2021/12/29

小田急電鉄8000形(8257F)

小田急電鉄の通勤電車といえば、ケープアイボリーにロイヤルブルー帯というのが標準塗装ですが、いまやこのカラーリングの現役車両は8000形だけになりました。2021年4月現在で在籍している142両については機器更新で3000形に準じる性能になっていますので、しばらくは活躍が続きそうです。
正面窓まわりをブラックフェースとし、前照灯と尾灯を一体のケースでまとめるのは80Sスタイルといえそうです。京浜急行の1500形や2000形も前照灯と尾灯を一体のケースにまとめていますし、窓まわりをブラックにするのは国鉄201系も同様でした。当時は近代的なデザインに感じました。
8000形の車体は普通鋼製ですが、屋根板・床板にはステンレス鋼を採用し、大型の1段下降式窓周りのシーリングを入念に行うなど、防蝕対策には力が入れられています。車体修理や保守が適切に行われていることもあって、長期間の使用にも対応できているように思います。
写真の8257Fは1985年4月に日本車両で完成したもので、8000形の3次車に相当します。8052Fと同様にイベントカラーとして白地にオレンジレッド・イエロー・ブラウンのストライプカラーで新製されました。1987年度に標準塗装となりました。2008年11月に車体修理と機器更新を完了しています。
 
過去の記事から
小田急5000形〈5056F〉
https://sanojiro.blogspot.com/2010/05/50005056f.html
小田急5000形〈5063F〉
https://sanojiro.blogspot.com/2010/10/50005063f.html

2021/12/26

東京地下鉄17000系(17181F)

東京地下鉄では、1974年10月の有楽町線池袋ー銀座一丁目間開業を契機に導入し、1989年まで増備した7000系の置換えに着手しました。17000系180両(10両編成6本・8両編成15本)を2022年度までに導入し、7000系は全廃となる予定です。
17000系の車体はアルミ製で、床面高さを1.140mmとし、7000系の1.200mmよりもホームとの段差を小さくしています。座席はシート幅460mmのバケットシートで、背ずりの部分が黄色いのが特徴です。室内灯もすべてLEDとなっています。
制御装置はフルSic-VVVFインバータ制御、補助電源装置はSIV2台を搭載します。主電動機は地下鉄の過酷な条件に適合するPMSM(永久磁石同期電動機)を採用しています。また台車はボルスタ付きモノリンク式空気バネ台車FS781を装備しています。
写真の17181Fは、2021年5月に近畿車両で完成したものです。相互乗入れ先の東急東横線では有楽町線とも共用となる10両編成よりも、副都心線専用となる8両編成のほうが見る機会が多くなるように思います。

過去の記事から
東京地下鉄17000系(17101F)
https://sanojiro.blogspot.com/2021/06/1700017101f.html
東京地下鉄7000系(7103F)
https://sanojiro.blogspot.com/2020/02/70007103f.html

2021/12/25

小田急電鉄5000形(5053F)

小田急電鉄5000形は、代々木上原ー登戸間の複々線化の完成を契機として導入された最新型の通勤車両です。「より広く、より快適に」がコンセプトで、スピード感のあるデザインが特徴となっています。5M5Tの10両固定編成で、千代田線への乗入れは考慮されていません。
5000形の車体は軽量ステンレス製で、幅2.900mm・裾絞りの拡幅車体を採用しています。先頭部は非貫通で、流線形となっています。客室内はガラスを多用して広さを演出しています。腰掛は片持ち式、床面は木目調となっています。車内案内表示装置はワイド17インチLCDを2台出入口上部に備えております。
制御装置はフルSic-VVVFインバータ制御装置を採用しています。主電動機は190kWの誘導電動機で、1000系の更新車と共通です。制動装置は電気指令式でN-TIOSで制御されます。台車は軸梁軸箱支持式ボルスタレス台車NS-102/NS-102Tを装備しています。総じて機器の小型・軽量・静音化、二重化による信頼性の向上が図られています。
写真の5053Fは、2020年8月に川崎重工で完成したものです。5000形は2021年11月現在で90両(10両編成9本)が在籍しています。私個人としても非常に見栄えの良い車両だと思います。通勤用車両としては相鉄の12000系と双璧をなす存在だと思っております。

2021/12/22

小田急電鉄1000形(1097F)

小田急電鉄1000形は2021年4月現在で、170両が在籍しています。そのうち70両が1090番台の10両固定編成です。7編成のうち、1091F~1094Fまでの4編成は新製当初から10両編成で、1095F~1097Fの3編成は既存の編成を組み替えたものです。
中でも写真の1097Fは、1055Fから3両、1255Fから5両、1081Fから2両で10両編成を組成しています。1055Fの下り先頭車と1255Fの上り先頭車を1081Fの中間車に差し替えています。この変則的な組成により先頭車を中間車に改造する工程を省いています。
車体修理と機器更新もあわせて行われましたので、Sic-VVVFインバータ制御に制御装置を更新し、空気圧縮機や主電動機も換装しています。また新型の電車と同様に車内には2画面の情報案内表示装置も設置されました。
1055Fは1988年に日本車両、1255Fは1990年1月に東急車輌、1081Fは1993年2月に川崎重工で完成したものです。1081Fは1000形で唯一の8両固定編成かつ最終増備車でした。上り方4両が2020年7月、下り方6両が2020年10月に車体修理・機器更新・改番を完了しました。

過去の記事から
小田急電鉄1000形(1055F)
https://sanojiro.blogspot.com/2018/11/10001055f.html
小田急電鉄1000形〈1255F〉
https://sanojiro.blogspot.com/2010/11/10001255f.html
小田急電鉄1000形(1081F)
https://sanojiro.blogspot.com/2012/01/10001081f.html

2021/12/21

205系(ハエ15編成)

埼京線の205系は1989年7月に営業運転を開始しました。1990年まで3次にわけて導入され、開業以来使用していた103系を置きかえました。103系の車体色は山手線から転用された車両が多かったので山手線と同じ黄緑6号でしたが、新製投入された205系の識別帯は緑15号となりました。
その後の所要増に対しては、他路線からの転用で賄われました。1996年3月の恵比寿延長に際して山手線から1編成、京浜東北線から3編成を転用しました。1996年12月のダイヤ改正では中央・総武緩行線から1編成を転用しています。2002年12月のりんかい線開業で山手線から1編成、2004年10月のダイヤ改正で山手線から1編成を転用しています。
埼京線では6扉車も山手線からの転用で組み込んでいました。2001年6月にハエ8編成にサハ204-902を組み込み、2004年末までに32編成中24本にサハ204形を2.3号車に組み込みました。
写真のハエ15編成は、1990年6月に川崎重工で完成したものです。2013年9月に廃車となりました。廃車後はインドネシアに譲渡されました。2013年6月から12月までにE233系7000番台が導入され、無線式列車制御システム(ATACS)搭載工事に伴う予備車を確保するまで暫定的に残ったハエ28編成を除いて205系の代替が完了しました。
 
過去の記事から
埼京線205系〈ハエ28編成〉
https://sanojiro.blogspot.com/2013/05/20528.html
E233系7000番台(ハエ136編成)
https://sanojiro.blogspot.com/2021/05/e2337000136.html

2021/12/20

東京地下鉄05系(05108F)

東西線05系は1988年度から2004年度にかけて13次にわたって430両(10両編成43本)が導入されました。輸送力増強や5000系の代替を目的とし、長期にわたる増備となりましたので、途中で大きな仕様変更も行われました。
車体は軽量アルミ製とし、先頭形状は傾斜と曲面を用いてスピード感を表現しています。客室内は暖色系の配色でまとめられ、座席の1人あたりの占有幅は440mmです。冷房装置を搭載したことにより、サービス改善となりました。
制御方式は高周波分巻チョッパ制御、補助電源装置は170kWのコンバータを採用しました。台車はボルスタレス式のSS112/SS012を装備しています。冷房装置は42.000kcalのCU76を搭載しました。
写真の05108Fは1990年6月に完成したもので、05系の2次車に相当します。2次車は1次車に準じた仕様ですが、前面窓を上下にやや拡げ自動放送装置が装備されています。2010年9月に廃車となりました。

2021/12/18

小田急電鉄1000形(1754F)

小田急電鉄では新しい通勤型車両として2019年度から5000形の導入を進めております。代替として廃車されたのは、8000形のうち主回路を界磁チョッパ制御のままとしていた8251Fと8255F、事故廃車の8264Fの3編成の他、1000形の非更新車なかでもワイドドア車の代替が優先的に進められています。
さてこのワイドドア車、導入当時からの輸送状況の変化により、大きな改造も行われていました。まず1997年度から99年度にかけて、側扉の開口幅を2.000mmから1.600mmに改めています。扉そのものはそのままで引き残しにするようにしています。また扉間の腰掛は7人掛けとして着席定員の増加を図っています。
2004年度には4両編成6本を6両編成4本に組み替えています。編成の変更により4両の制御車を中間付随車に改造しています。乗務員室を撤去して客室に改造されました。ただし乗務員室隣の側扉の幅は1.500mmのままとなっているので、通常の中間車とはレイアウトが異なります。
写真の1754Fは1992年2月に1553Fとして完成した4両編成に、1555Fからサハ1854、デハ1904を組み込んで2004年7月に編成組替・車種間改造・改番・車体修理・機器更新を行ったものです。1000形のワイドドア車では最後に残った1編成ということになりそうです。

2021/12/16

205系(ナハ50編成)

南武線には山手線から205系(ナハ34~45の6両編成12本)を転用したあとも103系が残っていました。残りの103系を代替するために中間車の先頭車化改造によってナハ46~51の6両編成6本を組成することになりました。
先頭車改造の種車は山手線用のサハ205形で、クハ205形1200番台とクハ204形1200番台が改造によって作られました。そのため側扉の窓は小型になっております。改造によって作られた先頭部の形状は新しいデザインになっています。
その中でナハ48編成が仙石線に残る103系を置き換えるために郡山総合車両センターで3100番台に改造されて転出しました。代わりに浦和電車区の209系0番台を209系2200番台に改造して補っています。
写真のナハ50編成のうち、中間車4両は1985年7月に川崎重工で完成したものです。先頭車2両は1985年8月に近畿車両で完成し、2004年11月に鎌倉総合車両センターで先頭車化改造を完了し、ナハ50編成を組成しました。2015年6月に廃車となり、インドネシアに譲渡されました。

2021/12/15

小田急電鉄1000形(1756F)

小田急電鉄では朝ラッシュ時の激しい混雑にワイドドア車を投入することになり、1000形のワイドドア車を1990年度から1991年度にかけて2次に渡り36両(4両編成4本・6両編成2本)を導入しました。
1000形と同様の軽量ステンレス車体ですが、側扉の幅を2.000mm(乗務員室隣のみ1.500mm)に拡大したため、台枠を補強したほか側窓・戸袋窓の寸法・形状が異なっております。腰掛は扉間が5人掛け、車端部が2人掛けのセミバケットタイプとなっています。
制御装置はGTO-VVVFインバータ制御で、制動装置は空気指令式です。台車はアルストムリンク軸箱支持方式の空気バネ台車FS534A/FS034Aを装備しています。機器は1000形とほぼ同じですが、車体重量の増加に対応した仕様変更はありました。冷房装置は12.500kcal/hに能力を増大した集約分散式です。
写真の1756Fは、1992年2月に川崎重工で完成した1556F4両に1555Fから2両を組み込んで2004年9月に東急車輌で6両編成化・車番変更・車体修理・機器更新を行ったものです。1555→1856は運転台を撤去して付随車になっています。2021年10月に5000形5059Fの営業運転開始に伴い、営業運転から離脱した模様です。

2021/12/14

205系(ナハ42編成)

南武線には1989年2月から、4次に分けて96両(6両編成16本)の205系が新製投入されましたが、103系も引き続き使用されていました。残る103系の置換えは2002年10月から2003年7月にかけて山手線から72両(6両編成12本)が転入することで再開されました。
山手線から205系が捻出されたのはE231系500番台が新製投入されたことによるものです。205系に代わるE231系500番台が山手線に投入されたのは、山手線の保安装置を新型のD-ATCに切り替えるためでした。
南武線への転用に際して短編成化・識別帯の変更が行われ、ナハ34~45編成となりました。側扉の窓が小さいのが、南武線に新製投入されたグループとの主な相違点です。ナハ45編成については2005年6月に5000番台に改造され、武蔵野線用ケヨM15編成となりました。
写真のナハ42編成は、1985年12月に川崎重工で完成し、山手電車区に新製配置され、ヤテ26編成となりました。うち6両が2003年3月に大宮総合車両センターで南武線転用工事を完了しました。2015年8月に廃車となり、インドネシアに譲渡されました。

過去の記事から
武蔵野線205系〈ケヨM15編成〉
https://sanojiro.blogspot.com/2010/01/205m15.html

2021/12/13

205系(ナハ16編成)

南武線の205系は1989年から90年にかけて4次にわたって96両(6両編成16本)が新製投入されました。6両編成で4M2Tの構成になっていました。ラインカラーを示す識別帯は黄色1号と黄かん色2号、ぶどう色2号を組み合わせたものとなりました。
205系の車体は軽量構造のステンレス車体を採用しています。前面は201系のイメージを継承したブラックフェィスとし、側窓は1段下降式となっています。暖色系で室内の配色をまとめ照明も明るくなったことから、戸袋窓・妻窓を廃止しています。
主回路は添加励磁制御を採用しています。主電動機はMT61形直巻電動機です。制動方式は回生ブレーキ併用電気指令空気ブレーキとしています。台車は軽量ボルスタレス式のDT50/TR235を装備しています。
写真のナハ16編成は1990年9月に川崎重工で完成し、中原電車区に新製配置されたものです。2009年12月にパンタグラフをシングルアーム式のPS33Eに交換しました。2014年12月に廃車となりました。

2021/12/12

東急電鉄5050系(5178F)

東急東横線の車両は5050系・5000系あわせて342両が元住吉検車区に配置されています。増備期間は長きに渡り、2004年4月の5151Fから2020年3月の4111F用の中間車2両と幅があります。大勢は2013年3月の副都市線直通時には揃っております。
2004年のみなとみらい線開業時点では長く使われていた8000系も主力でしたが、5050系の急速な増備によって完全に置換えられました。8000系は腰掛が扉間一杯にあり、ドア近くの立席部がほとんどなかったのを記憶しています。
8000系は界磁チョッパ制御を採用し、回生ブレーキを使用することはできましたが、5050系では技術の進化を反映して相当の消費電力の削減と走行音の低減を実現しています。それほど目立ちませんがホームと電車の段差も少なくなっています。
写真の5178Fは2019年11月に総合車両製作所で完成したものです。現時点では編成単位で製造された最終編成になっています。田園都市線の5000系6ドア車代替用の車両と同様に座席は背もたれが高くなり、色調も異なります。

2021/12/11

東急電鉄5050系(5157F)

横浜在住の私にとって東急東横線といえば、根岸線に次いで親しみのある路線です。車両が入れ替わった他は、それほど大きな変化の感じられない根岸線に比べると、東横線は運転面でも車両でも大きく変化しています。
横浜側の始発駅はかつては桜木町駅でしたが、思いきって桜木町ー横浜間を廃止して、みなとみらい線を介して元町・中華街まで運転上は一本の路線として運行されています。自宅まで至近とまではいきませんが、バックアップルートとしては心強い存在になりました。
また特急の運転開始によって、本当に速くなりました。副都心線を介して、新宿にも池袋にも早く着きますし、武蔵小杉で目黒線の急行と同一ホームで接続するのには感嘆しました。かつての武蔵小杉駅は相対式ホーム2面2線のシンプルな駅だったのです。
写真の5157Fは、2005年5月に東急車輌で完成したものです。現在東横線を走る東急車は5050系と5000系に統一されています。それでも五社直通により、各社の車両をあわせると相当なバリエーションとなっています。

2021/12/10

山手線103系

引退直前の車両には、撮影熱が高まる傾向は強いようです。そもそも通勤電車や新幹線は数十年前には、わざわざ撮影している人は少数だったと思います。やはり1枚あたりのコストが現代よりも高価だったことや、在来線特急などが多く走っていたこともあると思います。
いつでも撮れると思って撮らずにいると撮れなくなってしまう電車のひとつが山手線でしょう。私が現役時代を実見しただけでも、103系→205系→E231系500番台→E235系と四世代に渡って車両が入れ替わっています。
103系は1963年から84年にかけて3.447両が新製されたという驚くべき車両です。電動車と付随車を適切に組み合わせて経済性を高めた車両です。全電動車方式では変電所の能力も追いつかないための措置で、車両だけでは鉄道が成立しないことがよくわかります。
山手線には1963年に試作車が投入され、ATC導入のために同一系列内での差替えをはさみながら1988年に205系への代替が完了するまで走り続けました。ウグイス色のラインカラーはその後の形式にも継承されています。

過去の記事から
山手線103系(カラー写真)
https://sanojiro.blogspot.com/2011/05/103.html

2021/12/08

小田急電鉄3000形(3255F)

小田急電鉄3000形は2001年度に1次車24両(6両編成4本)を導入しましたが、2002年度に導入された2次車から「通勤・近郊電車の標準仕様ガイドライン」に準拠して仕様が変更されました。
車体は側扉幅を1.300mm、側扉間3.520mmに寸法を改め、小田急の通勤型電車では初めて戸袋窓を廃止しました。客室内部については、腰掛を片持ち式のバケットタイプとしています。あわせて袖仕切を大型タイプに変更しています。
側面は大きく変化したわけですが、反面機器類に大きな変更は行われませんでした。前面のデザインに変更もありません。ただし当初は現在とは異なり、ロイヤルブルーの太帯という姿で登場しました。
写真の3255Fは2003年1月に東急車輌で完成したもので、3000形の2次車に相当します。3次車では走行機器の見直しやTIOSの導入が行われましたので、2次車は外見はほぼ3次車以降に準じており、走行機器は1次車に準じていることになります。

2021/12/07

東京地下鉄08系(08101F)

東京メトロ08系は、営団地下鉄(当時)半蔵門線水天宮前ー押上間の延伸開業と、東武伊勢崎線・日光線南栗橋への直通運転を開始するのにあわせて、60両(10両編成6本)を導入したものです。東西線05系(11次車)と仕様の共通化を図り、コストダウンと機器統一性を持たせています。
08系の車体はアルミ製で、前面形状は8000系のイメージを継承していますが、縦曲線主体のシャープな形状とし、下部にスカートを設けています。客室設備については、座席をシート幅450mm・片持ち式のバケットシートとし、3-4人に区切るためのポールを設けています。
制御装置はIGBT-VVVFインバータ制御で、補助電源装置はSIVを装備しています。台車はモノリンク式ボルスタレス台車ND-730・ND-730T/CTを装備しています。また車両制御情報管理装置(TIS)を導入して運転制御や機器操作の管理を行っています。
写真の08101Fは2002年11月に日本車両で完成したものです。比較的新しい車両ですので、大きな改修は行われておりませんが、行先表示のLEDは換装され、高速シャッタースピードで撮影しても、行先や列車種別が視認できるようになっています。

過去の記事から
東京地下鉄8000系(8101F)
https://sanojiro.blogspot.com/2021/08/80008101f.html
東京地下鉄18000系(18101F)
https://sanojiro.blogspot.com/2021/10/1800018101f.html
東西線05系〈05136F〉
https://sanojiro.blogspot.com/2010/04/0505136f.html

2021/12/06

東京地下鉄8000系(8105F)

東京メトロ半蔵門線の主力車両である8000系は、当初8両編成と10両編成を混用する計画でしたが、相互乗入れ先の東急田園都市線の混雑の激化から10両編成に統一することになりました。そのため車両番号と製造順序の相違などがあります。
中でも8101F~8107Fを10連化するために製造された中間車は1994年度に導入された6次車で、東西線の05系(1~4次車)に準拠した構体で製作されているので、5次車までとは明らかに仕様が違います。特に車体裾が短いため編成の中で目立ちます。
側窓の寸法も05系に準じた縦長で、側扉の窓も複層ガラスを採用しております。客室の仕様も異なり、袖仕切りのデザインも変更され、座席の占有幅を450mmに拡大してバケットシートが採用されました。台車もモノリンク式のSS035を装備しています。
写真の8105Fは、8105~8405・8905・8005が1980年11月に川崎重工で、8505・8805が1981年9月に東急車輌で完成したもので8000系の1次車に相当します。1988年5月に冷房改造されました。8605・8705は1994年7月に日本車両で完成したものです。2009年10月に大規模修繕と制御装置の更新を行っています。

2021/12/05

小田急電鉄4000形(4052F)

小田急電鉄4000形は東京メトロ千代田線乗入れ用として、2007年度から2016年度にかけて5次に渡って160両(10両編成16本)が導入されました。「人と環境にやさしく故障に強い車両」が4000形のコンセプトで、JR東日本のE233系をベースとして標準化が推進されました。
4000形の車体はE233系を基本とした軽量ステンレス製で、裾絞りのないストレート車体です。床面高さを1.130mmとしてホームとの段差を少なくし、バリアフリーの推進を図っています。腰掛は片持ち式に大型の袖仕切りと近年よく見られる構成です。側扉上部には15インチLCDによる車内案内表示装置を装備しています。
4000形は10両編成で6M4T、制御装置はIPM-VVVFインバータ制御です。主電動機は出力190kWの誘導電動機です。台車は軸梁軸箱支持式のボルスタレス台車を装備しています。制動方式は電気指令式でTIOSによって編成全体が制御されます。
写真の4052Fは2007年3月に東急車輌で完成したもので、4000形の1次車に相当します。2013年度にJR常磐緩行線乗入れ関連機器の追設、2016年度に千代田線用ATO装置の搭載、前照灯のLED化等が行われました。

過去の記事から
E233系2000番台(マト4編成)
https://sanojiro.blogspot.com/2019/08/e23320004.html
千代田線16000系(16101F)
https://sanojiro.blogspot.com/2011/09/1600016101.html

2021/12/04

小田急電鉄8000形(8265F)

小田急電鉄8000形は1982年度から87年度にかけて導入された車両ですが、1972年に千代田線乗入れ用とはいえ斬新なデザインの9000形を既に導入していた小田急が、1982年まで従来と同じ正面デザインである5200形の新製を継続していたのか不思議でした。
8000形の導入によって、9000形と比べても遜色のないデザインの通勤車両になったと導入当時には感じました。それからは1000形・2000形・3000形・4000形・5000形と10年以内の比較的短いサイクルでモデルチェンジをしている印象です。
8000形も初期の車両は室内の色調を寒色系でまとめていました。1986年度に導入された6次車からは暖色系のカラーリングに改められたのですが、室内の色調に関しては在来の車両との連続性があったと考えられます。
写真の8265Fは1986年10月に日本車両で完成したもので、8000形の6次車に相当します。2010年2月に小田急エンジニアリングで車体修理と機器更新を完了しています。8000形の6連では最終年度の更新で、車いすスペースの折り畳み式腰掛がなくなりました。

過去の記事から
小田急5200形〈5268F〉
https://sanojiro.blogspot.com/2010/10/52005268f.html
小田急電鉄4000形(4066F)
https://sanojiro.blogspot.com/2018/08/40004066f.html
小田急電鉄5000形(5052F)
https://sanojiro.blogspot.com/2021/09/50005052f.html

2021/12/01

小田急電鉄8000形(8258F)

小田急電鉄8000形は、2002年度から2013年度にかけて車体修理と機器更新が行われました。長期間に渡って実施されたために変更点も多く発生しています。2003年度からは制御方式や編成構成の変更が行われ、機器類は3000形の3次車以降と共通化されました。2021年4月に在籍しているのはこれ以降の編成です。
制御装置はIPM-VVVFインバータ制御方式に変更となりました。主電動機は出力190kWの誘導電動機に換装され、6両編成で4M2Tから3M3Tに変更となっています。またブレーキも電気指令式に変更となり、運転台もワンハンドルマスコンに変更となりました。
車内については2002年度と同じ施工内容ですが、側窓をUVカットガラスとしてカーテンを撤去しています。LEDスクロール式の車内案内情報装置を1両につき4台、千鳥状に配置しています。車いすスペースも設けられました。
写真の8258Fは、1984年6月に川崎重工で完成したもので8000系の3次車に相当します。2004年11月に小田急エンジニアリングで車体修理と機器更新を完了しています。5000形の導入による廃車は、8000形の更新車よりも1000形の非更新車が優先されているのが現状です。

2021/11/29

京浜急行電鉄2100形(2149編成)

京浜急行2100形は、1998年から2000年にかけて80両(8両編成10本)が導入されたものです。2000形の後継車両に相当し、将来のスピードアップにも対応できる性能とされました。海外製品の導入も特徴の一つでした。
2100形の車体はアルミ製で、前面デザインは600形と同じです。側扉は片側二か所とし、腰掛は転換クロスシートを採用しました。車体更新工事によって室内照明もLED化され、車内案内情報装置も17インチLCDに変更されています。
新製当初はシーメンス製の制御システムSIBAS32を導入し、音階を奏でるインバータ装置として有名でしたが、現在では東洋電機製のIGBT-VVVFインバータ装置に換装され、主電動機も東洋電機製に交換されています。
写真の2149編成は、1999年5月に東急車輌で完成したもので、2100形の3次車に相当します。2011年8月に主回路機器をシーメンス製から東洋電機製に交換しています。2014年8月に車体更新工事を完了しています。

過去の記事から
京浜急行2100形(2149編成)
https://sanojiro.blogspot.com/2011/10/21002149.html

2021/11/28

相模鉄道21000系(21103F)

相模鉄道21000系は、既存の20000系と同様に東急線直通に充当するために導入された車両です。20000系は東横線への直通を想定していますが、21000系は目黒線への直通に充当されるものです。
21000系は8両編成になったこと以外は、外観は20000系とほぼ変わりません。強いて言えば非常用のドアコックのうち一か所が車体中央部の床下に設置されていることで、これは東急目黒線の3020系などと同じになっているそうです。
客室内についても20000系の2次車と同じ仕様になっています。最近の電車でよく見るLCDの表示器は21.5インチと大形になっています。直通運転に必要な一部機器は現時点では準備工事に止めており、後日本装備となるとのことです。
写真の21103Fは、2021年9月に日立製作所で完成したものです。21000系は2021年度の設備投資計画で32両(8両編成4本)が導入されることになっています。21000系が揃うまでは8両編成が不足するため、8両編成を所定とする運用の一部に10両編成も入ります。

2021/11/27

小田急電鉄3000形(3095F)

小田急電鉄3000形では、複々線化工事の完成や一部各停の10両編成化によって10両固定編成の所要数が増加したことから、3000形の6両編成と8両編成に新製した中間車を増結することで10両固定編成を組成しています。
既存車と新造車の経年差を少なくするため、最後に新製された編成から逆順に対象を選択しております。6両編成からの10連化の場合、新造された中間車は電動車と付随車の2両ずつで5M5Tとなります。また番号は1000形の10両固定編成に準じて3090番台が付番されました。
新造中間車は3000形の8次車を基本としており、車体強度を高めた構体が採用されています。室内には立席用のつかみ棒が曲線状になっているなどの変更点もあります。反面併結運転がなくなるため電気連結器やブレーキ読換装置・TIOS読換装置などを撤去しています。
写真の3095Fは、2006年6月に6両編成として日本車両で完成した3000形の7次車3279Fに、2011年10月に日本車両で完成した中間車4両を組み込み・6両に番号変更を行ったものです。2021年4月現在で3090番台は50両(10両編成5本)が在籍しています。

過去の記事から
小田急3000形(3092F)
https://sanojiro.blogspot.com/2011/08/30003292f.html
小田急3000形(3093F)
https://sanojiro.blogspot.com/2011/08/30003093f.html

2021/11/24

小田急電鉄1000形(1096F)

小田急電鉄1000形の1096Fが、東京オリンピック・パラリンピックの記念ラッピングをして営業運転に就いておりました。アイボリーを地色としていたので、1000形にはよく似合っていたように思います。
小田急のラッピング電車といえば、「小田急 F-Train」の記憶があります。2011年に川崎市多摩区にオープンした「藤子・F・不二雄ミュージアム」の開館を記念して、3000形の3093Fに装飾を施したものでした。
オリンピックとリンクして鉄道路線の新規開業こそありませんでしたが、営々とした設備投資の積み重ねにより、首都圏の通勤電車網は前回開催時に比べて質量ともに大幅に充実したということはいえると思います。
写真の1096Fは、2017年1月に4連の1052Fと6連の1252Fをリニューアルし、10両固定編成に改造したものです。1052Fは1987年12月に東急車輌、1252Fは1989年1月に日本車輌で完成したものです。10連化に伴い編成の中間となる運転台は撤去され、客室に改造されました。

過去の記事から

2021/11/23

東京地下鉄17000系(17104F)

東京メトロ17000系は、有楽町線に使用する車両ということで考えますと7000系・07系・10000系に続いて4世代目となります。50年持つ車両を標榜して導入された7000系も大規模な改修を施しているとはいえ、さらなる輸送サービスの改善を目指して17000系に置き換えられることになりました。
車体は10000系と同様ダブルスキンのアルミ合金製ですが、レトロな味わいもあった10000系よりも更に現代的なイメージです。ホームドアの普及もあってか、路線カラーの識別帯を側面中央部だけではなくて上部にもつけています。車体の肩部に表記した車いすとベビーカーのピクトグラムも東京メトロの最新型ならではです。
MAP-214-15V335形VVVFインバータ装置もフルSic素子を用いた最新型のものです。装置箱も小型軽量化されています。ブレーキ装置も車両制御情報管理装置を用いて、回生ブレーキの有効性を高めて省エネルギー化を図っています。情報技術の活用が進んでいるさまもうかかがえます。
写真の17104Fは、2021年2月に日立製作所で完成したものです。17000系は10両編成は予定の6編成を既に充足し、現在は8両編成の増備を進めています。2022年度中には増備が完了し、7000系が全廃となる予定です。

過去の記事から
東京地下鉄7000系(7113F)
https://sanojiro.blogspot.com/2021/08/70007113f.html
東京メトロ東西線07系(07103F)
https://sanojiro.blogspot.com/2019/09/0707103f.html
有楽町・副都心線10000系(10101F)

2021/11/21

小田急電鉄8000形(8252F)

1982年度から87年度にかけて7次にわたり160両が導入された小田急電鉄8000形電車ですが、2020年度になって18両(6両編成3本)の廃車が発生しています。これは5000形40両(10両編成4本)の導入によるものです。
廃車となったのは、製造当初の界磁チョッパ制御のまま残っていた8251Fと8255F、踏切事故により損傷した8264Fの3本です。2020年度には1000形26両もあわせて廃車となっています。
8000形としていえば、1982年に新車として鉄道ファン誌に取り上げられていたのを記憶しています。国鉄のキハ37系と同じ号で、特集内容はEF64形1000番台だったように思います。いまは現物が手元にないのではっきりとはしないのですが。
写真の8252Fは1983年2月に川崎重工で完成したもので、8000形の1次車に相当します。2006年3月に車体更新と機器更新を完了しています。5000形の導入による廃車は1000形の更新未施工車が優先されているのが現況です。

過去の記事から
小田急8000形(8251F)
https://sanojiro.blogspot.com/2011/12/80008251f.html
小田急8000形〈8255F〉
https://sanojiro.blogspot.com/2010/10/80008255f.html

2021/11/20

東急電鉄5050系(5167F)

東急東横線では、2004年度から5050系を導入し、8000系・8590系・9000系の置換えを行いました。長らく主力として活躍した8000系に比較して、電力消費量・騒音・振動を大幅に低減しています。五社による相互直通とあわせて東横線も大きく変貌したと思います。
5050系の基本構造は田園都市線用の5000系・目黒線用の5080系と共通で、軽量ステンレス製の車体です。先頭部だけがFRPでできています。東横線のラインカラーは桜色としています。これは5050系で初めて導入されたカラーです。客室は暖色系の配色でまとめられています。
5050系の制御方式は、IGBT-VVVFインバータ方式で、出力190kWの誘導電動機を装備しています。台車はTS-1019A/TS-1020Aを装備しております。主電動機と台車は3000系以降同じものとしています。集電装置はシングルアーム式で8両編成で4台を搭載しています。
写真の5167Fは、2007年12月に東急車輌で完成したものです。窓周りは艶消し仕上げ、スカートは初期型、TIP(客室内に設けられたモニタ)は15インチと初期型に近い中でも、ドア内側の化粧板はありと仕様に変更された点もあります。

2021/11/19

小田急電鉄30000形(30054F+30254F)

小田急電鉄30000形は2021年4月現在で70両(6両編成・4両編成7本ずつ)が在籍し、小田急の特急車両では最多勢力となっています。従来からターゲットとしていた観光需要だけではなく、通勤需要にも適応した車両として設計がまとめられました。
車体長20mでボギー車構造を採用したため、10両編成では588名の定員を確保しています。置換えの対象となった3100形の定員は456名でした。6両編成と4両編成で分割することが可能で、中間となる車両には自動幌装置を装備し、運転台から操作されます。
腰掛のシートピッチは1.000mmを確保しています。リニューアルに際して、照明をLEDに変更した他、ゆったりトイレと呼ばれる大型の手洗いも導入されています。元々の設計がバリアフリーにも親和性があったといえると思います。
写真の30054F+30254Fは1997年5月に日本車両で完成したもので、30000形の2次車に相当します。2019年5月に日本車両でリニューアルと機器更新を完了しています。小田急ロマンスカーの新しい領域を確立した形式として活躍を続けるものと思われます。

過去の記事から
小田急電鉄30000形(30051F+30251F)
https://sanojiro.blogspot.com/2011/09/3000030051f.html
小田急電鉄30000形(30052F+30252F)
https://sanojiro.blogspot.com/2018/08/3000030052f30252f.html
小田急電鉄30000形(30053F+30253F)
https://sanojiro.blogspot.com/2021/11/3000030053f30253f.html
小田急電鉄30000形(30055F+30255F)
https://sanojiro.blogspot.com/2021/08/3000030055f30255f.html
小田急電鉄30000形(30056F+30256F)
https://sanojiro.blogspot.com/2021/08/3000030056f30256f.html
小田急電鉄30000形(30057F+30257F)
https://sanojiro.blogspot.com/2018/08/3000030057f30257f.html

2021/11/17

東急電鉄5050系4000番台(4106F)

東急東横線の5050系4000番台は、2013年の東京メトロ副都市線との相互乗入れ開始に備えて2011年度から導入されたものです。東横線としては初の10両編成の車両ですが、既存の5050系8連と区別するために4000番台の車番が与えられました。
副都心線内で行われるワンマン運転対応機器や、副都心線を介して相互直通運転を行うことになる西武・東武線への乗入れに対応するための一体型ATS-P/S保安装置などを新製当初から備えております。
東急東横線も、東急・横浜高速・東京地下鉄・西武・東武と五社の車両が走り、バラエティーに富んだ構成になっておりますが、運用の調整や各社の車両すべてに対応する乗務員の苦労など舞台裏がどうなっているのかも興味深いところです。
写真の4106Fは2012年3月に東急車輌で完成したものです。10両すべてが新製車両となっております。また車体の窓周りは光沢仕上げ、先頭車のスカートは強化型を装備していることなど5050系の中でも後期グループの仕様になっています。

2021/11/16

203系(マト51編成)

203系電車は1971年から常磐緩行線と千代田線の相互乗入れに使用していた103系1000番台の代替を目的として1982年から1986年にかけて170両(10両編成17本)が製造されました。抵抗制御の103系ではトンネル内での温度上昇の影響が大きいための代替でした。
203系の車体は軽量化を目的としてアルミ合金製となりました。前面はやや傾斜をもたせたデザインです。客室設備は201系に準拠したものとなりました。腰掛のモケットは茶色で中央のみ薄いオレンジ色として着席区分を示しています。新製当初よりAU75G冷房装置も搭載しました。
主回路は201系を基本としたサイリスタチョッパ制御で、機器の小型軽量化が図られています。また地下鉄線内での運転条件を考慮して回生ブレーキの使用範囲を広げています。主電動機は出力150kWのMT60、台車はDT46A・TR234を装備しています。
写真のマト51編成は1982年8月に川崎重工で完成したものです。常磐線の我孫子ー取手間の複々線化により1編成の増備が必要になった際に導入された量産先行車的位置づけの編成となります。側面の車両標記が番号板になっていたのが特徴でした。2011年6月に廃車となりました。

2021/11/15

東京地下鉄10000系(10108F)

東京地下鉄10000系は2008年の副都心線開業にあわせて導入されたものです。2006年から2009年度にかけて360両(10両編成36本)が増備されました。副都心線と有楽町線で共用する車両でもあります。
車体はアルミ製のダブルスキン構体としています。先頭車は貫通路を中央に配したラウンド形としています。副都心線でのワンマン運転に対応するため、運転台などに搭載する機器も多くなっています。車内はガラス通路の採用で見通しが良いのが特徴で、15インチLCDの案内表示装置も備えています。
制御装置はIGBT-VVVFインバータ制御を採用しました。主電動機は出力165kWの誘導電動機です。補助電源装置はSIVを採用し、台車はモノリンク式ボルスタレス台車FS777を装備しています。
写真の10108Fは2007年5月に日立製作所で完成したもので、10000系の2次車に相当します。2次車では新製当初からATO装置を本装備とし、前面のゴールド帯は省略されています。相互乗入れ先の東急東横線では特急に充当されているのを見る機会が多いです。 

2021/11/14

東京都交通局5500形(5521編成)

都営浅草線の5500形は、5300形を代替するもので「浅草線リニューアル・プロジェクト」の一環として導入されたものです。歌舞伎の隈取をモチーフにした外観デザインは、穏健な5300形とはまた違った印象があります。
5500形の車体は、軽量ステンレス製となっております。座席は片持ち式のロングシートで1人あたりの幅を475mm確保しています。袖仕切りのガラスは江戸切子をモチーフにした模様が入れられています。また防犯カメラやLED照明も新製当初から取り入れています。
制御方式はフルSiCーVVVFインバータ制御を採用しています。列車情報管理制御装置INTEROSを備え、ブレーキなど運転台からの指令もINTEROSを介して、各機器に伝達されます。台車はボルスタ付き空気バネ台車TS-842/TS-843を装備しています。
写真の5521編成は、2020年12月に総合車両製作所横浜事業所で完成したものです。京急線への乗入れについては、羽田空港方面がほとんどを占めておりますが、わずかに逗子・葉山などに乗り入れる運用があります。

過去の記事から
浅草線5300形(5301編成)
https://sanojiro.blogspot.com/2018/09/53005301.html

2021/11/13

東京地下鉄15000系(15103F)

東京メトロ東西線で使用されている15000系電車は、05系初期車の代替を目的として導入されたものです。東西線の朝ラッシュ時の慢性的な遅延に対応するため、1.800mm幅のワイドドアを採用し、駅での停車時間の短縮を図っているのが最大の特徴です。
車体はアルミ製ですが、車間貫通路は有楽町線・副都心線用10000系のような透明のものでなく従来のスタイルになっています。化粧板は明るめのグレーになっています。車内案内情報装置は17インチワイドの液晶画面を備えております。
10両編成で5M5Tとなっています。制御装置はIGBT-VVVFインバータ制御で、主電動機は出力225kWの誘導電動機です。台車はモノリンク式ボルスタ付台車FS-778を装備しています。冷房装置や補助電源装置については10000系に準拠しています。
写真の15103Fは2010年7月に日立製作所で完成したものです。15000系は2021年4月現在で160両(10両編成16本)が在籍し、05系のワイドドア車とあわせて朝のラッシュ時に優先的に使用されています。

2021/11/12

小田急電鉄30000形(30053F+30253F)

小田急電鉄30000形は、3100形の代替を目的として1995年度から1999年度にかけて3次に渡って70両(6両編成・4両編成7本ずつ)が導入されたものです。新製から20年を経過したため2016年度からリニューアルが進められており、車体・客室内部・機器類など全般について、快適性や環境に配慮した改善が進められています。
30000形の車体は普通鋼製で、屋根・床材にはステンレス鋼を用いています。展望室こそありませんが、側窓が大きく連続しているため採光には優れています。リニューアルによって、腰掛はブルー・ベージュ系のツートンカラーとし照明をLEDに変更しています。客室内は広く快適なものといえるでしょう。
リニューアルにより制御装置はIGBT-VVVFインバータ制御から最新のSic-VVVFインバータ制御に更新し、主電動機も出力150kWの誘導電動機に換装しています。台車はモノリンク式軸箱支持方式のボルスタレス台車SS146/SS146A/SS046を装備しています。電動車比率の変更によりSS046付属台車からSS146A電動台車への変更が発生しています。
写真の30053F+30253Fは1997年4月に日本車両で完成したもので、30000形の2次車に相当します。2021年2月に日本車両でリニューアルと機器更新を完了しています。リニューアル後はEXEαという愛称となり、塗装も変更されています。

2021/11/10

相模鉄道11000系(11004F)

相模鉄道では「そうにゃんトレイン」を運行しています。2014年から毎年デザインを替えて運行を継続しています。現行の「そうにゃんトレイン」は八代目となります。新作の絵本をモチーフにしていることのことです。
「そうにゃんトレイン」に充当されているのは11000系で、11003Fと11004Fを1年ごとに交互に使用しています。子供は喜ぶと思いますが、日常の通勤で利用している人にも心が和らぐ効果があればよいと思います。
車体の前面と側面、車内の壁面に「そうにゃん」のラッピングを施しています。「そうにゃんつり革」「そうにゃん柄の座席シート」も七代目そうにゃんトレインから継承して引き続いて使用しているとのことです。
写真の11004Fは、2011年5月に東急車輌で完成したものです。2009年度以来の増備でしたが、仕様の変更はありませんでした。11000系はJR東日本のE233系を基本としている車両ですが、JR線直通には12000系が充当されることになり相鉄線内で運行されています。

過去の記事から
相模鉄道11000系(11003F)五代目そうにゃんトレイン
https://sanojiro.blogspot.com/2018/07/1100011003f.html
相模鉄道11000系(11004F)四代目そうにゃんトレイン
https://sanojiro.blogspot.com/2017/06/1100011004f.html

2021/11/08

東京急行電鉄5050系(5172F)

東急東横線の主力となっている5050系ですが、歴代の東横線の車両の中ではダントツのカッコよさだと思っています。やや流線形の前面デザインと中間車の2丁パンタグラフからスピード感や力強さを感じます。
直線的なデザインで実用本位の8000系や9000系の印象が強いからそう思うのかもしれません。反面やや丸みを帯びた8090系・8590系は目立つ存在でありました。5050系もE231系と親戚筋にあたる電車でもありますが、外観から受ける印象はかなり異なります。
2013年の副都心線との直通運転開始後は、東京地下鉄・西武・東武から乗入れてくる車両で一挙にバラエティーに富みますが、その直前は少数の9000系の他は横浜高速鉄道のY500系も含めて、ほぼ5000系シリーズに統一されていました。
写真の5172Fは2010年10月に東急車輌で完成したものです。撮影した時点では東横線は8両編成に統一されていましたので、副都心線との相互乗入れで10両編成が入ってくるようになってから掲示されるようになった8carsのステッカーはありませんでした。

2021/11/07

東武鉄道50000系(51008F)

2003年に半蔵門線が押上まで開業したことにより、東武伊勢崎線もあわせて東急田園都市線に乗り入れることになりました。東武では1997年から製作された30000系が充当されたのですが、6両+4両で10両編成を構成しているので、中間に運転台が入ることにより混雑時における運用には難点があったようです。
そのため2005年から50050系が導入され、180両(10両編成18本)が揃えられましたが、30000系も2編成だけが半蔵門線直通運用に残っていました。いよいよその2編成も東上線に転用されることになったのですが、50050系を新造するのではなく東上線で使用されていた50000系を転用するという手法が取られました。
50000系は使用目的に応じて、50050系・50070系・50090系という派生形式があるのですが、共通仕様はそのままで、使用目的に応じたカスタマイズをしているので、上記のような転用が可能となりました。
写真の51008Fは、2010年6月に日立製作所で完成したものです。2019年12月に南栗橋車両管区に転属して、半蔵門線・田園都市線直通用になりました。30000系の31606F+31406Fが入れ替わりに森林公園検修区に転属して東上線に転用されました。転用に際して中間運転台を撤去して10両固定編成となっています。

過去の記事から
東上線50000系(51008F)
https://sanojiro.blogspot.com/2011/05/5000051008f.html
伊勢崎線・日光線30000系〈31606F〉
https://sanojiro.blogspot.com/2010/08/3000031606f.html

2021/11/06

小田急電鉄8000形(8253F)

小田急電鉄8000形は、1982年度から87年度にかけて160両(6両編成・4両編成16本ずつ)が製造されました。省エネルギー化や長寿命化を意図して設計されたのが功を奏して、現在でも十二分に活躍しています。
車体は普通鋼製ですが、防蝕性外板やステンレス鋼を部分的に用いたり、シーリングなどの工夫により長寿命化が図られました。客室内は、寒色系の色調でまとめられていました。またラインデリアを取り入れて天井はフラットになっています。
制御装置は界磁チョッパ制御で、出力140kWの直流複巻電動機を制御します。回生ブレーキを使用することで省エネルギー化を図っています。台車はアルストムリンク軸箱支持式の空気バネ台車を装備しました。
写真の8253Fは、1983年4月に川崎重工で完成したもので、8000系の1次車に相当します。2005年11月に車体修理・機器更新を行い、制御装置はIPM-VVVFインバータ制御に変更され、主電動機も出力190kWの誘導電動機に換装しています。そのため6両編成で4M2Tから3M3Tへと電動車比率を下げています。

2021/11/05

EF64形(16号)

EF64形電気機関車は奧羽本線福島ー米沢間の板谷峠越えに使用されていたEF16形の置換えを目的として、1964年に導入されました。次いで中央本線・篠ノ井線に投入され、1976年までに79両が増備されました。奧羽本線用に福島機関区に配置された12両も1968年10月のダイヤ改正で交流電化へ切り換えられたため中央(西)本線に転用されました。
EF64形は軸配置B-B-B、重量96tのF形機関車で、直流電化勾配線の標準機となるべく開発されたものです。主回路構成などはEF62・63形を基本に一部を改良し、碓氷峠の66.7‰という急勾配区間用の設備を省略し、車体軽量化や積雪・降雪対策が施されました。
駆動装置は釣掛式で、高速性能を重視しています。台車は両端台車がDT120A形、中間台車がDT121A形を装備しています。部品はEF60・62形とできるだけ共通化されました。また旅客列車牽引用にEG(電気暖房装置)を備えています。また重連運転も可能とされました。
写真の16号機は1966年4月に東芝府中工場で完成し、甲府機関区に新製配置されたものです。JR貨物に継承され、最終配置は塩尻機関区篠ノ井派出でした。2005年3月に廃車となりました。

過去の記事から
碓氷峠鉄道文化むらEF6254
https://sanojiro.blogspot.com/2009/08/ef6254.html

2021/11/03

東武鉄道9000系(9103F)

私にとって東武鉄道の通勤電車といえば、私鉄版103系と呼ばれた8000系の印象が強いです。ほぼ同じ外観で大量に増備され、同じ車体に更新された5000系もありました。後年はその8000系も6050系に準じた前面形状に改修され、印象が一変しました。
近年は50000系・60000系・70000系とそれぞれ違うカラーで新型車両が導入されましたが、東武の場合は会社単位というより、路線別に個性を持たせるということでカラーを統一するという考えはないようです。
8000系全盛の中で異色をはなったのが、地下鉄乗入れ用の9000系でした。1981年に試作車の9101Fが導入され、所要最低限の増備を年次をかけて行ったので、少数派の形式でありながらバリエーションがあるという8000系とは毛色の違う車両となりました。
写真の9103Fは1987年6月に東急車輌で完成したものです。2007年3月にリニューアルを行い、ATOの装備など多岐に渡る、副都心線乗入れ対応が行われました。この9000系が製造されていた頃には、東急東横線で見ることができるとは思いもしませんでした。

2021/11/01

小田急電鉄3000形(3254F)

小田急電鉄3000形は在来車の置換えを進めるために、環境負荷軽減やバリアフリー化の推進、サービスレベルの向上を目指して導入された車両です。2000形以来7年ぶりの新型車両の導入となりました。3000形では2600形以来の裾を絞った拡幅車体をやめ、前面貫通路もなくしています。床面高さは1.120mmとなり、従来の車両よりもホームとの段差を30mm少なくしています。側窓は1段下降式の1連窓とし、戸袋窓も設けられています。
制御装置はIPM-VVVFインバーター制御を採用しております。パンタグラフに保守性に優れたシングルアーム式を新製当初から採用しました。また台車は小田急では初めてとなる軸梁式台車TS-1026を装備しました。車輪も防音タイプとしています。
写真の3254Fは2002年2月に日本車両で完成したもので、3000形の1次車に相当します。1次車から2次車までは、前面の青帯がロイヤルブルーの太帯で営業運転に就いていましたが、現在では3次車以降と同様の細帯に変更されています。

2021/10/31

東京急行電鉄8500系(8636F)

8500系は8000系の6次車として、1975年に田園都市線に40両(4連10本)が投入されました。以来1990年度の21次車となる中間車2両まで400両(10連40本)が製造され、主に田園都市線の主力として活躍しました。長らく田園都市線の主力として大活躍し、1979年8月には営団地下鉄(当時)半蔵門線、2003年にはさらに東武伊勢崎線にも活躍の場を拡げました。
2005年には5000系に置き換えられ、廃車となる編成が出始めましたが、一部の車両は秩父鉄道・長野電鉄・伊豆急行に移籍して活躍を続けています。また64両が海を渡ってインドネシアに譲渡されました。それでも2018年4月の時点で、田園都市線で260両(10連26本)、大井町線で20両(5連4本)が活躍していました。
新形2020系の増備の本格化により、8500系の活躍もいよいよ先が見えてきました。2021年9月の段階で残り4編成を残すのみになっています。子供の頃から本で親しみ、東横線でみかけ、通学に少し利用し、何度も撮影した8500系ですが、2018年4月に在籍していた編成については当ブログで記事にできたと思います。
写真の8636Fは1986年2月に東急車輌で完成したもので、8000系の17次車に相当します。10両編成で新製され、軽量構体で統一されています。8500系としてはかなり後期の編成で長く活躍しましたが、2021年8月に営業運転を退き廃車となりました。 

2021/10/30

東京急行電鉄8500系(8620F)

十年一昔とはよくいいますが、今から約10年前に東急田園都市線の線路端でカメラを構えていると、たいていは東急8500系がやってきました。その他は東武50050系、東京メトロ8000系が頻繁に走っていたように思います。東武の30000系も2編成にまで減っていましたが、それなりに見かけました。
東急は5000系もかなり走ってはいましたが。やはり8500系の方が多数派だという印象でした。稀なのは8590系・2000系と8500系のうち2編成の東武非乗入れの車両でした。目当ては正面にKと小さいステッカーを掲示した計7編成でした。
これらの編成は2018年から2020系が導入されるにおよび真っ先に置換えの対象となりました。2000系は9020番台に改番され、大井町線で健在です。8590系は短編成化され、富山地方鉄道に転じました。今や2020系の増備も進み、あれだけ走っていた8500系も4編成を残すだけになっています。
写真の8620Fは、1976年10月に東急車輌で両先頭車を含む3両を新製しました。8000系より中間車3両を編入して6両編成を組みました。1982年10月に8連化、1983年1月に10連化していますが、その他にも数回他編成と一部車両を差換えていました。2020系の増備により、2019年5月に廃車となりました。

2021/10/27

東京急行電鉄8500系(8632F)

8500系は、8000系を新玉川線・営団地下鉄(当時)半蔵門線乗入れ用に仕様変更したもので、1975年から91年にかけて400両(10両編成40本)が製造されました。2003年から5000系への置換えが開始され、14編成が廃車、2編成は5両ずつに分割して大井町線に転用されました。2008年度中に計画が見直され、いったん置換えは中止されました。
写真の8632Fは1983年10月に東急車輌で完成したもので、8000系の15次車に相当します。1984年4月の田園都市線つきみ野ー中央林間間の延長開業に備えて増備されたものです。新製当初から10両編成で、軽量構体車で統一されていました。前頭部をはじめとしたHゴムが黒色となっております。
1980年度に導入された8000系の12次車以降、8090系に準じた軽量ステンレスカーとして設計変更が行われました。側面のビードは従来の車両と同じですが、屋根の肩の部分の形状が張り上げ状に変わっています。そのため8500系には従来車と軽量構体車が混在する編成もあります。
1997年度に表示器をLED化し、2003年度に先頭車にスカートを設置しています。2003年3月の半蔵門線押上延長により始まった東武線乗入れにも充当され、東武用のATS設置も行われました。2018年度から導入されている2020系に置き換えられ、2019年10月に廃車となりました。

2021/10/24

西武鉄道40000系(40151F)

西武鉄道40000系は、30000系のあとを受けて2016年度から新型通勤車両として導入されたものです。2000系の老朽代替用という位置づけになります。2017年春から営業運転に投入され、東急東横線・みなとみらい線にも乗り入れています。
40000系の車体はアルミ合金製で、リサイクル性を考慮しています。また床面高さとホーム高さとの段差を極力小さくすることでバリアフリー性を高めました。最大の特徴は、ロングシートとクロスシートを転換できる座席を採用したことでした。
制御方式はIGBT-VVVFインバータ制御で、主電動機は出力190kWの永久磁石同期電動機です。台車はモノリンク式ボルスタレス台車のSS185M/Tを装備しています。また列車情報管理装置S-TIMを30000系に続いて採用しています。
写真の40151編成は、2019年12月に川崎重工業で完成したものです。2019年度以降に増備されたロングシート仕様の車両には、40050番台の車号が与えられています。2021年4月現在で、40050番台の車両は40両(10両編成4本)が在籍しています。

過去の記事から
西武鉄道30000系〈38101F〉
https://sanojiro.blogspot.com/2010/05/3000038101f.html
西武鉄道40000系(40101F)
https://sanojiro.blogspot.com/2019/11/4000040101f.html

2021/10/23

京浜急行1000形(1225編成)

2002年から順調に増備が進み472両の大所帯となった1000形ですが、2021年度は4両編成3本を増備して1500形の代替に着手するそうです。1500形の1次車は1985年の導入ですから、既に引退した800形の最終編成よりも車齢が高い訳です。
1500形の初期の鋼製車は20両(4両編成5本)ありますので、まずはこのグループの置換えが行われるものと思います。2021年度は最新の転換座席を備えた1890番台が増備される計画ですが、その次はいかなる展開をしていくのでしょうか。
1000形の増備が続くのか、1890番台を発展させた新2000形のような車両が現れるのか、いずれにしても1500形の8連や600形・2100形などの置換えが射程に入った段階で大小の変化があることでしょう。
写真の1225編成は、2019年9月に総合車両製作所横浜事業所で完成したもので、1000形の19次車に相当します。1000形8連のうちフルSiCを制御装置に取り入れた1177編成以降の後期車も、2020年5月から都営地下鉄浅草線・京成線への乗入れを開始しました。

過去の記事から
京浜急行1000形(1177編成)
https://sanojiro.blogspot.com/2018/10/10001177.html
京浜急行1000形(1185編成)
https://sanojiro.blogspot.com/2017/08/10001185.html
京浜急行1000形(1201編成)
https://sanojiro.blogspot.com/2018/06/10001201.html
京浜急行1000形(1209編成)
https://sanojiro.blogspot.com/2018/06/10001209.html
京浜急行1000形(1217編成)
https://sanojiro.blogspot.com/2018/10/10001217.html

 

2021/10/20

京浜急行1000形(1201編成)

京浜急行といえば、三浦半島への海水浴客輸送という印象が古くはありましたが、近年では羽田空港への輸送に大きく軸足を移しています。近く京急久里浜ー三崎口間については日中10分間隔から20分間隔に減便するそうです。
沿線住民の減少傾向や、コロナの影響などさまざまな事情があるのでしょうが、油壷のマリンパークも閉館するとのことで寂しい限りです。先代の1000形は三浦半島への輸送に大活躍した印象があります。
現在の1000形は、武骨で実用本位だった先代に比べると2100形を3扉化したような車両で、ずいぶんと洗練されたように思います。高速性能も改善されていますが、先代のような力強さよりもむしろ余裕を持って走っている感じがします。
写真の1201編成は、2017年12月に総合車両製作所横浜事業所で完成したもので1000形の17次車に相当します。8両編成については創立120周年を記念して、1200番台の車号が付番されました。

2021/10/17

東急電鉄5050系4000番台(4109F)

東横線の主力車両である5050系は2004年から導入されていますが、2011年には10両編成が導入されました。10両編成で5M5Tとなります。従来からの8両編成と区別するために、4000番台の車番が与えられています。
車体に大きな変化はありませんが、窓周りは光沢仕上げ、スカートは強化型を装備と後期に製造された車両の仕様になっています。ドア内側にも化粧板が貼られています。TIPと呼ばれるドア上のディスプレイは17インチとなっています。
制御方式はIGBT-VVVFインバータ制御で、出力190kWの誘導電動機を制御します。台車はボルスタレスの空気バネ台車TS1019A/TS-1020Aを装備しています。冷房装置は集中式で52.500kcal/hの能力を持っています。
写真の4109Fは、2013年1月に総合車両製作所横浜事業所で完成したものです。10両すべてが新造車です。5050系4000番台は110両(10両編成11本)が在籍しています。4110Fは、特別仕様の「Shibuya Hikarie号」、4111Fは2020年7月に5173Fに中間車2両を追加新製して組み替えたものです。

過去の記事から

2021/10/16

東急電鉄5000系(5121F)

東急東横線を走る5000系のうち1編成(5121F)がSDGsトレイン「美しい時代へ号」としてラッピングを施して営業運転に就いています。これはSDGsの理念と東急による取り組みを、展覧会のようにラッピングで表現したものです。
東急では東横線の他にも、田園都市線・世田谷線でSDGsトレインが走っています。予定では2022年9月まで運行されるとのことです。また阪急電鉄でもSDGsトレインが走っています。やはり鉄道会社ですので、電力消費の低減や再生可能由来エネルギー由来の電力調達が主な取り組みということになっています。
東急では1969年に導入された8000系で界磁チョッパ制御を採用し、電力回生ブレーキを使用できるようにしましたが、車体の軽量化を進めた8090系や、VVVFインバータ制御を採用した9000系・5000系・5050系と電力消費量を削減する方向で進化が続いています。近年は様々な機器も増える中でも省エネ化は進められています。
写真の5121Fは2009年4月に東急車輌で完成しました。当初から8両編成で東横線で営業運転に入った5118F.5119F.5122Fとは異なり、田園都市線で10両編成で営業運転を行ってのち、2010年7月末から東横線での営業運転を開始しています。2012年4月に総合車両製作所で副都心線乗入れ対策工事を終えています。

2021/10/13

東京急行電鉄8500系(8617F)

現在では田園都市線の一部となっている新玉川線の開業に備えて導入された東急8500系は、東横線の主力車両として活躍した8000系と車体構造や主要な機器は大きく変わっておりませんが、相互直通運転を行う営団地下鉄(当時)半蔵門線と極力乗務員が扱う機器を統一するために8000系とは異なる点もあります。
8500系では先頭車が電動車になっていますが、これは地下鉄線内での故障時における勾配押上条件というものがあり、電動車比率を高くする必要があったための変更点です。パンタグラフは地下鉄線内の剛体架線に対応できるように仕様を変更されています。
話はかわりますが、2018年初めには260両(10両編成26本)が在籍し、かなりの頻度で走行していた8500系もすでに40両(10両編成4本)まで減少し、2022年度には2020系による代替が完了することになっています。2003年から東武線にも入るようになり、先頭車にスカートがついたり、行先表示がLEDになったりと若干印象は代わりました。
写真の8617Fは1976年3月に東急車輌で先頭車2両を新製し、中間に8000系4両を挟んで6両編成を組成しました。同年10月には中間車を差換えて新玉川線の開業に備えました。1982年10月にはデハ8845・サハ8953を新製して8連化、さらに1983年1月にはデハ8854・8752を新製して10連化されました。その他1980年2月に3号車、1985年12月に7号車、2003年11月に2号車の差替えが行われています。2021年5月に廃車となりました。