2018/12/31

東急大井町線6020系(6121F)

東急大井町線の6020系電車2編成に、座席をロングシートと進行方向向きに変換できる車両1両が組み込まれました。これは、12月14日から平日夜の大井町ー長津田間の急行5本で行われる有料座席指定サービス「Q SEAT」に充当するためです。
JR東日本のグリーン車や特急、小田急ロマンスカーにも通勤ニーズに応える列車があります。東武東上線のTJライナーは、通勤型電車による有料の座席指定の列車です。東急では有料の座席指定サービスは初の試みとなります。
生活の手段とはいえ、通勤もけっして楽なものではありません。直通運転が増えたことで、列車の遅れも増えました。少々お金を出してでも、ゆっくりと座って帰りたいという向きもあろうかと思います。
写真の6121Fは、2018年1月に総合車両製作所横浜事業所で完成したものです。2018年10月に二代目デハ6321が完成し、初代デハ6321は改造のうえ2020系2126Fに組み込まれました。編成中に1両だけオレンジの車両があるのは目立ちますね。
【撮影:佐野次郎 2018.12.23 等々力ー尾山台間】

過去の記事から
東急大井町線6020系(6121F) 「Q SEAT」組込み前
https://sanojiro.blogspot.com/2018/10/60206121f.html

2018/12/30

東急大井町線2000系(2003F)

時事ネタというか旬の話題にはそれほど関心のない当ブログですが、東急大井町線で2000系が営業運転を開始したというので、撮影に出かけてきました。運用を調べたりもしていませんでしたが、目的通りに撮影することができました。
2000系は、大井町線の主力である9000系電車とよく似た車両です。もともとは東横線で15編成が使用されていた9000系に対して、2000系は田園都市線・東京メトロ半蔵門線で3編成が使用されていた少数派です。
2000系は東武線には直通しない限定運用でしたので、田園都市線でも撮影の難しい車両でした。新形2020系の投入により、限定運用の2000系・8590系が田園都市線からまず姿を消すことになります。
写真の2003Fは1993年5月に東急車輛で完成したものです。車内更新などの転用改造を終えて2018年11月から大井町線で営業運転を開始しました。2003Fの大井町線転用により、8500系の8639Fが運用を退きました。
【撮影:佐野次郎 2018.12.23 等々力ー尾山台間】

2018/12/24

東京メトロ千代田線6000系(6116F)

東京メトロ千代田線の6000系電車が2018年10月5日に営業運転を終了しました。そのあと10月13日から11月11日の土休日限定で綾瀬~霞が関間で1日1往復の特別運転を行ってから完全引退したわけです。
6000系は1968年に一次試作車が完成してから、営団地下鉄千代田線の主力車両として、1990年の7次量産車まで353両(10両編成35本・3両編成1本)が製造されたものです。先進的な技術の採用により、長期の使用に充分対応できる車両となりました。
同時期に製造された国鉄の通勤電車は、103系→201系(203系)→205系と移行していますので、6000系の技術がいかに進んでいたか、想像できるのではないかと思います。普通鋼製・抵抗制御の103系から6000系の水準に近づいていく歴史とも捉えらえるわけです。
写真の6116Fは、1972年8月に川崎重工で完成したものです。1993年8月に冷房改造、1995年8月に制御装置のVVVFインバータへの更新を行いました。2016年8月に廃車となり、インドネシアに譲渡となりました。
【撮影:佐野次郎 2011.1.8 豪徳寺駅】

過去の記事から
千代田線6000系〈6109F〉
千代田線6000系(6121F)
千代田線6000系〈6126F〉
千代田線6000系(6128F)

2018/12/23

東武鉄道50070系(50071F)

私にとって身近な鉄道といえば、第一に最寄り駅のあるJR根岸線、次いで通勤で利用する東海道線、近所の京急線・みなとみらい線・東急東横線といったところです。東武・西武・京成などは比較的距離がある印象でした。
ところが近年の路線の整備と相互直通運転の充実により、意外な車両が近場で撮影できるようになりました。東横線に東武・西武・東京メトロの車両が入ってくるようになりましたので、横浜市内で東武の電車を撮影できるわけです。
東横線も平成のはじめとはすっかり様変わりしております。桜木町~高島町~横浜間は廃線となり、ターミナルとしての貫禄充分だった渋谷駅も地下に移設されました。そしてみなとみらい線の開業も大きな変化でした。
写真の50071Fは、50070系の第一編成で2007年4月に日立製作所で完成したものです。50070系は70両(10両編成7本)が在籍しております。東横線では特急・通勤特急・急行として運用されます。
【撮影:佐野次郎 2018.7.14 白楽ー妙蓮寺間】

2018/12/22

東武鉄道6050系(6159F)

私は鉄道ピクトリアル誌を2001年10月号から毎月購入しておりますが、最新の2019年2月号の特集は、「東武鉄道6050系」であります。月刊誌としてはニッチな題材を特集したと思いますが、興味深く読んでいるところです。
東武鉄道6050系は、1964年に登場した2扉・クロスシートの6000系の車体を更新して、1985年から86年にかけて44両(2両編成22本)を製作したものです。さらに新製車16両(2両編成8本)が1988年にかけて製作されました。
首都圏では貴重な乗車券だけで利用できるクロスシートの電車ということになります。私も学生の頃、日光まで出かけるために浅草から利用しました。確か1991年のことでしたので、新しくてきれいな電車だなあなどと思いながら利用したのを覚えております。
写真の6159Fは、1986年3月にアルナ工機で完成したものです。6050系は、2017年4月のダイヤ改正で、快速・区間快速が廃止されたことにより浅草には乗り入れなくなりました。500系の特急「リバティ」に道を譲り、日光・鬼怒川線内での運転に従事しています。
【撮影:佐野次郎 2011.10.9 せんげん台ー大袋間】

過去の記事から
東武鉄道500系(505F)
野岩鉄道6050系(61103F)
東武鉄道6050系(6170F)

2018/12/15

東武鉄道100系(104F)

私は通勤に、京浜東北・根岸線と東海道線を利用していますが、用事で他の路線を利用しますと、想像以上の混雑に驚くこともあります。例えば、夕方ラッシュ時の総武快速線の下り列車の混雑も相当なものだと思います。
そんな中で、料金を追加しても着席して帰宅したいというニーズは相当あると思います。JR東日本では、グリーン車の利用も相当伸びているでしょうし、帰宅時の利用を取り込む特急の設定も見られます。
といいましても、特急の設定で普通列車が減って、ますます混雑が激しくなるのは困ります。長時間・長距離の通勤に加えて、混雑が加われば疲労がより蓄積します。私個人の意見では、高速バスが着席ニーズをある程度吸収するのが理想的だと思っています。
写真の104Fは、1990年5月にアルナ工機で完成したものです。東武鉄道の100系は、小田急電鉄の50000形・60000形・70000形と並んで特急としての貫禄充分です。平素の混雑ではなく、休息や記念のための旅行などにふさわしい車両ではないでしょうか。
【撮影:佐野次郎 2011.12.4 せんげん台ー大袋間】

2018/12/09

東武鉄道100系(102F)

鉄道写真を趣味としている者にとって、あこがれの被写体といえば、SL・ブルートレイン・特急列車が代表的なところでしょうか?昨今では、ブルートレインは全滅し、特急列車も新幹線の延伸や高速バスの発展によって減少傾向にあります。
私鉄の中で特急らしい特急電車を運行しているのは、近鉄・名鉄・小田急・西武と東武といったところでしょうね。浅草と日光・鬼怒川温泉を結ぶ特急は東武鉄道の看板列車としての伝統を保っていると思います。
私も子供の頃、家族旅行で鬼怒川温泉に行きましたが、乗車したのは1720系でした。鮮明な記憶があるわけではありませんが、0系の新幹線よりも快適だったように思います。その1720系の後継が100系「スペーシア」です。
写真の102Fは、1990年3月に東急車輌で完成したものです。100系は1990年から91年までに54両(6両編成9本)が製造されました。既に四半世紀活躍を続けていますが、現在でも古い車両だという印象はありません。入念な保守が施されているものと思われます。
【撮影:佐野次郎 2018.4.29 せんげん台ー大袋間】

東武鉄道50050系(51061F)

東武鉄道の電車のカラーには、京急の赤や阪急のマルーンのような統一したものはないようです。近年の新型車両ではむしろ路線にあわせたカラーを取り入れることでイメージを高める戦略と思われます。
2004年に東上線の50000系から投入が始まった本系列ですが、東武鉄道の通勤型電車としては初めてアルミ製の車体を採用し、シャイニーオレンジをアクセントのカラーとしています。
従来の東武鉄道の地下鉄乗入れ用の車両は、同時期に製造されていた標準型の車両と仕様がずいぶん異なっていましたが、地下鉄乗入れ用の50050系・50070系では50000系と仕様の共通化が進んでいます。
写真の51061Fは、2009年1月に日立製作所で完成したものです。50050系は、伊勢崎・日光線から東京メトロ半蔵門線・東急田園都市線に乗り入れる車両で、2005年度から2009年度にかけて180両(10両編成18本)が製造されました。
【撮影:佐野次郎 2018.4.29 せんげん台ー大袋間】

過去の記事から
東武鉄道50000系(51001F)
東武鉄道50000系(51008F)
東武鉄道50070系(51076F)
東武鉄道50090系(51096F)

2018/12/02

東武鉄道20000系(21852F)

東武鉄道は2000系に代わる日比谷線直通用車両として、20000形を1988年から92年にかけて104両(8両編成13本)を製造したあとで、前後2両の乗降扉を5扉に増設した20050形を1992年から94年にかけて64両(8両編成8本)製造しました。
20050形が登場した頃というのは、いわゆるバブル崩壊の真っただ中ではありましたが、現在に比べればいろいろな意味でゆったりした時代だったと思います。パソコンもネットも携帯もなく、カメラもフィルム式だった頃でしょう。
ただ社会の活力は旺盛でもあり、路線の整備途上でしたので通勤電車の混雑も激しく、乗降扉を増やして乗降時間の短縮が目指されました。20050形で両端2両を5扉にしたのは、日比谷線にはホームの両端に出入口がある駅が多かったからです。
写真の21852Fは、1993年1月に東急車輌で完成したものです。営団地下鉄でも同時期に両端の2両を5扉車にした03系を製造しました。昨今ではホームドア導入に支障となるため、多扉車はほとんど姿を消しておりますね。
【撮影:佐野次郎 2018.4.29 せんげん台ー大袋間】

東京メトロ日比谷線03系〈03120F〉

東武鉄道20000系(21803F)

早いもので2018年も12月を迎えました。ここ数年は撮影へ出かける回数も減り、一日一鉄どころか、一月一鉄も怪しい有様でしたが、本年は月数回撮影する月もあり鉄道趣味に関してはあるべき姿に近づいたと思っています。
平成30年ともなると、自分の感覚では新しいと感じている車両の中にも、置き換えられていく車両が増えてきます。東武20000系もその一つです、1988(昭和63)年に登場した形式ですが、新型70000系への代替が進んでいるところです。
70000系への代替は、日比谷線で従来の車体長18m・3扉・8両編成を、20m・4扉・7両編成に代替し、あわせてホームドアを導入するためですが、20000系の前任の2000系は普通鋼製・非冷房だったので、20000系がずいぶんと近代的な電車に思えたものです。
写真の21803Fは、1989年1月にアルナ工機で完成したものです。70000系によって置き換えられた20000系は、短編成化・リニューアルされて日光線・宇都宮線で使用されます。東京メトロでは、13000系によって03系の置換えを進めています。
【撮影:佐野次郎 2018.4.29 せんげん台ー大袋間】

過去の記事から
東武鉄道70000系(71702F)
東京メトロ日比谷線03系(03106F)
東京メトロ日比谷線13000系(13101F)

2018/11/27

東急池上・多摩川線7700系(7901F)

東急池上・多摩川線で使用されていた7700系7901Fが、11月26日に所属の雪ケ谷検車区から長津田車両工場まで回送されました。東急の車両としては廃車になったあと、養老鉄道に譲渡されるのでしょう。
7700系はご存じの通り、1962年から66年にかけて主に東横線の日比谷線直通用に製造された7000系電車を1987年から90年にかけてVVVFインバータ制御に改造してできた電車です。
2002年に編成替えに伴う余剰車が十和田観光電鉄に譲渡されたのち、2010年9月に7915Fが7000系の投入によって廃車となってから、編成単位での廃車が始まりました。最後の一本となった7901Fは11月24日にさよならイベントが実施され、池上線・多摩川線を走行しました。
7901Fは1966年10月に東急車輌で製造されたデハ7064、1964年3月に製造されたデハ7113・7114、1966年3月に製造されたデハ7045を1987年7月に7700系に改造したものです。3連化により余剰となった旧デハ7113のサハ7951は2001年11月に廃車となっています。
【撮影:佐野次郎 2013.1.1 御嶽山ー久が原間】

過去の記事から
東急池上・多摩川線7700系(7910F) クラシックスタイル
東急池上線・多摩川線7700系(7914F) 歌舞伎顔
東急池上・多摩川線7700系〈7915F〉 先頭車化改造車

2018/11/22

鮭のホイル焼き

11月22日は、いい夫婦の日ということであります。テレビ・ラジオなどでさまざまな夫婦のあり方やエピソードが取り上げられていたようです。まさに人それぞれ、夫婦の数だけそのあり方やエピソードがあるものだと思います。
私が結婚したのは2014年、既に40代半ばでしたが、食生活と趣味には大きな変化があったと思います。端的にいえば、規則正しい生活への回帰とお小遣い制による変化です。
食生活は、カレーに偏っていたところを魚が大幅に増え、バランスの良い食生活になりました。そしてお小遣い制により、鉄道書やカメラに関する備品の購入、撮影の交通費にも枠ができましたが、逆に鉄道書をよく読むようになったと思います。
料理はもともと好きでしたが、結婚後もちょくちょく作っています。写真の鮭のホイル焼きは我が家の定番料理の一つです。玉ねぎを敷いて、鮭に酒・コショー・バターをまぶして、きのこを和えます。気軽に美味しく健康的なおかずができあがります。

2018/11/18

小田急電鉄3000形(3271F)

小田急電鉄3000形は、長く活躍してきた「小田急顔」の2600形・4000形・5000形・5200形、初代千代田線直通用の9000形が置換えの時期を迎えたために導入された車両で、コスト削減と環境負荷の軽減を目指して2001年度から製造されています。
車体は軽量ステンレス製ですが、2600形以来の裾絞りをやめ、直線となりました。また前面は非貫通としています。車内は色調も明るく、出入口の内側もステンレスむきだしではなく化粧板が張られているので、寒々とした感じはありません。
制御装置は、IPM素子を用いたインバータ制御で、出力180kWの三相誘導電動機を駆動します。制動装置は電気指令式で、台車はボルスタレス式空気ばね台車(TS-1026/TS-1027)を装備しています。冷房装置は小田急でははじめて集中式を採用しました。
写真の3271Fは、2005年5月に川崎重工で完成したもので、3000形の5次車に相当します。3000形は2018年4月現在で、334両(10両編成6本、8両編成14本、6両編成27本)が在籍しています。
【撮影:佐野次郎 2018.11.6 百合ヶ丘ー読売ランド前間】

2018/11/17

小田急電鉄2000形(2051F)

小田急電鉄2000形電車は、各駅停車の8両編成化によって乗降時間の短縮と着席定員の増加を図るため、1994年度から2002年度にかけて72両(8両編成9本)が導入されました。1000形を基本としつつ、環境への影響を考えて改良を加えています。
車体は1000形と同様に軽量ステンレス製で、共通の部材を使用しています。出入口の幅は、運転台の直後を除いて1.600mmと広げられ、乗降時間の短縮に配慮しています。また新製当初から先頭車の車端部に車いす用のスペースを設けています。
制御装置は、IGBT素子を用いたVVVFインバータ制御で、主電動機は出力175kWの三相誘導電動機を装備しています。小田急の一般車では初めて電気指令式空気ブレーキを備え、台車はボルスタレス式空気バネ台車(SS143/SS043)を装備しました。
写真の2051Fは、1995年1月に日本車輌で完成したもので、2000形の1次車に相当します。2009年2月には種別・行先表示器をフルカラーLED式に換装しています。当初は窓にカーテンがありましたが、遮光ガラスに換装されたために撤去されました。
【撮影:佐野次郎 2018.11.6 百合ヶ丘ー読売ランド前間】

2018/11/11

小田急電鉄1000形(1055F)

小田急電鉄1000形は、1987年度から92年度までに160両(4連19本・6連6本・8連1本・10連4本)が、各停の8連化と9000形による千代田線直通運転代替を目的として製造されました。
車体は軽量構造のオールステンレス製となり、車体幅は千代田線の限界に準拠しつつ裾絞り形としています。窓配置は8000形と同様で、戸袋窓と妻窓を設けています。車内の配色は、8000形の後期製造車から採用された暖色系としています。
制御装置はGTOサイリスタによるVVVFインバータ制御で、主電動機は出力175kWの三相誘導電動機を装備しています。台車は空気バネ台車(FS534/FS034)を装備し、冷房装置は集約分散式を採用しました。
写真の1055Fは、1988年2月に日本車輌で完成したもので、4連の1次車に相当します。1000形は現在更新修繕が行われ、車内設備のリニューアルと制御装置の更新が行われています。更新修繕が行われた編成は、行先表示もオリジナルスタイルの幕式からLED方式へ換装されています。
【撮影:佐野次郎 2018.11.6 百合ヶ丘ー読売ランド前間】

2018/11/10

小田急電鉄8000形(8064F)

小田急電鉄8000形は、1982年度から87年度にかけて160両(6連・4連各16本)が省エネルギーと保守の容易さ、長寿命をめざして製造されたものです。小田急の通勤電車では唯一全面に塗装を施している形式となっています。
8000形の車体は普通鋼製ですが、長寿命化を目的として屋根板・床板はステンレス製としています。側窓は一段下降式ですが、雨水の侵入を防ぐため、下部の水受けをアルミ製の一体構造にする工夫がされています。
制御装置は界磁チョッパ制御を採用し、安定した回生ブレーキ力を得るために電空演算ブレーキを採用しました。現在では8251Fと8255Fの6連2本を除いて、制御装置はVVVFインバータ制御に換装され、制動装置は電気指令式に変更されています。
写真の8064Fは1987年2月に東急車輌で完成したもので、4連の4次車に相当します。2009年7月に小田急車両工業で、車体修理と制御装置の更新工事を完了しています。小田急では最古参である8000形の後継車両も近いうちに具体化していくのでしょうか?
【撮影:佐野次郎 2018.11.6 百合ヶ丘ー読売ランド前間】

2018/11/04

地方私鉄1960年代の回想

少子高齢化の進行と、東京一極集中と表裏一体となっている地方の人口減少により、ローカル線の経営環境は厳しさを増す一方です。廃線となる路線もありますし、JR北海道のように会社自体の苦境が伝えられるところも出てきました。
今から約半世紀をさかのぼる1960年代には、現在では考えられないようなところに多くの地方私鉄が走っていました。この上下巻の写真集には、当時の地方鉄道の姿がしっかりと記録されています。車両だけでなく背景が多く記録されているのがいいです。
自動車の普及により、これらの地方鉄道のほとんどは姿を消してしまいましたが、貴重な記録を写真集として手にできることはうれしいことです。まさに鉄道書の醍醐味を味わえる写真集だと思います。
これからの日本の鉄道は、リニアや新幹線、通勤電車、LRTなどが主役として進化していくことになるでしょう。自動車については、内燃機関から電気へ、個人所有からシェアリングへと革命的な変貌を遂げていくのかもしれませんね。

2018/10/28

東急大井町線6020系(6121F)

東急大井町線の急行は、激しい混雑の続く田園都市線のサブルートとして、2008年3月に運転を開始し、専用の6000系電車が投入されました。2009年7月には溝の口まで延長し、2018年3月には利用増を受けて6020系2編成が導入されました。
6020系は田園都市線の2020系とほぼ同一仕様の車両で、7両編成で投入されました。既存の6000系6編成についても従来の6両編成から、中間車1両を新製して7両編成に増結されました。
田園都市線の2020系は10両編成、大井町線の6020系は7両編成ですが、他にも東急では8両・6両・5両編成があります。2020系・6020系とも編成の変更に際して、機器配置の変更をせずに済むよう考慮した設計がなされています。
写真の6121Fは、2018年1月に総合車両製作所横浜事業所で完成したものです。早くも写真の姿から変化しており12月に有料着席サービス「Q-SEAT」を導入するため、デハ6321号を新製の座席可変車両に差し替え、旧6321号を2326号に改造し、2020系2126Fに組み込んでおります。
【撮影:佐野次郎 2018.9.23 等々力ー尾山台間】

2018/10/27

東急大井町線8500系(8640F)

大井町ー二子玉川・溝の口間を結ぶ東急大井町線では、20両(5両編成4本)の8500系電車が使用されています。その他、9000系75両(5両編成15本)、6000系42両(7両編成6本)、6020系14両(7両編成2本)が使用されています。
各停が8500系・9000系、急行が6000系・6020系によって運転されています。大井町線は、ラッシュ時だけでなく土日祝日の日中も混雑している印象があります。沿線から自由が丘や大岡山・二子玉川に向けて多くの定期券外利用があるのではないでしょうか?
大井町線では少数派の8500系ですが、田園都市線に2020系が投入されたことで少数派の2000系が捻出され、5連に短縮されて大井町線に転用されます。3編成が転用されることになると思われますので、大井町線8500系の動向が気になります。
写真の8640Fは、1986年12月に東急車輌で完成したものです。田園都市線で8641Fと5+5両編成で使用されました。2003年に大井町線に転用されました。9000系の9001Fよりも後の完成でありますが、2000系の転入でどう処遇されるのでしょうか?
【撮影:佐野次郎 2018.9.23 等々力ー尾山台間】

過去の記事から
東急東横線9000系(9001F)

2018/10/14

東京メトロ南北線9000系(9118F)

東京メトロ南北線の9000系は、1991年の駒込ー赤羽岩淵間の部分開業にあわせて登場した形式で、路線の延伸にあわせて段階的に増備が行われました。輸送力増強を目的として2009年度に増備された5次車2編成を含めて、6両編成23本が製造されました。
車体は東西線の05系などと同じく軽量アルミ製です。南北線ではワンマン運転を行うため、AI機能を持ったATO装置を備えています。ワンマン運転用の機器の装備に対応するため乗務員室が拡大されました。
制御装置は、VVVFインバータ制御で、1次車はGTO素子、2次車以降はIGBT素子を用いたものに移行しました。主電動機は出力190kWの誘導電動機で、曲線と勾配の多い南北線での使用に耐えうる出力が確保されました。
写真の9118Fは、2000年4月に日本車輌で完成したもので、目黒ー溜池山王間の延伸開業に備えて増備された4次車に相当します。9000系は1・2次車を対象にリニューアルが進んで少し外観に変化がありますが、私としてはオリジナルスタイルが好みです。
【撮影:佐野次郎 2018.9.23 奥沢ー大岡山間】

過去の記事から
東京メトロ南北線9000系(9101F)1次車
https://sanojiro.blogspot.com/2013/03/90009101.html
東京メトロ南北線9000系(9107F)1次車・リニューアル済
https://sanojiro.blogspot.com/2018/10/90009107f.html
東京メトロ南北線9000系(9112F)3次車
https://sanojiro.blogspot.com/2010/06/90009112f.html
東京メトロ南北線9000系(9122F)5次車
https://sanojiro.blogspot.com/2010/06/90009121f.html

2018/10/13

東京メトロ南北線9000系(9107F)

東京メトロ南北線の9000系電車のうち、1991~92年度に完成した1次車と1995年度に完成した2次車を対象に、2015年度から大規模改修と制御装置の更新が行われています。近年の新造車に準じた装備を取り入れました。
車体はラインカラーの帯をウェーブデザインに変更したことがまず目につきます。車内は車端部のクロスシートを撤去し、座席はすべてロングシートになりました。17インチの液晶画面による情報案内装置が出入口上に設けられました。
VVVFインバータ制御装置は当初のGTO素子のものから、フルSiC素子を用いた新型に更新されました。主電動機も出力225kWの誘導電動機に換装しています。主電動機の増強により6両編成で4M2Tから3M3Tに電動車比率を下げております。
写真の9107Fは、1991年8月に川崎重工で完成したものです。新製当初は4連でしたが、1992年6月に同じ川崎重工で中間車2両が完成し、6連化されました。2017年3月に大規模改修と制御装置の更新を完了しました。
【撮影:佐野次郎 2018.9.23 奥沢ー大岡山間】

2018/10/10

東急田園都市線2020系(2123F)

2018年3月に、東急田園都市線では2002年の5000系以来、久々の新型車両である2020系が営業運転を開始しました。2009年4月に5000系の5121Fが新製投入されてから、田園都市線には新しい編成が入っていなかったことになります。
2020系の車体は、総合車両製作所が開発した「sustinaS24シリーズ」を採用しております。基本設計や主要機器はJR東日本のE235系電車と共通化し、量産効果によるコストダウンを図っています。
主要機器については、Sic素子を採用したVVVFインバータ、オイルフリー空気圧縮機、列車情報管理装置「INTEROS」、電気式戸閉装置など東急電鉄では初採用となる機器を多く装備しています。
写真の2123Fは、2018年2月に総合車両製作所新津事業所で完成したものです。2020系は2127Fまでの7編成が完成し、まずは2000系が大井町線に転用されることになりました。今後はどの編成が置換えの対象となるか注目されるところです。
【撮影:佐野次郎 2018.7.1 すずかけ台ーつくし野間】

過去の記事から
東急田園都市線2020系(2121F)
東急田園都市線2000系(2001F)

2018/10/09

東急田園都市線5000系(5115F)

田園都市線5000系は、2002年から2008年にかけて22編成が製造されました。東横線に4編成が転用され、現在では180両(10両編成18本)が長津田検車区に配置されています。当初は更なる増備が計画されていたようです。
5000系の車体は軽量ステンレス製で、東急車輌(当時)とJR東日本が共同開発したE231系と基本的な構造は同じです。コーポレートカラーの赤帯と、路線カラーの緑帯を巻いています。シートモケットや床材は清涼感を演出するため青系統の色としています。
主制御装置はIGBT-VVVFインバータ制御を採用しています。10両編成で5M5Tとし、台車はボルスタレス台車を装備しております。また車内には14インチ液晶ディスプレイによる情報案内装置を備えました。
写真の5115Fは、2008年5月に東急車輌で完成したものです。4号車のみは2005年2月に完成した5102Fから転用しました。6扉車3両を組み込んでいましたが、2016年3月に4扉車3両を新製して差換えました。新製された3両は座席などの仕様が変更されています。
【撮影:佐野次郎 2018.5.27 すずかけ台ーつくし野間】

2018/10/08

東急田園都市線8500系(8614F)

東急8500系は、8000系を基本とし新玉川線・営団地下鉄半蔵門線直通を目的として導入されたもので、1975年から91年にかけて400両が製造されました。現在は田園都市線で240両(10両編成24本)、大井町線で20両(5両編成4本)が使用されています。
車体は軽量ステンレス製ですが、当時としては先進的なものでした。東急車輌が国鉄205系の導入に際して、ノウハウを公開したことで一挙にステンレス車体の採用が広がっていったものと思われます。
2003年から5000系導入によって置き換えが始まり、大井町線への転籍も行われましたが、全車の代替には至りませんでした。混雑が激しく、東武線への直通開始により運用距離も長くなった田園都市線で運用されているのはなかなか凄いことだと思います。
写真の8614Fは、写真の8614Fは1975年9月に東急車輛で完成したものです。当初は4両編成でしたが、段階的に10両編成に増強されました。1995年度に表示器をLED式に換装し、2004年8月に東武乗入れ改造とともにスカートを設置し、2006年6月から伊豆急カラーで運用に就いています。
【撮影:佐野次郎 2018.5.27 すずかけ台ーつくし野間】

2018/10/07

京浜急行新1000形(1637編成)

京急新1000形は、2018年度の鉄道事業設備投資計画で42両の増備が行われることになっています。新1000形の18次車となり、前年度の17次車に続いてステンレス製の車体に塗装が施されています。
今回の増備により、800形の代替が完結します。4扉の800形がなくなることで、ホームドアの導入が進められます。羽田空港・京急蒲田・京急川崎・横浜・上大岡の5駅でまず整備される段取りとなっています。
京急も羽田空港への輸送が経営の柱となり、大師線の地下化が進められていくなど、先代1000形が主力だった時代とは大きく変化しています。先代1000形・2000形・800形の代替が新1000形によって進みましたが、次の形式はどのようなものになるでしょうか。
写真の1637編成は、2018年6月に川崎重工で完成したもので、18次車の2本目に相当します。18次車の42両はすべて6両編成となります。7月の1637編成の就役に伴い、800形の820編成が引退しています。
【撮影:佐野次郎 2018.9.5 屏風浦駅】

過去の記事から
京浜急行新1000形(1613編成)
京浜急行新1000形(1619編成)
京浜急行800形〈820編成〉

2018/10/06

京浜急行新1000形(1217編成)

京急の車両の中では最多勢力である新1000形ですが、2017年度に導入された17次車では更なる展開が見られました。ステンレス車体でありながら全面に塗装を施し、8両編成には120周年を記念して1200番台の車番が付けられました。
新1000形では2007年度の6次車からステンレス車体となり、現在鉄道車両では主流の無塗装・フィルム貼りとなりました。「京急らしさ」を取り戻すためにあえて全面塗装に踏み切ったということです。ステンレス車体の全面塗装は非常に珍しいですね。
車内の出入口上部に設けられた情報案内装置は、2画面を一体として表示する新しいタイプが採用されました。また日・英・韓・中の四か国語で情報が配信され、観光客の利用にも配慮しています。
写真の1217編成は、2018年3月に総合車両製作所横浜事業所で完成したものです。1217編成と入れ替わりに2000形の2011編成が廃車となり、2000形は形式消滅となりました。創立120周年とともにかつての看板車両が現役を退く形となりました。
【撮影:佐野次郎 2018.9.5 屏風浦駅】

過去の記事から
京浜急行新1000形(1201編成)
https://sanojiro.blogspot.com/2018/06/10001201.html
京浜急行新1000形(1209編成)
https://sanojiro.blogspot.com/2018/06/10001209.html
京浜急行2000形〈2011編成〉
https://sanojiro.blogspot.com/2013/04/20002011.html

2018/10/05

京浜急行新1000形(1607編成)

京急新1000形の16次車として製作された32両のうち、6両編成2本は1600番台の車番が新たに起こされました。2013年8月から2016年6月にかけて実施された、1600番台をつけていた1500形の改番で空いた車号を早くも利用した格好となります。
6両編成についてもラッピングデザインが改められ、ドア枠・窓枠を除いてほぼラッピングでカバーされるようになりました。従来のステンレス車体の1300番台も比較的銀色の部分は少なかったですが、より好ましいデザインとなりました。
車内は座席の袖仕切りを大型化し、立席客と着席客をぶつかりにくくしています。そういえば昔の103系などでは単なるパイプでしたから、隅に座るとけっこうな確率で両者がぶつかりましたね。車端部のクロスシートは6連の1600番台でも復活しています。
写真の1607編成は、2016年11月に川崎重工で完成したものです。主制御装置は東洋電機製で、前照灯・尾灯ともLEDを採用しています。1613編成以降は塗装されるようになりましたので、このフルラッピングタイプの6連は1601・1607編成のみとなりました。
【撮影:佐野次郎 2018.9.5 屏風浦駅】

2018/10/04

京浜急行新1000形(1177編成)

京急新1000形の16次車として、2016年9月から2017年2月にかけて、4両編成1本、6両編成2本、8両編成2本の合計32両が完成しました。前回の1800番台に採用された側面いっぱいのラッピングデザインが6連・8連にも取り入れられました。
車端部はクロスシートとロングシートの千鳥配置となり、クロスシート部には初めての試みとしてコンセントが装備されました。車内の情報表示装置も液晶2画面形と1画面形を交互に配置しています。また再び出入り口に化粧板が張られるようになりました。
主制御器には従来のIGBT素子に代わり、フルSiCパワーモジュールを採用し、性能の改善を図っています。反面新しいインバータ装置を採用した新1000形8連はいまのところ、都営浅草線・京成線方面の運用には入っていないようです。
写真の1177編成は、2016年12月に総合車両製作所横浜事業所で完成したものです。1177編成の就役により、2000形の2031編成が2017年2月に廃車となりました。翌年にかけて新1000形による2000形の代替が加速していきました。
【撮影:佐野次郎 2018.9.5 屏風浦駅】

2018/10/03

京浜急行新1000形(1801編成)

京急の主力車両として順調に増備が進む新1000形ですが、2015年度の増備車である15次車では新たな展開が見られました、1367編成の永久磁石同期電動機採用と1800番台貫通型の登場です。
1800番台は前面デザインが変更となり、幌の貫通により4両編成を2本つなげた8連の状態で都営浅草線・京成線方面への直通運転が可能となりました。また側面のラッピングデザインが変更され、ドア枠などを除いて車体全体をカバーできるようになりました。
1800番台は全車電動車で構成されています。前照灯・尾灯が交換頻度の少ないLED式に変更されました。また腰掛は扉間・車端部ともロングシートで構成されております。今のところ1800番台はほとんど都営浅草線・京成線方面には入っていないようです。
写真の1801編成は、2016年2月に総合車両製作所横浜事業所で完成したものです。1800番台は2016年9月に完成した1809編成を最後に3編成12両で増備が中断していますが、800形の代替が完了した後に増備再開があるか注目されるところです。
【撮影:佐野次郎 2018.9.5 屏風浦駅】

過去の記事から
京浜急行新1000形(1367編成)
京浜急行新1000形(1809編成)

2018/10/01

京浜急行新1000形(1331編成)

2011年には新1000形に6両固定編成が登場し、1300番台の車号が付番されました。付随車2両を中間に挟んだ4M2Tの構成です。新1000形の6両編成はアルミ車体のタイプには存在せず、ステンレス製だけとなっています。
6両編成は連結運転を行わないので、先頭車の電気連結器と乗務員室の自動連解操作器を装備していません。6両編成の製造は川崎重工が担当し、主制御器・主電動機などは東洋電機の製品を使用しています。
2012年に完成した1313編成からは客室・乗務員室の照明が新製当初からLED照明となりました。また2014年に完成した1331編成からはドア間座席の中間仕切りがなくなり、ポールを座席の下まで通して仕切りを兼ねるようになりました。
写真の1331編成は2014年1月に川崎重工で完成したものです。新1000形の1300番台は72両(6両編成12本)が製造されました。2016年からは1600番台に移行しましたが、双方の増備により800形の代替が急速に進んでいます。
【撮影:佐野次郎 2018.9.5 屏風浦駅】

2018/09/30

京浜急行新1000形(1489編成)

京急新1000形のうち、ステンレス車体の4両編成は、2008年から2011年にかけて11本が完成しました。2016年には正面デザインを変更した1800番台が登場しましたので、写真のタイプの4両編成は製造されないものと思われます。
車内は、細かな仕様変更がなされており、優先席の床の色調を区別するために瑠璃色のコルク模様にしたり、出入口には滑り止めの役目も果たす黄色いコルク模様の床材を採用しています。
ステンレス車体の4両編成は、全電動車編成となり、機器配置も見直されています。ステンレス車体となってから、側窓の一部が開閉可能となり、出入口と貫通仕切扉の化粧板は省略されています。
写真の1489編成は。2011年3月に川崎重工で完成したもので、新1000形の10次車に相当します。10次車では出入口上部に設けたトレインビジョンが2画面タイプとなりました。JR東日本のE233系など近年の通勤電車でよくみられる設備ですね。
【撮影:佐野次郎 2018.9.5 屏風浦駅】

過去の記事から
京浜急行新1000形(1489編成)https://sanojiro.blogspot.com/2011/04/10001489.html

2018/09/29

京浜急行新1000形(1081編成)

京急新1000形の2007年以降に完成した車両は、アルミ合金製の車体をステンレス車体に変更しました。機器・車内レイアウトなども見直され、高性能・高品質とともにコストダウンを図っています。
ステンレス車体を採用しましたが、窓下のラッピング面積が比較的広くとられ、京急の電車というイメージを維持しています。また前面のワイパーカバーは廃止され、形式名の1000はステッカーにより表現されております。
車内は車端部のクロスシートをやめて、すべてロングシートとなりました。また先頭車のレイアウトの見直しにより、運転台に隣接した座席はなくなっています。主回路機器は、IGBT素子を採用したVVVFインバータ制御ですが、国産品に回帰しました。
写真の1081編成は、2008年1月に東急車輌で完成したものです。新1000形ステンレス車の8両編成は原則として東急車輌~総合車両製作所横浜事業所で製作され、主回路機器は三菱製となっています。
【撮影:佐野次郎 2018.9.5 屏風浦駅】

2018/09/27

京浜急行新1000形(1025編成)

京浜急行の新1000形は、2003年に8両編成・4両編成ともそれぞれ2本ずつ合計24両が完成しました。これらは新1000形の2次車に相当します。4両編成については編成替えを考慮しない機器配置に改められました。
側窓は1次車に比べて上方向に20mm拡大し、扉間の窓は支柱を廃した大型1枚窓になりました。これで車体に対してガラスが平滑に見えますので、通勤電車としては非常に洗練された外観に感じられるようになりました。
1次車と同様に車端部の座席はクロスシートになっていますが、1次車から2100形と同じノルウェー製の腰掛を採用しています。客室側には補助いすも装備しています。また台車のTH-2100AM/ATも2100形のTH-2100M/Tから派生したものです。
写真の1025編成は、2003年5月に東急車輌で完成したものです。前面の表示器は新製当初は幕式でしたが、現在ではLED式に換装されています。高速シャッタースピードで撮影しても字がきちんと写るものです。
【撮影:佐野次郎 2018.2.12 屏風浦駅】

過去の記事から
京浜急行新1000形(1025編成) ※前面の表示器が幕式
https://sanojiro.blogspot.com/2012/02/10001025.html

2018/09/24

京浜急行2100形(2141編成)

京浜急行2100形は、1998年から2000年にかけて80両(8両編成10本)が製造された2扉・クロスシートの電車です。2000形の後継車両に相当し、外国製品を取り入れて新製コストの低減を図りました。
車体は軽量アルミ製で、前面デザインは600形を基本としています。車内は京急では初めて転換クロスシートを採用しました。車体更新工事により、車端部近くの側窓が開閉可能となり、出入口上部には液晶ディスプレイによる案内装置が設けられました。
主回路はシーメンス社のGTO素子のインバータ装置を採用しました。電動機を制御するための動作音が音階のように聞こえると話題でしたが、現在は国産の動作音の少ないIGBT素子の制御装置に換装されたため聞かれなくなりました。
写真の2141編成は、1999年4月に東急車輌で完成したもので、2100形の3次車に相当します。2014年2月に主回路を換装し、2017年3月に車体更新工事を完了しました。両工事とも2100形として最終の施工となりました。
【撮影:佐野次郎 2018.9.5 屏風浦駅】

過去の記事から
京浜急行2100形〈2141編成〉 ※主回路換装・車体更新前

2018/09/23

京浜急行600形(654編成)

京浜急行600形の4次車では、4両編成6本が登場しました。快特や朝夕の特急の増結、また4両単独で普通に使用されました。実際に乗車しましたが、普通でのクロスシートの電車はすごく新鮮に感じました。
とはいうものの混雑の激しい首都圏で、クロスシートの一般車がすごくよいものかというと意見の分かれるところだと思います。一度座ってしまえば快適ですが、乗降はロングシートの方が便利ですし、混む時間帯は座れないことが多いです。
京浜急行では2100形が転換クロスシートを維持し、快特やウィング号に活躍しています。乗車時間の長い三浦半島への移動や、有料着席列車にはクロスシートが必要だと思いますが、3扉の600形のクロスシートは車端部に残るのみとなってしまいました。
写真の654編成は、1996年4月に川崎重工で完成したものです。2013年11月に車体更新を実施し、あわせて扉間のロングシート化を行いました。4連を2本つなげて、羽田空港ー新逗子間のエアポート急行にも使用されています。
【撮影:佐野次郎 2018.9.5 屏風浦駅】

過去の記事から
京浜急行600形〈654編成〉※車体更新前

2018/09/22

京浜急行600形(608編成)

京浜急行600形88両の完成時期は、1994年から96年にかけてと1000形のような汎用車に比較すると短期間ですが、1996年に完成した4次車32両(8両編成1本・4両編成6本)では仕様に変化が見られます。
車内は4人掛と2人掛のクロスシートによる配置でしたが、腰掛は可動式をやめて固定式となりました。また腰掛の背ずり、座面とも新しい設計になりました。座席レイアウトの変更により、側窓の支柱の位置も調整されました。
主電動機の出力は120kWから180kWに強化され、電動車比率が6M2Tから4M4Tに下げられました。それに伴い制御機器も変更されています。また集電装置は従来の菱形パンタに代えて、シングルアーム式パンタグラフを採用しています。
写真の608編成は、1996年2月に東急車輌で完成したものです。2005年10月に扉間の座席をロングシート化し、2012年8月に車体更新を完了しています。近年前面の表示器がLED化されました。
【撮影:佐野次郎 2018.9.5 屏風浦駅】

過去の記事から
京浜急行600形(608編成)※車体更新前

2018/09/19

京浜急行600形(603編成)

3扉・クロスシート・地下鉄乗入れという新しいカテゴリを開いた京急600形電車ですが、扉間ロングシート化・車体更新工事の施行により、現在では新1000形アルミ車に近い電車となっています。
車体で目立つのが、前面の「600」という形式名のワイパーカバーの打ち抜きです。これは新1000形アルミ車・2100形と同じデザインなので、3系列で京急の新型電車という共通イメージを打ち出しています。
また前面のスカートが換装されたのも、600形の更新前とは印象が異なる理由の一つです。その他車内には、近年の電車では標準装備に近い出入口上のディスプレイが設置されています。細かな仕様変更により、最新の電車に近い車内になっているといえそうです。
写真の603編成は、1995年3月に東急車輌で完成したもので600形の2次車に相当します。2007年3月に扉間の腰掛をロングシート化し、2010年7月に車体更新工事を完了しています。近年前面の表示器をLED化しています。
【撮影:佐野次郎 2017.5.3 京急田浦ー追浜間】

過去の記事から
京浜急行600形〈603編成〉 ※車体更新前
https://sanojiro.blogspot.com/2010/02/600603.html
京浜急行600形(603編成) ※車体更新後 前面表示器LED化前
https://sanojiro.blogspot.com/2012/05/600603.html

2018/09/15

京浜急行1500形(1713編成)

京浜急行1500形のうち、現在も8両編成を組んでいるのは、1992年から93年にかけて製造されたVVVFインバータ制御にマイナーチェンジされた1700番台の40両のみになっています。1990年8月に完成した1701編成は、2013年9月に廃車となりました。
VVVF制御に変更してはいますが、既に製造された界磁チョッパ制御の1500形とは併結運転が可能で、最高速度向上にも対応した設計とされました。そのため非常増圧ブレーキが当初から装備されました。
1500形の中では1700番台のみが、現在でも都営浅草線への直通運用に就いており、京成線・北総線にも乗り入れます。また近年では、エアポート急行にも使用されています。
写真の1713編成は、1992年2月に川崎重工で完成したものです。2007年7月には車体更新を完了しています。更新工事によって、車内の色調などは一新されています。前面の行先表示が近年LED式に更新されましたが、高速シャッタースピードで撮影しても文字がきちんと写ります。
【撮影:佐野次郎 2018.9.5 屏風浦駅】

過去の記事から
京浜急行1500形(1713編成) 2012年の撮影 

京浜急行電鉄1500形(1701編成)

京浜急行1500形は、先代1000形に代わる汎用車両として1985年から93年にかけて合計166両が製造され、現在も快特から普通まで主力として活躍を続けていますが、1701編成だけが2013年9月に廃車となりました。
廃車の理由は2012年9月24日深夜に追浜ー京急田浦間で発生した土砂崩れに起因する脱線事故に遭い、大きく損傷したためです。大雨により線路内に土砂が堆積しており、非常ブレーキを使用しても間に合わなかったそうです。
1701編成は1990年8月に東急車輌・川崎重工で完成したもので、1500形で新製当初からVVVFインバータ制御を採用した最初の編成です。翌1991年には主回路に界磁チョッパ制御を用いた1549.1644.1650編成が製造されたあと、92年に1700番台の製造に移行し1707.1713編成、93年に1719.1725.1731編成が製造されました。
2006年には1700番台では初めて更新修繕を実施しました。2013年9月に廃車になりましたが、損傷の少なかった8号車であった1706号だけは廃車後も解体されず、金沢検車区で訓練用に保管されています。

2018/09/11

京浜急行1500形(1565編成)

京浜急行1500形は、現在158両が在籍していますが、編成両数別の内訳は28両(4両編成7本)、40両(8両編成5本)、90両(6両編成15本)となっており、6両編成が最多となっております。
京浜急行の新製車は1986年に製造された800形の最終増備車以降は、長らく4両、8両が中心で、6両編成は先代1000形の編成替えにより賄われました。先代1000形の廃車の進行により6両編成が不足することから、1500形の編成替えが行われました。
2006年から、主回路のVVVFインバータ制御への更新と合わせて編成替えが始まり、2013年8月から1600番台の電動車を1561以降の車両番号への改番も行われ、2016年6月に一連の改番、編成替えが完了しました。
写真の1565編成は、旧1607編成として1988年1月に川崎重工で完成したものです。当初は6連でしたが、1993年に4連となり、2003年1月に8連化されました。2010年3月に主回路をVVVFインバータ制御に換装するともに2両を1549編成に供出して6連となり、中間車2両を電装解除して1900番台に改番しました。2014年7月に1565編成に改番されました。
【撮影:佐野次郎 2018.4.30 南太田駅】

過去の記事から
京浜急行1500形〈1607編成〉8連時代
京浜急行1500形(1607編成)6連・VVVF化後
京浜急行1500形(1549編成)
京浜急行新1000形(1607編成)

2018/09/08

京浜急行800形(827編成)

京浜急行800形も現時点では5編成30両が残るのみとなり、2018年度の設備投資計画に盛り込まれた新1000形42両の増備により引退することになりそうです。4扉の800形の引退により、横浜など5つの主要駅でホームドアの整備が進められます。
800形は地下鉄には乗り入れず、京急線内でのみ使用されますので、前面に貫通路もありません。このような形式は今後は製造されず、1500形・新1000形の6両編成が普通列車の主力として活躍することでしょう。
また800形は単独で運転され、他形式とは併結運転を行わない形式でもあります。客室内に扇風機を備えているのも京急では800形が最後になりました。現在となっては珍しい装備ですね。
写真の827編成は、1986年8月に川崎重工で完成したものです。同時期に製造された826編成と同様に、当初から6両固定編成になっています。800形の最終増備車で2000形、1500形の仕様を一部盛り込んでいます。
【撮影:佐野次郎 2018.8.12 京急富岡ー杉田間】

過去の記事から
京浜急行800形〈801編成〉
京浜急行800形(805編成)
京浜急行800形(815編成)

2018/09/07

京浜急行800形(823編成)

京浜急行800形は、1978年から86年にかけて132両が製造されました。主に普通として使用することを目的として、低速から中速域での加減速性能を重視した性能を持っています。2011年から廃車が始まり、現時点で30両(6両編成5本)まで減少しています。
車体は普通鋼製で、出入口は四か所に設けています。乗降を円滑にするために多くした出入口ですが、現在では3扉車主体の京急においてホームドア導入の支障になるため、廃車が進む要因となっています。時代とともに車両に求められる要素も変わっていきます。
主回路は界磁チョッパ制御を採用し、余った電気を架線に戻せる回生ブレーキも使用可能になりました。運転台には、現代では主流のワンハンドルマスコンが採用されました。京急の電車としてはさまざまな新しい技術を取り入れた電車でもあります。
写真の823編成は、1981年4月に川崎重工で完成したものです。当初は3両編成でしたが、翌年の82年2月に同じ川崎重工で中間車3両が完成し、6両編成となりました。2016年11月から、窓周りアイボリーの製造当初の塗装を復元して営業運転に就いています。
【撮影:佐野次郎 2018.9.5 屏風浦駅】

2018/09/03

東京都交通局5300形(5301編成)

都営地下鉄浅草線の5300形電車は、1991年3月から京成線・京急線に加えて、北総開発鉄道への相互直通運転を開始することを契機に導入されたものです。冷房装置を搭載していなかった開業以来の5000形を代替し、サービス向上を図りました。
車体はアルミ製で、省エネを目的として軽量化されています。外観デザインは丸みを帯びた都会的かつ親しみやすいフォルムとされました。室内は「浅草」のイメージを表現し、柔らかな意匠となっています。
制御装置はVVVFインバータ制御を採用し、主電動機には容量165kWの誘導電動機を採用して保守の省力化と機器の小型・軽量化が図られています。行先表示は当初からLED式を採用していました。
写真の5301編成は、5300形のトップナンバーで1991年3月に日立製作所で完成したものです。後継となる5500形の投入に伴い、既に運用を離脱して2018年8月1日に総合車両製作所に回送されました。そのまま廃車となるものと思われます。
【撮影:佐野次郎 2013.4.14 四ツ木ー立石間】

2018/09/01

小田急電鉄1000形(1096F)

小田急電鉄1000形は、1987年度から93年にかけて196両が製造されました。2014年度から、製造から約25年を経過して老朽化が進んでいたことからリニューアル工事が開始されました。ワイドドア車36両を除く160両がリニューアルされる予定になっています。
客室については、座席幅の拡大、カラーリングなど大幅にデザインを変更しています。また行先、広告用として17インチワイド形の表示器を出入口の上に新設しました。冷房装置について8%能力が増強されているのは、昨今の酷暑への対応でしょうか。
主回路のVVVFインバータ装置に、フルSiC(シリコンカーバイド)パワーモジュールを採用したことにより、消費電力を従来の1000形から約32%削減すると同時に、機器の小型・軽量化を実現しています。行先表示は幕からフルカラーLEDに換装されました。
写真の1096Fは、2017年1月に4連の1052Fと6連の1252Fをリニューアルし、10両固定編成に改造したものです。1052Fは1987年12月に東急車輌、1252Fは1989年1月に日本車輌で完成したものです。10連化に伴い編成の中間となる運転台は撤去され、客室に改造されました。
【撮影:佐野次郎 2018.8.14 百合ヶ丘ー読売ランド前間】

2018/08/26

小田急電鉄3000形(3081F)

小田急電鉄3000形は、2001年度に登場したもので、現在334両が在籍しており、長く主力として活躍してきた2600形、4000形(先代)、5000形、5200形、9000形などを代替したものです。
社会環境の変化による輸送人員の減少傾向を背景として、コストダウンが求められたことから、日本鉄道車輌工業会による標準仕様ガイドラインを途中から取り入れています。車体が直線になっているのが、従来の小田急の車両とは異なるところでしょう。
車体は軽量ステンレス製で、車内は片持式の座席に案内表示装置と、近年の新しい電車としては標準的な内容です。主回路はVVVFインバータ制御で、小田急の電車では初めて集中式の冷房装置を装備しています。
写真の3081Fは、3665Fとして2006年4月に日本車輌で8両編成で完成したものです。中間車2両が2017年11月に川崎重工で完成し、あわせて10両編成に改造され3081Fに改番されました。
【撮影:佐野次郎 2018.8.14 百合ヶ丘ー読売ランド前間】

小田急電鉄3000形〈3251F〉
小田急電鉄3000形〈3660F〉
小田急電鉄3000形(3092F)

2018/08/25

小田急電鉄4000形(4066F)

小田急電鉄4000形は、地下鉄千代田線乗り入れ用の車両で、JR東日本のE233系電車を基本に設計された10両固定編成の車両です。3000形から取り入れた標準設計を発展させ、主要な機器や回路を二重系として故障により強い車両になりました。
車体はE233系と同じく軽量ステンレス製ですが、千代田線の車両限界に支障するため、裾絞りにはなっていません。車内は、明るめの赤をベースに、落ち着いた色合いでまとめられています。案内表示の液晶モニタが出入口の上部に設置されています。
主回路はVVVFインバータ制御で、情報管理システムTIOSにより、ブレーキ制御の最適化や高度な情報管理を可能にしています。台車はE233系のDT71系列を基本としたボルスタレス式空気バネ台車を装備しています。
写真の4066Fは、2016年12月に総合車両製作所で完成したものです。2012年度以来の4000形の増備となりました。千代田線用の設備の一部を非搭載としており、当面は小田急線内で使用されます。
【撮影:佐野次郎 2018.8.14 百合ヶ丘ー読売ランド前間】

過去の記事から
小田急電鉄4000形(4058F)


2018/08/18

小田急電鉄30000形(30057F+30257F)

小田急電鉄30000形EXE(Exellent Express)は、製造から30年を経過した3100形NSEの置換えを目的として、1995年度から99年度にかけて70両(4連・6連7本ずつ)が導入されたものです。
観光だけではなく、ビジネスや通勤での利用に重点を置いているため、前面の展望席もなく、また連接車ではなく4両と6両に分割可能なボギー車の10両編成として輸送力を増強するなど、3000形SEから10000形Hiseまでのロマンスカーとは毛色の異なる車両です。
ロマンスカーらしからぬロマンスカーではありますが、車内の空間は広々として落ち着いたもので、快適に利用できる電車だと思います。そして少々料金を追加しても座って通勤したいというニーズに正面から応えたことは高く評価するべきだとも感じています。
写真の30057F+30257Fは、1999年6月に川崎重工で完成したもので、30000形の3次車に相当します。7000形・10000形・20000形が既に引退しましたので、この30000形のオリジナルスタイルが現役ロマンスカーの最古参ということになります。
【撮影:佐野次郎 2018.8.14 百合ヶ丘ー読売ランド前間】

2018/08/17

小田急電鉄30000形リニューアル車(30052F+30252F)

小田急電鉄は、営業運転開始から20年を経過したロマンスカー30000形EXEのリニューアルを開始し、最初に施行した編成は2017年3月から営業運転に復帰しました。愛称もリニューアル後は、EXEα(エクセ アルファ)に変更となります。
カラーリングを変更したことでイメージが変わりました。木目調の内装と照明の一新により、客室内の雰囲気も大きく変化しました。また和式トイレを廃止し、大型のゆったりトイレを導入しています。出入口や客室に防犯カメラが設置されました。
1000形リニューアル車と同じフルSic素子を用いたVVVFインバータ制御装置を採用し、主電動機を全密閉式の新型に換装して低騒音化を図っています。また従来の4M6Tから5M5Tへと10両編成の中で電動車比率を高めております。
写真の30052F+30252Fは、1996年2月に日本車輌で完成したもので、30000形の1次車に相当します。2017年11月にリニューアルを完了しました。本編成で2本目ですが、残りの編成についても順次リニューアルが施行される予定です。
【撮影:佐野次郎 2018.8.14 和泉多摩川駅】

小田急電鉄50000形(50002F)

小田急電鉄50000形VSE(Vault Super Express)は、2005年3月に営業運転を開始した観光輸送に特化した特急電車です。デビューから既に13年を経過していますが、その魅力はまったく色褪せることがありません。
50000形の車体は、アルミのダブルスキン構造で、小田急ロマンスカー伝統の展望席と連接構造を復活させました。デザインは内外ともに建築家の岡部憲明さんが手がけています。近年急激に増加している海外からの観光客にも充分アピールできるものでしょう。
主回路はVVVFインバータ制御で、車体傾斜制御、台車操舵制御など当時の最新技術を取り入れています。情報管理装置TIOSによって、ブレーキ制御の最適化や車内情報案内など高度な情報管理を実現しております。
写真の50002Fは、2005年2月に日本車輌で完成したもので50000形の第二編成に相当します。50000形の投入により、4編成が在籍していた10000形のうち2編成が置き換えられました。50000形のその後の増備はなく、60000形・70000形が登場しています。
【撮影:佐野次郎 2018.8.14 百合ヶ丘ー読売ランド前間】

過去の記事から
小田急電鉄10000形(10001F)

2018/08/15

小田急電鉄60000形(60255F)

久しぶりに百合ヶ丘駅近くの線路脇で撮影していると、一風変わったスタイルの特急電車がやってきました。2018年3月から、特急「あさぎり」を改称した「ふじさん」に使用されている60000形MSEの6両編成です。
60000形MSEは、Multi Super Expressの略称で、東京メトロ千代田線と直通する有料特急列車に充当するために製作された車両です。6両の基本編成と4両の付属編成からなる構成で、10両編成時には中間となる面が「ふじさん」の新宿方先頭となるわけです。
60000形は、EXEこと30000形を地下鉄直通可能にして、50000形VSEのデザインを取り入れた車両だといえると思います。有料特急としての魅力を持ちつつ、運用の汎用性を備えた形式が60000形MSEです。
写真の60255Fは、2015年11月に日本車輌で完成したものです。60000形は2018年8月現在、6両編成5本、4両編成3本の合計42両が在籍しています。2012年3月から「あさぎり」に充当され、運転区間が新宿ー沼津間から新宿ー御殿場間に短縮されました。
【撮影:佐野次郎 2018.8.14 百合ヶ丘ー読売ランド前間】

過去の記事から
特急「あさぎり」に使用されていた小田急電鉄20000形RSE
特急「あさぎり」に使用されていたJR東海371系
小田急電鉄60000形〈60254F〉小田原方先頭車