2022/04/30

小田急電鉄3000形(3086F)

小田急電鉄3000形は、代々木上原ー登戸間の複々線化や各駅停車の10両編成化により、6両編成・8両編成に新製の中間車を増結して10両固定編成への組成変更が進められました。もと6両編成からは3090番台、もと8両編成からは3080番台の車号が付番されています。
新製された中間車の車体は8次車と同様に強度向上を図っています。また腰掛を区分するための握り棒の形状やモケットの見直し、側扉部床をイエローの警戒色とするなどの小改良も同様に行われています。
また走行音・機器動作音の低減化対策によって他編成に全密閉外扇式主電動機MB-5123-Aを装備したことによって捻出された開放型主電動機MB-5102-Aを転用し、編成内では開放型に統一されています。
写真の3086Fは、8両が3660Fとして2005年9月に日本車両で完成したもので、3000形の6次車に相当します。2019年9月に川崎重工で完成した中間車2両を組み込み、編成組替と番号変更をしたものです。

2022/04/29

EF200形(18号)

EF200形電気機関車は、東海道・山陽本線の高速大量輸送を目的として開発されたもので、1.600t貨物列車を牽引して10‰の上り勾配区間を90km/h以上で運転できる牽引性能を持っていました。平坦区間においては120km/hの最高運転速度の能力を持っていました。
老朽機関車の取替の必要もあり、1990年6月に試作車の901号機が完成し、営業運転を含めた試験のあと、量産車20両が1992年から93年にかけて製作されました。VVVFインバータ制御をはじめとした多くの新技術が採用されました
制御方式はPWM方式電圧形インバータ制御、主電動機はFMT2A×6、ブレーキ方式は発電ブレーキ併用電気指令式空気ブレーキです。台車は両端がFD3A、中間にFD4Aを装備しています。重量は運転整備状態で100.8tに達します。
写真の18号は1993年4月に日立製作所で完成し、新鶴見機関区に新製配置されました。1999年4月に全車が吹田機関区に転属しました。2019年3月にEF200形は全機運用を離脱しましたが、18号機が最終運行に充当されました。

過去の記事から
EF200形(2号)
https://sanojiro.blogspot.com/2019/12/ef2002.html
EF200形(13号)
https://sanojiro.blogspot.com/2010/02/ef20013.html

2022/04/28

205系500番代(コツR8編成)

相模線の1991年3月の電化に際して、電化開業のインパクトを高め、沿線活性化にも寄与するため新造の205系500番代52両(4両編成13本)が投入されました。相模線専用の線区限定車両とし、従来の205系とは混用しない計画であったため、500番代の車番が与えられました。
軽量ステンレス製車体ですが、前面デザインを変更して相模線専用であることを表しています。識別帯はブルーグリーンとライトブルーの2色ですが、これは相模川の清流を表現したものです。室内職もブルーとしています。またドアは半自動ドア開閉回路を備えています。
制御方式は界磁添加励磁制御、ブレーキ方式は回生ブレーキ併用電気指令式空気ブレーキです。また運転室には乗務員の負担軽減を目的として乗務員支援装置を取り付けています。主電動機はMT61、台車はDT50/TR235、冷房装置はAU75Gを装備しています。
写真のコツR8編成は1991年2月に東急車輌で完成したものです。2009年3月にパンタグラフをシングルアーム式のPS33Eに換装し、2015年12月に客室照明をLED化しました。205系500番代は2022年3月のダイヤ改正までにE131系500番代に代替され、営業運転を退きました。

2022/04/27

東京地下鉄17000系(17190F)

東京地下鉄17000系は、7000系の置換用として導入されている車両です。7000系よりもホームとの段差を少なくすることや情報提供の充実により、安定した輸送とサービスの改善を目指しています。
17000系の車体はアルミ合金によるダブルスキン構造としています。室内は座席袖仕切、荷棚、貫通扉にガラスを採用することによって見通しがよく、広さの感じられる造作になっています。またドア上には17インチワイド画面の車内表示器を2台設置しています。
制御装置はSiC素子適用のVVVFインバータ制御、主電動機は永久磁石同期電動機、補助電源装置はSiC素子適用SIVです。台車はボルスタ付き空気ばね台車FS781形、集電装置はシングルアーム式のPT7174-B、冷房装置は50.000lcal/hの能力を持つCU7627を装備しています。
写真の17190Fは2021年12月に近畿車両で完成したものです。8両編成は有楽町線と共用の10両編成と異なり、副都市線専用となります。相互直通運転を行う東急東横線の各停は8両ですので、東横線では頻繁に走る形式となります。

2022/04/26

東京地下鉄7000系(7134F)

7000系は有楽町線用として1974年度から1989年にかけて340両(10両編成34本)が製造されたものです。2008年度開通の副都市線で使用するため、150両(10両編成6本・8両編成15本)に対してATO装備・ワンマン運転対応などの大改造を行い、識別帯も3色になりました。
千代田線用の6000系と共通点の多い車両となっており、保守も綾瀬工場で行われていました。製造当初の目論見通り、大規模な改修を行うことで長期の使用に対応できましたが、いよいよ17000系による代替が本格化し、最後まで残った7133F・7134Fの6次車も既に営業運転から退いています。7133F・7134Fの順に営業運転を離脱しました。
制御装置はVVVFインバータ制御のMAP-174-15V122、主電動機は出力165kWのMM-189A、補助電源装置はSIVのNC-FAT240/NC-EAT240Aです。台車はFS515、集電装置はPT-430IS、冷房装置はCU769を装備しています。
写真の7134Fは1989年9月に東急車輌で完成したもので、7000系の6次車に相当します。2009年3月に副都心線対応8両化工事を完了しています。副都心線対応工事の対象にならなかった7634・7734は2009年3月に廃車となりました。

2022/04/25

E233系7000番代(ハエ128編成)

JR東日本のE233系電車は、一世代前のE231系に対して安全と安定性の向上を目指して電気機器や保安機器等主要機器の二重系化や、優先席エリアを明確化するなどユニバーサルデザインの採用、床面高さを低くすることでホームとの段差を縮小する等の改良を施したものです。
最初に中央快速線に0番代が投入され、次いで京浜東北・根岸線向け1000番代、常磐緩行線向け2000番代、東海道・東北・高崎線向け3000番代、京葉線向け5000番代が投入され、次いで埼京線向け7000番代が投入されました。そのあとは横浜線向け6000番代、南武線向け8000番代が投入されました。
埼京線では205系電車を使用していましたが、2013年3月にハエ101編成が完成し、試験・試運転後6月に営業運転を開始しました。2013年12月のハエ131編成の完成まで、きわめて短期間のうちに205系と同数の310両(10両編成31本)が揃いました。
写真のハエ128編成は2013年10月に総合車両製作所で完成したものです。2016年7月にATACS対応工事、2019年6月に相鉄線乗入れ対応工事を完了しています。埼京線のE233系7000番代は、2019年に相鉄線への直通運転開始にあわせてハエ132~138編成の7編成が増備されました。

2022/04/24

小田急電鉄3000形(3259F)

小田急電鉄3000形は、いわゆる「小田急顔」と呼ばれる2600形・先代4000形・5000形などをほぼ置換えた形式ですが、バリアフリー対応や新技術を積極的に取り入れたことにより、サービスレベルを高めた車両です。
2次車以降では「通勤・近郊電車の標準仕様ガイドライン」に準拠した車体レイアウトになりました。そのため、1次車にはあった戸袋窓はなくなりました。車内については腰掛が片持ち式となり、袖仕切りの形状も変更されました。近年では通勤電車の袖仕切りは着席者と立席者の干渉を防ぐため大型化傾向です。
制御装置はIPM-VVVFインバータ制御、補助電源装置はIGBT-SIVです。制動方式は電気指令式電空併用制動で、他形式との併結のためブレーキ読み換え装置を備えています。そのため8000形と組んで10両編成を組む姿も見られます。
写真の3259Fは2003年4月に川崎重工で完成したもので、3000形の2次車に相当します。2次車としては後期に製造されたグループに属し、冷房装置の能力を50.000kcal/h、補助電源装置の出力を140KVAに増強しています。

2022/04/23

小田急電鉄3000形(3253F)

3000形は、省エネルギー化・静音化・バリアフリーの促進等を意図して設計された車両で、2001年に1次車が製造されました。まず4M2Tの6両編成が登場しましたが、小田急の一般車ではダントツの多数派である3000形の中でも6連は32本が新製されました。
先頭部は非貫通で、車体断面は直線となりました。側窓は1段下降式の1連窓とし、戸袋窓を設けています。側扉は幅1.600mmのワイドドアを採用しています。また床面の高さを1.120mmに下げ、ホームとの段差を縮小しています。
制御装置はIPM-VVVFインバータ制御のMAP-198-15V115、主電動機はMB-5092-A、補助電源装置はIGBT-SIVのINV-126-G0を搭載しています。台車はボルスタレス台車TS-1026/TS-1027、集電装置はシングルアーム式のPT7113-B、冷房装置は42.000kcal/hのCU705を装備しています。
写真の3253Fは2002年1月に日本車両で完成したもので、3000形の1次車に相当します。1次車は6両編成4本が製造されましたが、2次車以降は戸袋窓が廃止され、側扉も1.300mmの標準寸法に変更されたので1次車の側面は独自のレイアウトとなっています。

2022/04/22

日新 NDD5602

根岸駅はエネオスの根岸製油所に隣接しており、広大な専用線があります。タンク車による貨物列車も多く設定されており、高島貨物線を経由して根岸線の桜木町ー根岸付近を走行します。牽引機関車はJR貨物のEH200形とEF210形がメインです。
専用線には3台のディーゼル機関車がタンク車の入換に従事しています。専用線内だけで走るので、いわゆる鉄道車両とは法規上の扱いも異なる点があるものと思います。日新運輸が所有するNDD5601.5602、D504の3両です。
薄緑のNDD5601.5602は1999年新潟鉄工所製と比較的新しいようです。DE10形のようにキャブが片側に寄ったスタイルですが、軸配置はB-Bです。前照灯に特徴が感じられます。貨車を盛んに入れ替えるので、専用線内で使用されているとはいえ本線を走るディーゼル機関車に近い性能があると推測されます。
青いD504が予備的な存在かと思っていますが、通常に稼働しています。NDD5601.5602が入る前にはD504の同系車があったらしく、移籍して現在は秩父鉄道の影森駅近くの専用線で入換に従事しています。

2022/04/21

東京地下鉄10000系(10114F)

東京地下鉄10000系は副都心線の開業に向けて新たに導入された車両です。2006年度から2009年度にかけて360両(10両編成36本)が製造されました。副都心線だけでなく、有楽町線でも使用される車両で7000系の未改造車を置き換えています。
先頭車は、非常用の貫通路を中央に配置し、先頭形状を大きくラウンドさせた形状になっています。ATO・ワンマン運転に対応する運転台は大きなもので、貫通路にかかる部分は斜めにして通路を確保しています。乗車していても、独特なレイアウトがよくわかります。
車内で特徴があるのが天井で、中央天井・空調ダクト・蛍光灯を一体化してモジュールを構成しています。このモジュールをアルミ合金のダブルスキン構体に取り付けることで天井高さは2.415mmとなり、従来の車両よりも100mm以上高くなっています。
写真の10114Fは2007年9月に日立製作所で完成したもので、10000系の2次車に相当します。車内表示器が新製当時の3色LEDから、セレクトカラーに換装されています。このため高速シャッタースピードで撮影しても文字が正確に読み取れます。

2022/04/20

小田急電鉄5000形(5056F)

小田急電鉄5000形は、2018年3月に完成した代々木上原ー登戸間の複々線化完成後はじめて導入された新型通勤電車です。「より広く、より快適に」をキーワードとして、魅力のある鉄道車両に仕上がっています。
軽量ステンレス製の車体は、スピード感のある前面デザインが目を引きますが、レーザー溶接工法を採用したことによって平滑に仕上がった側面も良い印象です。室内についてはフローリングをイメージした床面や、袖仕切り・荷棚をガラス製にしたことにより、より広く・快適だと感じられるものになっています。
列車情報管理装置はN-TIOSと呼ばれる次世代型に進化し、運転や保守・情報案内と幅広く活用されます。データの伝送系統も二重化し、信頼性も高めています。また客室内への防犯カメラや空気清浄機の装備も新形車両ならではです。
写真の5056Fは、2021年3月に川崎重工で完成したものです。2022年1月現在で5000形は90両(10両編成9本)が在籍しています。快速急行・急行のほか、各停などにも使用されています。 

2022/04/19

小田急電鉄3000形(3274F)

小田急電鉄の一般車の中で、もっとも利用する機会が多い車両はやはり3000形ということになります。在籍両数も346両と突出して多く、次ぐ多数派は4000形の160両となっています。編成も6両・8両・10両とがあります。また6両には他系列4両との併結で10両になることもあります。
一般車では従来の主流派であった2400形・2600形・先代4000形・先代5000形・5200形はほぼ同じデザインの正面で、現役の8000形・1000形・2000形も変更をしながらも通底する要素を感じます。しかし近年の3000形・4000形・5000形はデザインの面では非連続に思えます。
3000形は2次車、ついで3次車で標準化志向に大きく舵を切っています。しかしながらコストダウン一辺倒というわけではなく、低騒音化や室内での快適性などサービス改善にも相当な注意が払われていると感じます。
写真の3274Fは2006年2月に日本車両で完成したもので、3000形の6次車に相当します。LCD式の車内案内表示も全側扉上に配置されており、現代ならではの電車だという印象も強く感じられます。

2022/04/18

東京急行電鉄3000系(3002F)

東京急行電鉄3000系は2000年8月の目蒲線の運転系統変更による目黒線の開業に備えて専用車両として導入されたものです。営団地下鉄(当時)南北線と東京都営地下鉄三田線との相互直通運転の協定に則り、運転機器等の取扱を共通化しました。1999年から2001年にかけて78両(6両編成13本)が製造されました。
車体は軽量ステンレス製でビードのない平板で、艶消しの仕上げとなりました。先頭部は曲線デザインのFRP製です。車内の配色はピンク系の暖色でまとめられました。腰掛は片持ち式とし、座面が茶色、背面が赤色としています。側扉上部にはLED式案内表示を装備しました。
制御装置はIGBT-VVVFインバータ制御のVFI-HR2420E/SVF038-A0、主電動機は出力190kWのTKM-98・99、補助電源装置はIGBT-SIVのINV127-B0です。台車はTS-1019/TS-1020、集電装置はPT-7108B、冷房装置はRPU-11012H/HRB503-1を装備しています。
写真の3002Fは1999年4月にデハ3252・デハ3202・サハ3502、2000年8月にクハ3002・デハ3402・クハ3102が東急車輌で完成したものです。3両は3001Fに組み込まれ、8両編成で暫定的に東横線で使用されたあと、2000年8月に3002Fとして6両編成となり目黒線に投入されました。2020年9月には相鉄線への直通対応改造を完了しています。2023年3月の直通開始時には中間車を増結して8連化されるようです。

2022/04/16

小田急電鉄4000形(4056F)

小田急電鉄4000形は、「人と環境にやさしく故障に強い車両」をコンセプトとして、2007年度から2016年度にかけて160両(10両編成16本)を導入したものです。JR東日本のE233系をベースにしており、標準化を志向した車両です。
4000形の車体は軽量ステンレス製で、小田急の千代田線乗入れ用車両でははじめて非常用の貫通路を助手側にレイアウトしています。先頭部のデザインは貫通扉を含めて独特のデザインでまとめられています。
地下鉄乗入れ用のため、保安装置はOM-ATS、千代田線のCS-ATCに加え、D-ATS-Pの搭載準備工事が行われました。その後は千代田線のATO装置、JR常磐緩行線の保安装置を増設し、さらにワンマン運転用設備の搭載も進められています。
写真の4056Fは2007年12月にJR東日本新津車両製作所で完成したもので、4000形の1次車に相当します。小田急では初めて新津車両製作所で製作された車両で、その後4063Fが新津車両製作所で製作されました。

2022/04/15

相模鉄道11000系(11002F)

相模鉄道11000系は、5000系・7000系の代替を目的として2009年から2013年にかけて50両(10両編成5本)が導入されたものです。導入当時にはJR・東急線へ直通運転を行う際の標準車両と位置付けられていました。
車体はJR東日本のE233系と同様で車体幅も2.950mmと同一ですが、先頭部のFRPによる成型部分のデザインは独自性を出すために変えています。車内もクリームを基調とした内装や、バケットシートに大型の袖仕切はE233系と同じですが、化粧板や座席モケットは相鉄オリジナルです。
制御装置はIGBT-VVVFインバータ制御のST-SC86A、主電動機は出力140kWのST-MT75、補助電源装置はIGBT-SIVのST-SC86Aです。台車はST-DT71/ST-TR255系、集電装置はPT7103-E、冷房装置はST-AU726Aを装備しています。TIMSを備えるのもE233系と同様です。
写真の11002Fは2009年5月に東急車輛で完成したものです。その後の事情の変化により11000系は相鉄線内での運行となり、JR線には12000系、東急線には20000系・21000系が入ることになったのは周知の通りです。

2022/04/14

E231系800番代(ミツK5編成)

営団地下鉄(当時)東西線との相互直通運転に使用していた301系・103系1200番代の代替を目的として、2003年に70両(10両編成7本)が導入されました。三鷹電車区(現:三鷹車両センター)配置の中央・総武緩行線用のE231系0番台と部品などが共通ですが、800番代では地下鉄線内での所要性能を満たすため電動車比率を上げて6M4Tとなりました。
車体幅は東西線の車両限界に適合するため2.800mm幅のストレート車体となりました。また非常時用の貫通扉を助士側に設けています。そのため外観は千代田線直通用の209系1000番台に類似しています。識別帯は東西線に準じセルリアンブルーに、アクセントとしてインディゴブルーを配しています。
制御装置はIGBT-VVVFインバータ・停止電気ブレーキ付SC60C、主電動機は出力95kWのMT73、補助電源装置はIGBT-SIVのSC62Aです。台車はDT61/TR246系、集電装置はPS33B、冷房装置はAU726Aを装備しています。CS-ATCなど地下鉄東西線乗入れ装備を備えています。
写真のミツK5編成は、2003年5月に川崎重工で完成し、三鷹電車区に新製配置されたものです。2007年3月に地下鉄東西線の保安装置は従来のWS-ATCから新型のCS-ATCに変更されました。また当編成は2009年4月に改良型補助排障器に変更しています。

過去の記事から
209系1000番代(トタ82編成)
https://sanojiro.blogspot.com/2019/07/209100082.html

2022/04/13

小田急電鉄8000形(8065F)

小田急電鉄8000形は省エネルギー化・長寿命化、保守性の向上などを目指して導入されたものです。1982年から87年度にかけて7次に渡って160両(4両編成・6両編成16本ずつ)が製造されました。
車体修理によって室内も改修されており、腰掛はセミバケット化され、握り棒なども活用して着席区分を明確にしています。ドットLEDスクロール式の車内案内表示装置も装備しています。車体外部に目を転じますと戸袋窓は残っていますが、行先表示はLED化されています。
制御装置はIPM-VVVFインバータ制御のMAP-198-5V115A、主電動機はMB-5123-A、補助電源装置はIGBT-SIVのINV095-H1です。台車はFS516B/FS-016、集電装置はシングルアーム式のPT7113-B、冷房装置は10.500kcal/hのCU195B(1両につき4台)を装備しています。
写真の8065Fは1987年10月に日本車両で完成したもので、8000形の7次車に相当します。客室内の配色は新製当初から暖色系となっていました。2011年12月に車体修理と機器更新を完了しています。

2022/04/12

205系(ケヨ7編成)

京葉線で使用されていた205系電車は、2010年3月からE233系5000番代の新製投入が始まったことにより、まず2010年7月にケヨ11・12編成が2010年7月に10両全車が廃車され、置換えが始まりました。
京葉線の205系は1990年3月の東京ー新木場間の開業による全線開通にあわせて投入された120両(10両編成12本)と山手線へのE231系500番代投入により他線区から転入したグループがありましたが、京葉線における205系の営業運転は2011年7月に終了しました。
京葉線に新製投入されたグループについては、前面のデザインが新しいものになり、識別帯も赤14号という既存の205系にはないものとなりました。また最高速度も110km/hと快速運転を主体としていた当時の京葉線に適合性の高いものでした。
写真のケヨ7編成は1989年12月に川崎重工で完成したものです。京葉線での営業運転を終了してから、6両が2010年10月に廃車となり、4両が2013年3月に600番台に改造されてヤマY8編成となり東北本線・日光線で使用されました。

2022/04/11

205系(クラH14編成)

横浜線の205系の特徴は、1994年12月のダイヤ改正から26編成に6扉車を組み込んだことです。山手線で使用されていたサハ204形を設計変更したサハ204形100番代を26両製作し、増結により8両編成となりました。
205系ですが、既に209系が新製されていた時期でもあり、側扉の形状や車内外の標記類は209系と同様になっていました。台車についても205系本来のTR241系から209系と同様のTR246系に変更されました。冷房装置はAU722を装備しました。
ラッシュ時に収納できる折り畳み式ロングシートはサハ204形基本番台と同様ですが、TVモニタは省略されました。また新たに車椅子スペースが設けられていました。荷物棚の形状も使い勝手を考慮して変更されました。
写真のクラH14編成は、1988年12月に近畿車両で完成し蒲田電車区に新製配置されたものです。2号車のサハ204-114は1994年11月に近畿車両で完成したものです。1996年12月に大船電車区(現:鎌倉車両センター)の配置となりました。2014年8月に廃車となり、インドネシア譲渡となりました。

2022/04/10

小田急電鉄3000形(3267F)

小田急電鉄3000形は、小田急の一般車では最多製造両数、最長の製造期間となっています。中でも6両編成は、他系列の4両編成として10両編成を構成したり、6両編成単独で使用されたりと幅広く活躍しています。
江ノ島線の相模大野ー片瀬江ノ島間で運転される各駅停車もメインの活躍の場です。江ノ島線の各駅停車もこの記事が公開される頃には、藤沢で系統分割されていることになります。実際に藤沢でかなりの乗客が入れ替わっているように見えます。
制御装置はIPM-VVVFインバータ制御、補助電源装置はIGBT-SIVです。台車はボルスタレス台車TS-1026/TS-1027、集電装置はシングルアーム式のPT7113-B、冷房装置は50.000kcal/hの集中式CU710を装備しています。
写真の3267Fは2004年10月に東急車輌で完成したもので、3000形の4次車に相当します。4次車では、車内案内表示装置がLCD1画面に変更されました。すべての側扉に設置されたのではなく、千鳥配置となっております。

2022/04/09

小田急電鉄5000形(5055F)

小田急電鉄5000形は2019年度から導入が始まった最新の一般車です。地下鉄への乗入れは行わず、自社線内だけで運転する車両ですが、3000形とも4000形ともまったく雰囲気が異なる車両となりました。
一般車では初めて先頭部が流線形となり、スピード感の感じられるデザインとなりました。前面の発光部は尾灯として使用する際には特に目立ちます。車体幅2.900mmで裾絞り形状の拡幅車体を採用したことにより、車内空間にもゆとりがあります。
制御方式はVVVFインバータ制御ですが、小田急で初めて採用した1000形に比較すると制御装置は体積比で15.3%、重量比で13.5%と機器が大幅に小型・軽量化されています。いっぽうで電力効率は30%以上改善されています。
写真の5055Fは2021年1月に川崎重工で完成したものです。一般車ながらスピード感を強調したデザインで快速急行や急行にうってつけの5000形ですが、近年10両編成での運転が増えている各駅停車にも使用されています。

2022/04/08

東京地下鉄8000系(8104F)

半蔵門線用の8000系は、1980年度から1994年度にかけて190両(10両編成19本)が導入されたものです。2015年度に全編成の大規模修繕と制御装置更新が完了しました。2021年度から後継となる18000系の導入が始まり、営業運転を外れる編成が出ています。
車体は6000系・7000系の延長線上にあるアルミ車体ですが、前照灯の形状や縁取りをしているのでよりシャープな印象を受けます。側窓は一段下降式です。車内はアイボリー系の色調でまとめられ、明るい印象となりました。
製造当初の制御装置は7000系で採用されたAVFチョッパ制御を改良し、サイリスタ素子の冷却をフロン沸騰方式としたものでした。また主電動機は7000系と同じく160kWをM車1台につき4機装備しました。またボルスタレス台車(SS101)を装備しました。
写真の8104Fは、8104~8404・8904・8004の6両編成で1981年3月に近畿車両で完成、8504・8804は1981年9月に東急車輌で完成したものでいずれも1次車に相当します。8604・8704は1994年8月に日本車両で完成したもので7次車に相当します。2010年11月に大規模修繕と制御装置更新を完了しております。

2022/04/07

東京急行電鉄5050系4000番代(4110F)

東京急行電鉄では5050系の増備を進めるにあたり、4110Fを特別仕様車両「Shibuya Hikarie号」として導入しました。外装と内装を商業施設「渋谷ヒカリエ」をイメージした特別な仕様としたものです。
車体にはラッピングが施され、「渋谷ヒカリエ」をイメージしたゴールドをメインカラーとしています。車内の色調は三つのバリエーションがあります。例えば5・7号車は「シック」をキーワードとしてまとめられています。
制御装置は、IGBT-VVVFインバータ制御のVFI-HR2820L/VHI-HR1420W、主電動機は出力190kWのTKM-99A、補助電源装置はIGBT-SIVのINV146-D2です。台車はTS-1019A/TS-1020A、集電装置はPT7108-D、冷房装置はHRB504-2Aを装備しています。
写真の4110Fは2013年4月に総合車両製作所で完成したものです。前照灯は当初からLEDを採用し、従来のHIDに比較して省電力化と長寿命化が図られました。また車内無線LAN(WiFi)の試験サービス用機器を設置しました。

2022/04/06

小田急電鉄4000形(4054F)

小田急電鉄4000形は東京メトロ千代田線・JR東日本常磐緩行線乗入れに主に使用される車両で、2007年度から2016年度にかけて5次に渡って160両(10両編成16本)が導入されたものです。
JR東日本のE233系をベースにしており相互直通運転をしている常磐緩行線のE233系2000番台と側面は非常に良く似ています。反面、先頭部はオリジナルデザインで小田急の他形式と比べても独特のデザインとなっています。
制御装置はIPM-VVVFインバータ制御装置MAP-198-15V172で、主電動機は190kWの全密閉式誘導電動機MB-5123-Aを搭載しています。10両編成で6M4Tとなり全電動車がユニットを組んでいるのもE233系と共通し、小田急の他形式とは異なる点です。
写真の4054Fは2007年9月に東急車輌で完成したもので、4000形の1次車に相当します。1次車の車内案内表示装置は当初15インチ1台でしたが、17インチワイド2台に改修されています。また前照灯もLED化されています。
 
過去の記事から
E233系2000番台(マト4編成)
https://sanojiro.blogspot.com/2019/08/e23320004.html

2022/04/05

EF64形1000番代(1022号)

EF64形1000番代は、上越線の勾配が連続する区間を走行するEF58・15・16形の置換えを目的として、1979年から82年にかけて53両が導入されたものです。EF64形を基本としながら高出力、高粘着性能、安定性に優れた抑速発電ブレーキを確保し、保守省力化対策を導入して大幅に設計変更しています。
車体はEF81形と同様の寸法となり、全長・幅共にEF64形より大きくなりました。機械室を仕切戸を用いて三分割し、搭載機器を機能別に分散配置しました。これは雪・塵芥の侵入を防止し、騒音の低減を図るためです。
車軸配置はB-B-B、重量は運転整備状態で96トンです。主電動機は出力425kWのMT52Bを6台搭載しています。両端台車はDT138A、中間台車はDT139Aです。集電装置はPS22C、列車暖房装置としてSIVのSC14を装備しました。
写真の1022号機は1981年9月に東洋電機・川崎重工で完成し、長岡運転所に新製配置されたものです。八王子機関区・高崎第二機関区(JR貨物に継承)を経て、2010年3月に愛知機関区に転属しました。愛知機関区とはかつての稲沢機関区です。

2022/04/04

E257系500番代(マリNB10編成)

房総地区の特急列車で255系と併用されていた183系・189系の老朽置換え用として、E257系500番代が2004年から2005年にかけて95両(5両編成19本)が導入されました。中央本線用のE257を基本に、3M2Tの5連モノクラス編成としています。
車体はアルミ合金製のダブルスキン構体を採用しています。多客時には2編成を連結して10両編成で運転するため、先頭車は貫通構造として電気連結器も備えています。また外装・室内ともカラーリングは房総をイメージしたものです。
制御装置はIGBT-VVVFインバータ制御のSC78/SC79、主電動機は出力145kWのMT75B、補助電源装置はIGBT-SIVのSC80です。台車はDT64/TR249系、集電装置はPS37、冷房装置はAU302Aを装備しています。ブレーキはTIMSを介して制御されます。
写真のNB10編成は2004年9月に日立製作所で完成したものです。2010年9月にスカートを改良型に交換しています。房総特急の削減により余剰となり、2021年7月に秋田総合車両センターで波動輸送用の5500番代に改造されオオOM-53編成となりました。

2022/04/03

小田急電鉄3000形(3262F)

小田急電鉄3000形は346両(6両編成27本・8両編成8本・10両編成12本)と、小田急の一般車としてはダントツの多数派を形成しています。3000形に続くのは、1000形(ワイドドア車を除く)・4000形・8000形で160両ずつ製造されました。
車体は軽量ステンレス製で、側扉幅1.300mm・側扉間3.520mmの標準仕様寸法とし、戸袋窓を廃止しています。車内は腰掛を片持式のバケットタイプとし、袖仕切を大型のものにしています。
制御装置はIPM-VVVFインバータのMAP-196-15V96を採用しています。台車は軸梁式ボルスタレス台車TS-1026/TS-1027を装備しています。制動方式は電気指令式電空併用制動ですが、他形式との併結のためブレーキ読換装置を搭載しております。
写真の3262Fは、2003年6月に川崎重工で完成したもので、3000形の2次車に相当します。2次車としては後期に製造されたグループで、冷房装置の能力を50.000kcal/hに増強し、補助電源装置の出力も140kVAに増強しています。

2022/04/02

小田急電鉄70000形(70052F)

小田急電鉄70000形は、7000形の導入から37年を経過しサービスレベルの面で相対的に陳腐化している面もあることから、代替の新型車として導入されたものです。居住性・眺望性・機能性など、あらゆる面でサービスレベルの改善が図られています。
70000形の車体は軽量アルミ製のダブルスキン構造で、大型化されたガラスが非常に目立ちます。屋根もレッド系にカラーリングされ、床下機器をカバーするスカートも特別な車両であることを演出しています。
制御装置もSiC素子を用いたVVVFインバータ制御と最新のものです。制動方式は電気指令式で回生ブレーキを積極的に使用し、省エネルギー性も高めています。またバリアフリー・セキュリティ面の改善が図られているのも現代ならではの車両です。
写真の70052Fは、2018年6月に日本車両で完成したものです。コロナ禍が長引く中でロマンスカーの運用も減少傾向にあるようです。50000形が引退するといっても、70000形がすぐに増備されるわけではなさそうです。

2022/04/01

小田急電鉄70000形(70051F)

小田急電鉄70000形は、長きにわたって使用された7000形の代替となるロマンスカーです。主に箱根方面に運用されるもので、伝統の展望席を設けていますが50000形までの連接車ではなくボギー車とし、4M3Tの7両編成で定員400名を確保しています。
車体はアルミ合金のダブルスキン構造を採用し、ローズバーミリオンを主体色としています。側窓の高さは1mもあり、非常に窓の大きさが目立ちます。車内もバリアフリー対応が進化するともに快適性も大きく向上しています。
制御方式はSiC2 PWM制御IGBT-VVVFインバータ制御、補助電源装置はIGBT-SIVを採用しております。台車はボルスタレス空気バネ台車NS-101/NS-101Tを装備しています。列車情報管理装置TIOSを備え、制動・案内表示など多岐に渡って用いられております。
写真の70051Fは2018年1月に日本車両で完成したものです。50000形の更新が断念され、2023年度の引退が公表されておりますので、2編成の70000形が小田急のフラッグシップ的な役割を担っていくことになりそうです。

過去の記事から
小田急電鉄7000形〈7003F〉
https://sanojiro.blogspot.com/2013/01/70007003f.html
小田急電鉄50000形(50002F)
https://sanojiro.blogspot.com/2018/08/5000050002f.html