成したものです。12000系は2019年4月から相鉄線内で営業運転を開始しました。2019年11月からJR線との相互直通運転に使用されています。 

2022/07/23

相模鉄道9000系(9703F)

相模鉄道9000系は、相鉄グループが創立100周年と都心直通に向けて推進している「デザインブランドアップロジェクト」施策に基づいてリニューアルされました。塗装は新たに制定した「YOKOHAMA NAVYBLUE」とし、外観も前照灯の位置変更やスカートの形状変更によって大きく印象が変わりました。
内装については全体をグレートーンで統一し、細部まで行き届いた更新となり新車といってもおかしくない位改善されています。座席はロングシートは十分なクッション性を持ったバケットタイプ、クロスシートはスコットランド製の本革仕様です。車内案内装置についても17インチワイドLCDの新型に換装されています。
制御装置はIGBT-VVVFインバータ制御のVFI-HR2820Q、主電動機は出力180kWのTDK-6140-A1、補助電源装置はIGBT-SIVのTDK-3349Aです。台車はTS-907/TS-908、集電装置はPT-7103F、冷房装置はRPU-2218Aを装備しています。
写真の9703Fは1995年3月に東急車輛で完成したもので、9000系の2次車に相当します。2014年3月にVVVF制御装置の更新が行われました。2016年3月にリニューアルが行われ、形式末尾にRが付加されました。9000系は9701Fを除く6編成がリニューアルされたのですが、9703Fが最初の施行編成でした。

過去の記事から
相模鉄道9000系(9703F) 新塗装

2022/07/22

相模鉄道8000系(8713F)

相模鉄道8000系は、斬新なデザインを採用したアルミ製の拡幅車体やVVVFインバータ制御装置など先進的な車両で、1991年から99年に130両(10両編成13本)が製造されました。経年対策は修理の範疇で性能維持を図る方針でしたが、後期の編成については長期の使用が見込まれるために、同時期に製造された9000系と同様に機器更新工事が行われました。
VVVFインバータ制御装置は、既に更新工事を完了していた9000系との機器共通化を図りIGBT素子を用いた1C4M×2群制御としたものに換装しました。基本的な走行性能については更新前と大差がないようにしています。冷房装置は容量拡大を図ったため、補助電源装置も換装しています。
更新後の制御装置はVFI-HR2820T、主電動機は出力150kWのHSV-03、補助電源装置はIGBT-SIVのSVH260-RG4076Aです。台車はKH-132B/KH-135A、集電装置はシングルアーム式のPT7103C/F、冷房装置は50.000kcal/hの能力を持つHRB504-5を装備しています。
写真の8713Fは1999年9月に日立製作所で完成したものです。3000系の代替として増備された編成です。2013年6月に新塗装化、2016年3月に前照灯・室内灯のLED化、2019年4月に機器更新工事を完了しています。

過去の記事から
相模鉄道8000系(8713F) オリジナル塗装
https://sanojiro.blogspot.com/2012/08/80008713f.html

2022/07/21

小田急電鉄3000形(3251F)

1000形と同じように見える2000形でしたが、2001年に第1陣が登場した次の3000形で一気に変化しました。346両にも及ぶ大所帯ですので、小田急ではこの電車ばかりがやってくるような感じもあります。現代の小田急顔といってもいいのではないでしょうか?
車体はステンレス製で、日車式ブロック工法を採用しています。車体断面形状は1964年に登場した2600形以来の裾絞りをやめて直線としています。車内は扉の部分を木目調、窓周辺は淡いグレー、座席は赤から紫へと変化するグラデーション、床は濃いめのグレーにピンクの石目模様という新しい配色を採用しています。
制御装置はIPM-VVVFインバータ制御のMAP-196-15V96、主電動機は出力180kWのMB-5092-A、補助電源装置はIGBT-SIVのINV126-G0です。台車はTS-1026/TS-1027、集電装置はPT7113-B、冷房装置はCU705を装備しています。
写真の3251Fは、2001年10月に日本車両で完成したもので、3000形の1次車・第1編成に相当します。この1次車は戸袋窓も残り、民鉄標準車両の仕様を取り入れ、汎用装置の導入を拡大した2次車以降とは側面を中心に差異が見られます。

2022/07/20

小田急電鉄2000形(2052F)

2000形は1994年度から2001年度にかけて三次にわたって72両(8両編成9本)が製造されたもので、各停を中心に使用されています。1000形の改良型ともいうべき車両で、8両編成で4M4Tとなっています。
車体は1000形と正面デザイン、幅2.860mmが同じステンレス製ですが、側扉の幅は乗降時間短縮を目的として1.600mm幅となり、正面貫通扉の車号標記が大きいなどの相違点が見られます。また車体の帯は新製当初はロイヤルブルーでしたが、2012年にインペリアルブルーに変更されました。
制御装置はIGBT-VVVFインバータ制御のMAP-178-15V50、主電動機は出力175kWのMB-5061-A、補助電源装置はINV205-D0です。台車はSS143/SS043、集電装置はPT7113-B、冷房装置はCU195Eを装備しています。
写真の2052Fは1995年3月に川崎重工で完成したもので、2000形の1次車に相当します。2009年度から行先表示をフルカラードットLED式に換装、2010年度から袖仕切り大型化など客室設備改善が行われ、その他、集電装置のシングルアーム式パンタグラフへの換装、客室内照明のLED化、TASC搭載などが行われています。

2022/07/19

小田急電鉄8000形(8264F)

小田急電鉄8000形は1982年度から1987年度にかけて7次に渡って160両(6両編成・4両編成各16本)が製造されました。省エネルギーや長寿命化、保守や取扱いのしやすさに重点を置いて設計された車両です。
車体は普通鋼製ですが、ケープアイボリーにロイヤルブルー帯という小田急の標準塗装をまとった最後の形式ということになります。屋根板や床板にステンレス鋼を用いたり、側窓に入念なシーリングを施しているのが長寿命化を意図したところといえるでしょう。
新製時の制御装置は界磁チョッパ制御で、GTOサイリスタを採用して機器の小型・軽量化を図っています。主電動機は出力140kWの複巻電動機を装備していました。冷房装置は集約分散式を採用しています。
写真の8264Fは1986年10月に日本車両で完成したもので、8000形の6次車に相当します。2007年11月に車体修理と機器更新を完了し、4000形と同系のVVVF装置に換装されていました。踏切事故による損傷のため、2020年4月に廃車となりました。

2022/07/18

E257系2000番代(オオNA05編成)

E257系特急形電車は中央本線の特急「あずさ」「かいじ」に使用されていましたが、2017年からE351系を含めてE353系で置き換えることになりました。捻出されたE257系0番代を東海道線の特急「踊り子」に使用していた185系の置換えに充当することになりました。
車体のカラーを伊豆の空と海の色をイメージしたペニンシュラブルーを基調としたデザインに変更しています。座席モケットも同様にペニンシュラブルー基調に変更しました。また着席利用を円滑にするためE657系・E353系と同様の座席管理システムを導入しています。
制御装置はPWM-VVVFインバータ制御のSC119/SC118、主電動機は出力145kWのMT72A、補助電源装置は待機二重系SIVのSC120です。台車はDT64/TR249系、集電装置はPS36、冷房装置はAU302、車両情報制御システムTIMSを装備しています。
写真のオオNA05編成は、2001年12月に近畿車両で完成し、モトM106編成として松本車両センターに新製配置されたものです。9両が2020年5月に秋田車両センターで東海道線向けの転用改造と機器更新を完了し、大宮総合車両センターに転属しました。

2022/07/17

東京地下鉄17000系(17184F)

17000系は約45年間使用されてきた7000系の代替を目的として導入した車両で、特に8両編成は相互直通先の東急東横線でも頻繁に見ることのできる車両です。有楽町線・副都心線用としては10000系以来約15年ぶりの新型車両であり、時代の先駆けとなるような新技術を取り入れています。
車両制御情報管理装置(TIS)に加えて、車両情報監視・分析システム(TIMA)を導入しています。これは利用客への車両情報の提供や遠隔での車両状態のモニタリングや車両のメンテナンス性の向上を目指して導入されたものです。
TISによってモニタリングした各機器のデータを無線によって伝送し、データセンターを経由して車両基地や指令所などから遠隔で車両の状態を確認することができます。故障発生時の原因特定の迅速化や故障の予兆検知・機器類の寿命診断、検査の深度化・効率化などの効果が期待されています。
写真の17184Fは2021年8月に近畿車両で完成したものです。17000系は10両編成が日立製作所、8両編成が近畿車両で製作されています。10両編成の投入は既に完了し、8両編成も既に17194Fまで完成し、残り1編成の完成を待つだけになっています。

2022/07/16

東京地下鉄17000系(17106F)

東京地下鉄17000系は、7000系の代替を目的として導入された車両です。有楽町・副都心線用としては10000系以来約15年ぶりの新型車両となりました。新しい技術の導入やバリアフリー・セキュリティの進化など進展している様子が伺えます。
車内の貫通扉と荷物棚に強化ガラスを用いて、広がりを感じられる造作となっているのは10000系と同様です。袖仕切りはシンプルな形状となり、モノトーンでまとめられています。腰掛の背ずりと吊手にはラインカラーを用い、床と腰掛座面は濃い色としております。
制御装置はSiC-VVVFインバータ制御のMAP-214-15V335、主電動機は出力205kWの永久磁石同期電動機MM-S5C、補助電源装置はSiC-SIVのNC-GAT240Dです。台車はFS781、集電装置はPT7174-B、冷房装置はCU7627を装備しています。
写真の17106Fは2021年4月に日立製作所で完成したものです。10両編成6本が前半の増備となり、8両編成15本が後半の増備となります。8両編成は副都心線専用ですが、10両編成は有楽町線と共用となるため、8両編成に比べて東横線で見る機会は少なくなります。

2022/07/15

東急電鉄7000系(7104F)

東急電鉄7000系は、2007年を製造初年とする池上線・多摩川線用の18m車で、新製当初からワンマン運転を行っています。5000系列をベースにした軽量ステンレス製の車体や電装品を装備しています。
前頭部のみFRP製ですが、丸みを帯びた独自のデザインとなっています。内装は木目調で、好ましい意匠となっています。バリアフリー対応という意味合いもあり、1-2人掛けとなっていますが、車端部には9000系以来久々にクロスシートを装備しています。
7000系が装備している制御装置SVF091-A0は、1C4MのVVVFが2群とSIV1群で構成される3インバータ装置になっています。冗長性を高めるためにデュアルモードVVVFとなっていますので、SIVが故障しても走行可能となっています。
写真の7104Fは2008年8月に東急車輛で完成したものです。7000系の中でも初期に製造された編成の特徴の一つとして、窓周りの外板が艶消し仕様になっています。2014年度に室内灯と前照灯のLED化が実施されました。

2022/07/14

東急電鉄5050系4000番代(4111F)

東急東横線の主力車両である5050系のうち10両編成の4000番代は、2021年4月現在で110両(10両編成11本)が在籍しています。ちなみに5050系の8両編成は200両(8両編成25本)が在籍しています。
4000番台のうち、4101F~4104Fの4本は6号車のデハ4601が5000系からの編入車です。そのため内装がブルー系の配色です。4110FはShibuya Hikarie号として特別仕様で車体幅も5000系と同じです。4105F~4109Fが全車新製車両で揃った標準編成です。
10両編成は特急・通勤特急・急行と東横線では速達系の列車に充当されますので、大井町線の急行に使用されている6000系を10両編成にしたような車両が導入されると面白いだろうと勝手に思っていたのですが、現実には5050系の増備となりました。
写真の4111Fは、2010年5月に東急車輌で完成した5173Fに、2020年3月に総合車両製作所で新製したデハ4611とサハ4711を組み込み、2020年7月に車両番号を変更したものです。今のところ8両編成を10連化して4000番代に編入したのは4111Fが唯一の例となっています。

2022/07/13

東京地下鉄10000系(10133F)

10000系は2008年の副都心線の開業に向けて導入された車両です。営団地下鉄が東京地下鉄に移行してから初めての新型車両となりました。副都心線でのワンマン運転・ATO運転・ホームドアに対応する機器を搭載しましたが、有楽町線でも共用でき、1次車は07系の代替としてまず有楽町線に投入されました。
10000系の室内は、天井構造を工夫し貫通扉・荷棚に強化ガラスを採用したことによって開放感の感じられるものになりました。違いがよくわかるのは混雑しない時間帯にはなりますが、それでも室内空間から受ける印象は強いと思います。シートや床材の配色はブラウン系でまとめられ。落ち着いたものです。
制御装置はIGBT-VVVFインバータ制御のMAP-178-15V150/MAP-174-15V137、主電動機は出力165kWのMM-111A2、補助電源装置はIGBT-SIVのINV154-D3/E0です。台車はFS777系、集電装置はPT-7136F、冷房装置はCU7610です。
写真の10133Fは2009年11月に日立製作所で完成したもので、10000系の5次車に相当します。仕様は7000系の未改造車の置換え用として製造された4次車に準じていますが、縦手すりの材質や荷棚の構造が変更されました。

2022/07/12

小田急電鉄1000形(1081F)

1000形の最終増備となった1992年度に唯一の8両固定編成である1081Fが製造されました。200kVAの大容量のIGBT-SIVであるINV095-B0を編成中に2台搭載しているなど仕様の相違点があります。
10両編成から2両を抜いた4M4Tの8両編成で、車種記号も10両編成に準拠したものでした。小田急線内のみで使用し、併結運転はないため先頭車に電気連結器の装置はありませんでした、また扉上部の情報案内装置の半数を路線図式として、一般的なLEDによるスクロール表示するタイプと千鳥式に配置していました。
制御装置はGTO-VVVFインバータ制御のMAP-184-15V15、主電動機は出力175kWのMB-5026-A、補助電源装置はIGBT-SIVのINV095-B0です。台車はFS534/FS034、集電装置はPT7113-B、冷房装置は集約分散式のCU195Cを装備していました。
写真の1081Fは1993年2月に川崎重工で完成したもので、1000形の6次車に相当します。2020年6月で営業運転から外れ、2020年7月に6両が廃車となりました。サハ1181・1381は1055Fからの3両、1255Fからの5両と組み合わせて10両固定編成の1097Fに組み込まれ、1197・1297に改番されました。中間に入る制御車を付随車に置き換える形になりました。

過去の記事から
小田急電鉄1000形(1097F)
https://sanojiro.blogspot.com/2021/12/10001097f.html

2022/07/11

小田急電鉄1000形(1253F)

小田急1000形は、1987年度から92年度にかけて160両(ワイドドア車を除く・4両編成19本・6両編成6本・8両編成1本・10両編成4本)が新製されました。9000形の後継として地下鉄千代田線に乗り入れることも可能な仕様で設計されています。
車体は軽量ステンレス製で裾絞り形状となっています。車体幅は千代田線の乗入れを考慮して2.860mmとなっています。客室内は腰掛モケットがワインレッド(シルバーシートはブルー)、化粧板はベージュ系と暖色系の色調でまとめられています。
制御装置はGTO-VVVFインバータ制御のMAP-184-15V15、主電動機は出力175kWのMB-5026-A、補助電源装置はGTO-SIVのINV023-A0です。台車はFS534/FS034、集電装置はPT7113-B、冷房装置はCU195Cを装備しています。
写真の1253Fは1989年2月に川崎重工で完成したもので、1000形のの2次車に相当します。地下鉄千代田線乗入れ対応車両でしたが、現在では地上線専用となっています。2022年度の5000形の増備(10両編成3本)による置換え対象に含まれるものと思われます。

2022/07/10

相模鉄道11000系(11003F)

相模鉄道11000系の11003Fは、3月21日から「九代目そうにゃんトレイン」として営業運転に就いています。「そうにゃんトレイン」とは相模鉄道のキャラクター「そうにゃん」をラッピングしたもので、相模鉄道では唯一のラッピング車両でもあります。
先頭部には横浜方と海老名方でデザインの異なるイラスト、側面にもラッピングを施しています。車内ではオリジナルデザインのつり革、シートモケット、イラストを掲示しています。今回は広報活動に従事する「そうにゃん」の一日がテーマとのことです。
都心直通やデザインブランドアッププロジェクトによって相模鉄道のイメージも大きく変わっておりますが、2014年から活躍している「そうにゃん」は和みます。一般にもかなり注目を集めているようです。
写真の11003Fは2010年3月に東急車輌・JR東日本新津車両製作所で完成したものです。2009年度の新製車で11000系としては2次車に相当します。「そうにゃんトレイン」には11004Fと交互に充当されています。

2022/07/09

相模鉄道8000系(8706F)

相模鉄道8000系は輸送力の増強を目的として「ダイナミックでシャープな近代的イメージ」をコンセプトとしてデザインされました。先頭部を斜めにカットし、大形ガラスを用いて開放感を演出しています。1990年から1999年にかけて130両(10両編成13本)が製造されました。
車体はアルミ合金製で、客室空間を広く取るため2.930mmという国内では最大級の拡幅車体となりました。客室の内張りはアイボリー系として明るくかつ豪華な雰囲気としました。腰掛は一人当たり座席幅450mmのロングシートを基本として、編成中2両にセミクロスシートを導入しています。
制御装置はGTO-VVVFインバータ制御のVFHR128、主電動機は出力150kWのHSV-03、補助電源装置はBLMGです。台車はKH-132B/KH-135A、冷房装置は42.000kcal/hの能力を持つFTUR-375/307を装備していました。
写真の8706Fは1992年3月に日立製作所で完成したもので、8000系の3次車に相当します。2013年1月に新塗装化されました。その他行先表示のLED化や集電装置のシングルアーム式パンタグラフへの交換が行われていました。2021年12月に廃車となりました。

2022/07/08

E131系500番代(コツG-12編成)

E131系500番代は相模線で電化開業以来使用されてきた205系500番代の置換を目的として導入されたもので、2021年度に48両(4両編成12本)が製造されました。ワンマン運転用の設備を備えています。また相模線では分割・併合運転を行わないので、自動解結装置は装備していません。
車体は軽量ステンレス製で、客室部はE235系、乗務員室部はE129系を基本とした構造です。客室内はオールロングシートでトイレの設備はありません。シートのカラーは相模川の流れや湘南の海をイメージしたブルー系のツートンカラーになっています。ドア上の17インチLCD案内表示器・防犯カメラは千鳥配置になっています。
制御装置はSiC-VVVFインバータ制御のSC123A、主電動機は出力150kWのMT83、補助電源装置はIGBT-SIVのSC124です。台車はDT80/TR273系、集電装置はPS33H、冷房装置は50.000kcal/hの能力を持つAU737系、情報装置はMON25を装備しています
写真のG-12編成は2022年1月に総合車両製作所新津製作所で完成したものです。G-11編成とともに線路状態監視装置を搭載し、車号は580番代となっています。E131系500番代は2021年11月から順次営業運転を開始し、2022年3月のダイヤ改正までに205系500番代の置換を完了しました。

2022/07/07

東京地下鉄02系(02147F)

丸の内線02系は、旧型車の代替を目的として1988年から96年にかけて336両(6両編成53本・3両編成6本)が製造されました。6両固定編成で製造途中で冷房化や制御装置など大小の仕様変更が行われています。
車体は01系を基本とするアルミ合金製で、前面と屋根肩部に丸みを持たせています。車内はベージュ系をベースとして明るい暖色系でまとめられています。座席の専有幅は450mmとなりました。
制御装置はIGBT-VVVFインバータ制御のVFI-LR2415A、主電動機は出力120kWのMM-14A、補助電源装置はSIVです。台車はボルスタレス台車のSS030/SS130、冷房装置はCU766を装備しています。
写真の02147Fは1994年9月に川崎重工で完成したもので、02系の7次車に相当します。CS-ATC化工事、ワンマン対応工事、ATO化工事が行われました。2020年10月に廃車となりました。

2022/07/06

京浜急行電鉄2100形(2117編成)

2100形は2000形の後継車となる2扉のクロスシート車で、1998年から2000年にかけて80両(8両編成10本)が製造されました。将来のスピードアップに対応できる性能を持ち、外国製品を積極的に取り入れて、導入コストの低減を図りました。
車体は軽量アルミ製で、側窓は連続感のある複層ガラスによる固定窓です。車端部の窓は更新に際して開閉可能となりました。室内は扉間は転換クロスシートとなっています。新製時はノルウェー製の腰掛でしたが、現在は国産の腰掛です。また新製当初のLEDスクロール式に換えて17インチワイド画面の車内案内情報装置が設けられています。
制御装置はIGBT-VVVFインバータ制御のRG6008A-M、主電動機はTDK6163A、補助電源装置はIGBT-SIVのNC-WAT150Cです。台車はTH-2100M/TH-2100T、冷房装置はCU71Gを装備しています。
写真の2117編成は1998年10月に川崎重工で完成したもので、2100形の2次車に相当します。2010年9月に主回路換装、2016年8月に車体更新を完了しています。快特・ウィング号を中心に使用されています。

過去の記事から
京浜急行電鉄2100形(2117編成)(更新前)
https://sanojiro.blogspot.com/2010/06/21002117.html

2022/07/05

東京地下鉄2000系(2107F)

東京地下鉄2000系は02系の更新用として2018年度から導入されているのです。5M1Tの6両編成で、永久磁石同期電動機や片軸操舵台車などの最新技術を積極的に取り入れつつ、車体を丸の内線伝統のスカーレットとサインウェーブで包んだ新しくも懐かしい電車だといえるでしょう。
車体はアルミ合金製のダブルスキン構体で、先頭形状を丸みを帯びた形状としています。客室内は化粧板・床ともに赤系統の色調でまとめています。腰掛は片持ち式のバケットシートで、各扉上に17インチの液晶画面3個による案内表示器を設置しています。
制御装置はSiC-VVVFインバータ制御のSVF109-B0/AVF113-A0、主電動機は出力150kWの永久磁石同期電動機MM-S4A、補助電源装置はSiC-SIVのNC-GBT140Bです。台車はSC108、集電装置はTC-26、冷房装置はRPU6038、車両制御情報管理装置TISを装備しています。
写真の2107Fは2019年5月に日本車両で完成したものです。2000系は198両(6両編成33本)が在籍しています。導入開始時には2022年度までに6両編成53本を投入する予定とされていましたが、コロナ禍による乗客減の影響でペースダウンしているようです。

2022/07/04

横浜市交通局3000A形(3311F)

横浜市交通局3000A形は3号線(現在のブルーライン)新横浜ーあざみ野間の路線延長に対応する輸送力増強車両として、1992年から93年にかけて42両(6両編成7本)が製造されたものです。
車体は3扉の軽量ステンレス製で、前面は「く」の字形状に深く傾斜させた丸みのある流線形としています。車内の配色は明るい暖色系でまとめられました。乗務員室後部の座席は高齢者優先席となるクロスシートになっています。
制御装置はGTO-VVVFインバータ制御のMAT-148-75V32、主電動機は出力140kWのSEA-331、補助電源装置はSVM120-483Bです。台車はボルスタレス台車のSS-124/SS-024、冷房装置はRPU-4001R、列車制御管理装置YTMを装備しています。
写真の3311Fは、1993年3月に東急車輛で完成したものです。2005年2月に東急車輌でワンマン化改造(運転台変更・ATO取付)を行い3000A形となりました。後継となる4000形が2023年度までに48両(6両編成8本)導入されることになっていますので、本編成も置換え対象となるものと思われます。

2022/07/03

東急電鉄5050系(5162F)

東急電鉄5050系は、2004年度から8000系を置換えて使用電力量・騒音・振動の低減を図るために導入されました。2002年の田園都市線5000系、2003年の目黒線5080系に続く5000系の導入でした。5000系の設計コンセプトは「人と環境に優しい車両」で、機器の集約による軽量化などによって走行時の騒音を低減させています。
車体はステンレス製で、先頭部はFRP成形品としています。東横線用としてラインカラーを桜色とし、定員増を図るため車体幅は2.798mmと拡幅しております。客室内は暖色系でまとめられています。また車内案内表示装置を装備しています。
制御装置はIGBT-VVVFインバータ制御のVFI-HR2820B、主電動機は出力190kWのTKM-99、補助電源装置はIGBT-SIVのINV-146-Bです。台車はTS-1019A/TS-1020A、集電装置はPT-7108B、冷房装置はCU708/HRB504を装備してます。
写真の5162Fは2006年8月に東急車輌で完成したものです。窓周りの仕上げは艶消し、スカートは初期型、網棚は網式など5050系としては比較的初期に属する仕様となっています。10両編成の導入により、8両編成を示すステッカーを掲示するようになりました。

2022/07/02

京浜急行電鉄1000形(1895編成)

京浜急行電鉄の主力車両である1000形のうち、ロング/クロス転換座席・トイレを備える1890番代は2020年度に導入された20次車から登場しました。2021年度の21次車でも12両(4両編成3本)が増備されました。
座席指定のウイング号の12両編成や、イベント列車に使用されています。また折り返しとなる快特の12両編成やエアポート急行にも使用されています。ちなみにロングシート使用時に腰掛は一人用と明確に区分されますので、着席時の快適度も高いと思います。
さてこの1890番代ですが、公募により愛称が「Le Ciel」(ル・シエル)とつけられました。3月26日から、車体側面にラッピングが施されています。1891.1892.1894.1895編成の中間車の海側にラッピングが行われ、営業運転に就いています。
写真の1895編成は2022年2月に総合車両製作所横浜事業所で完成したものです。2022年3月18日から営業運転に就いています。入れ替わりに1500形の1505編成が営業運転から退き、廃車となっています。

過去の記事から
京浜急行電鉄1500形(1505編成)
https://sanojiro.blogspot.com/2021/06/15001505.html

2022/07/01

西武鉄道6000系(6103F)

6000系は地下鉄乗入れ用車両として1992年から98年にかけて250両(10両編成25本)が導入された車両で、西武初のオールステンレス車両で、6M4Tの10両固定編成。GTO-VVVFインバータ制御・ボルスタレス台車・列車情報装置など当時としては最新の仕様を取り入れました。
副都心線対応改造によって、TIS(車両制御情報管理装置)の搭載、マスコンのT型ワンハンドル化、前面と側面の行先表示器のフルカラーLED化等が行われました。前頭部の塗装も白色に変更されております。
更新後の制御装置はSiC-VVVFインバータ制御のMAP-178-15V272、主電動機は出力170kWのMB-5160-A/MB-5161-A、補助電源装置はIGBT-SIVのNC-SAT150Aです。台車はSS150/SS050、集電装置はPT44S-A-M、冷房装置はCU722Aを装備しています。
写真の6103Fは1993年6月に東急車輌で完成したもので、6000系の2次車に相当します。2次車では2号車と9号車に車椅子スペースが設けられました。2006年11月に副都心線対応改造、2017年8月にVVVF更新工事を完了しています。